こんがりピザが好き、疲れやすい…「秋冬にシミ、シワ、老化が気になりだす人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2023.10.27 — Page 1/2
秋は乾燥、むくみ、冷えなどを感じやすい季節。体の潤いが不足し、シミやシワに悩みはじめる人も多いと思います。秋冬の不調対策もエイジングケアも、どちらも気になりますよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、老化の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!

秋冬の潤い不足でシミやシワが気になっていませんか?

エイジングケア 乾燥対策 紫外線対策 食薬 漢方

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 237


鏡を見るたびに、目元や口元、首などのシワが目に付いたり、手の甲がシワシワでくすんでいたり、ちょっと小走りするだけで息が上がったり、無茶すると翌日疲れがどっと出てきたり、「よっこいしょ」と言う回数が増えたり…最近、年齢を感じてきたなと感じることはないでしょうか。

だんだん日が短くなると漢方医学では、エイジングケアをするシーズンであると考えます。太陽の恩恵が陰り始めるこの時期には、体内年齢を決めるとされている『腎』の働きが低下しやすく、乾燥、慢性疲労、耳鳴り、腰痛、むくみ、冷えなどを感じやすくなるからです。そのため、秋冬の不調をその場しのぎで乗り切るのではなく、根本的に解決していくことは、老化防止につながる行動であることも多いのです。

そこで、今週は老け込みやすい秋冬にできるエイジングケア対策となる食薬習慣を紹介していきます。

今週は、秋冬の老化対策となる食薬習慣

テラス席で、お茶をするのが気持ち良い季節になりました。外が肌寒い日でも、景色が良く見渡せる窓際席を選びたくなることもありますよね。心地よい風の中、息抜きをするのもこの時期の楽しみです。ただ、最近、小鼻や唇、目元、指先など細かい部分の乾燥が気になり始めてはいませんか?

また、外出時に紫外線対策を忘れていることはないでしょうか? 秋は、乾燥しやすく美肌を保つために保湿の努力が必要となりますが、それだけではなく、紫外線対策も欠かすことができないポイントなんです。紫外線には種類がありますが、シミやシワなど老化を加速するUVAは、秋にもそれほど減るものではないからです。テラス席や窓際席で秋を満喫するときには、紫外線対策も気を付けたいですね。そして、漢方医学では、秋冬には体から潤いが不足する『肺腎陰虚』になりやすいと考えられていて、シミやシワ、髪の毛のパサつきなどを感じ老化現象を実感することが多いとされています。

そこで、今週は『陰』を補いエイジングケアをする食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食材は、【鮭と梅干しのワカメごはん】です。逆にNGな習慣は、老化の原因となる糖化を加速させる【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたAGEsが多い食材です。

食薬ごはん【鮭と梅干しのワカメごはん】

強い抗酸化作用のあるアスタキサンチン、オメガ3脂肪酸、タンパク質、ビタミンB群を含むことでスーパーフードともいわれる鮭は、エイジングケアに役立つ『陰』を補う食材。そこに胃酸の分泌を促す梅干し、そして腸内環境を整えるゴマやワカメ、生姜をたっぷり加えて作ります。消化吸収まで考えた炊き込みご飯です。

<材料>
鮭 1切れ
すりゴマ  大さじ2
梅干し  1個(包丁で叩く)
生姜 1片(千切り)
乾燥ワカメ 大さじ1(細かくする)
醤油・みりん 各小さじ2
米(もち麦) 2合
水     適量

<作り方>
材料を炊飯器に入れて炊けたら混ぜて完成。

NG行動【ピザ・グラタン・ドリアなど】こんがり焼いたものの食べ過ぎ

ピザ、グラタン、ドリア、ベーコン、フライドポテトなど高温で調理したものや加工食品には、老化や生活習慣病の原因になるといわれているAGEsが多く含まれています。そのため、糖質が多いものだけではなく、お肉や魚などを食べる場合でもなるべく、短時間でシンプルな調理をした料理がよいといわれています。

エイジングケアのために一生懸命スチーマーをかけたり、基礎化粧品を厳選して使ったり、朝晩のお肌のケアに時間をかけたりと美容を気にしているかたは、とくに体の内側からのケアも気にすることで、エイジングケアをより効率的なものとしていただけたらと思います。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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