美腸のための「4つの習慣」 腰痛や肩こりにも効果アリ?

2017.11.23
体を中から生まれ変わらせようと思ったとき、カギとなるのは、肌やメンタルにも影響を及ぼす「腸」。腸が変われば、心も体も変わるんです!
美腸

食べ物から栄養や水分、ミネラルを吸収して、残りを便として排出する…。これがよく知られた、消化管としての腸の働き。けれど、「それ以外にも、腸は実に多くの役割を担っている器官です」と、内科医の小林暁子先生。

「例えば体をウイルスなどから守る免疫システムの中枢を司るのは、腸。幸せホルモンとも呼ばれる物質・セロトニンを作り出すことも腸の大事な仕事です。また、腸が老廃物をしっかりと濾過することで血液がキレイになり、肌もいきいき。栄養の吸収が良くなって代謝が上がれば、必然的に痩せやすい体にもなります」

さらに腸の改善は、意外な不調の軽減につながることも。

「お腹のマッサージで腸の張りを取り除くと、腰痛や肩こりがなくなる人が少なくありません」(整体師・田中千哉さん)

もはや全身の健康に関わっているといえる腸。健やかに保つには、食べ方の見直しや運動、上手なリラックス法などがカギに。では具体的に何をすればいい?

「とりわけ大切なのが、腸内に棲む細菌のバランスを整えること。体にいい働きをする“善玉菌”が優位な状態が理想です」(小林先生)

腸の健康は、無数の菌が決めているのだといいます。

「ヒトの腸には約100兆個の細菌が棲んでいて、大きく3つに分けられます。体にいい働きをする善玉菌と、正反対の悪玉菌、これに、どちらか元気なほうにつく日和見菌が加わって複雑な細菌叢を作り出し、陣地争いを繰り広げています」(小林先生)

善玉と悪玉、どちらの菌が優勢になるかは食べたものなどによって日々変わるそう。

「便秘も善玉菌の大敵。きちんと食べて排出することが、善玉菌を増やすカギです」

そこでここでは、食べ物の栄養をしっかり吸収してスムーズに排出し、善玉菌を増やして全身キレイになるための、“腸を元気にする4つの生活習慣”をご紹介します!

「全身の美と健康に関わり、複雑な働きを持つ腸は、調子を整えるためのアプローチも多彩。毎日いくつか行えれば理想的ですが、それがかえってストレスになるようならひとつずつでも十分。自分にとくに合う方法が見つかったら、それを重点的に行うのもいいでしょう。下剤が手放せないなどの状態でない限り、早い人で1週間、遅くても3~4週間で腸は整ってくるはずです」

外と中から腸を動かす。

歩いたり走ったりすることは、腸に良い刺激をもたらす。「デスクワークが多くて運動不足だと、腸が停滞して便秘につながります。姿勢の悪さも骨盤内の循環を悪くする一因」(田中さん)。通勤時の工夫やヨガ、呼吸法などで解消を。

気持ちをラクにする。

「腸の蠕動は、リラックス時に優位になる副交感神経の働きで起こります。気持ちを解きほぐす時間を」(小林先生)。「みぞおちのあたりが硬かったら、ストレス過多のサイン。姿勢が前かがみで、呼吸が浅い人も要注意」(田中さん)

食べ方を変える。

消化器官の一部である腸は、食べ物から受ける影響が大。「善玉菌が喜ぶ食物繊維や発酵食品、オリゴ糖は多めに摂り、悪玉菌が好む動物性タンパク質はほどほどに。添加物をなるべく減らす、早食いを改めることも重要」(小林先生)

腸を温める。

「冷えは内臓の働きを全体的に低下させてしまいます」と、田中さん。腸の循環も当然悪化してしまうことに。「人によって下痢、便秘など症状の出方は異なります。むくみやすいうえ、腸の悩みがある人は、腸を温める生活を」

小林暁子先生 内科医、小林メディカルクリニック院長。米国の腸関連医療にも詳しい。『今日からはじめる健美腸ルール』(講談社エディトリアル)ほか著書多数。

田中千哉さん 整体師、for.R整体院院長。腸で全身を整える「腸セラピー」を提案。『すごいストレッチ』(エムディエヌコーポレーション)監修ほか、雑誌等で活躍。

※『anan』2017年11月29日号より。イラスト・原田桃子 取材、文・新田草子

(by anan編集部)


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