ビールにワインでストレス発散、翌日不調…「季節の変わり目に頭痛、肩こりがひどくなる人」の特徴と対策
飲み会の後に頭痛、肩こりが悪化していませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 232
涼しくなったら、食事しようね、お出かけしようねと、猛暑を避けるように親しい人たちとの予定を組む話をしていた人は多いのではないでしょうか。
秋分の日を境に気候は一気に夏を忘れさせるように落ち着いていきます。そろそろ、真夏に約束した外食が増え始めるという方もちらほら出てくるころだと思います。今まで積もり積もった出来事をみんなで共有し、ストレス解消するということもありますよね。それだけ、ストレスをため込んでいる人も多いことでしょう。
そして、なかなかストレス発散ができない場合には、甘いものを暴食したり、お酒を飲んだり、夜更かししたりと、心のためにとる行動が、体に対してダメージを与えているということが多々あります。そんなときに増えるのが、頭痛や肩こりなどの痛み症状ではないでしょうか。ということで、今週は頭痛や肩こりなど痛みの対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、頭痛や肩こりなど痛みの対策となる食薬習慣
ようやく寝苦しい夜、外を歩くとエネルギーが吸い取られていくような毎日から徐々に解放されてきましたね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋など秋の代名詞はいろいろありますが、これから冬本番の寒さが訪れるまで、束の間の気候的な休憩を満喫したいですよね。
そこで、大切になってくるのが夏の疲れをいち早く取り除き、季節の変わり目に適合することです。今まで、体のことを後回しに考えていた人は、じわじわと自律神経が乱れた際の症状を感じることもあるかもしれません。特にストレスが多いと感じやすいのが、頭痛や肩こりです。知らず知らずに、肩や首、顎などに力が入っていたり、寝ている間に歯ぎしりをしていることもあるかもしれません。これによって、血流が悪くなったり、コリが強くなることで不調が現れます。
漢方医学では、このような状態を『気滞血瘀』とよんでいます。そこで、『肝気』と『血』を巡らせることで対策する食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【アボカド納豆】です。逆にNGな習慣は、『血熱』を生じることで頭痛を誘発する【ビール・ワイン・日本酒】などのアルコールです。
食薬ごはん【アボカド納豆】
アボカドには、ビタミンEが含まれ、納豆にはナットウキナーゼが含まれ、ブラックペッパーにはピぺリンが含まれるため、血流を促し『瘀血』の改善に役立ちます。また、アボカドには、肝臓の解毒を助け『肝気』の巡りを促すグルタチオンが豊富です。混ぜ合わせるだけの簡単レシピで肩こり頭痛対策をしていきましょう。
<材料>
アボカド 1個(半分に切り種をとる)
納豆 1パック
醤油・酢・オリーブオイル 適量
<作り方>
納豆に醤油とお酢を入れよく混ぜる。アボカドのタネが入っていたくぼみに納豆を入れる。オリーブオイルと大量のブラックペッパーをかけて完成。
NG行動【ビール・ワイン・日本酒などの飲酒】
ストレスが多い日こそお酒が好きな人は、飲む量が増えてしまうと思います。ですが、アルコールは調子が良い時に飲むドリンクです。調子が悪い日には、アルコールのデメリットを露骨に感じてしまうこともあるでしょう。アルコールを飲むことをきっかけとして片頭痛を起こしてしまうこともあります。アルコールには、脳の血管を拡張する働きがあるので、それによって周りの三叉神経が刺激されたり、その刺激で炎症物質が発生しさらに痛みを生じさせてしまうこともあります。
また、肝臓への負担もかかり、『肝気』の巡りを滞らせてしまったり、アルコールを分解するときに生じるアセトアルデヒドが『血熱』を生じさせ頭痛を感じさせてしまうことがあります。
ストレスが多かったり、頭痛や肩こりを感じていたりするときには、夜更かしをして自分の時間を謳歌するのではなく、一刻も早く寝ることが体に良いということは皆さんご存じだと思います。自分の行動を振り返り、修正すべきことが見つかったという人は、過ごしやすい10月に思いっきり楽しむことができるように、今から元気な体を準備しておきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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