飼い主パパが見つけたのは運命かも…ウサギさまが家族になった驚きの経緯とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.12.16
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第191回目は番外編。(たぶん)ハーレクイン種ウサギのアルフレッド(Alfred)さまです。

ぬいぐるみのようなうさぎさまの物語

【フレンチ猫さま】vol.191 番外編
猫(ウサギ)さまの話をもっと聞かせて!
アルフレッドさまは2歳の男性ウサギさま。


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<アルフレッドさまが語ります>
僕はパリ10区のサンマルタン運河の近くにある小さなアパルトマンの住人です。8時ごろ朝ご飯を食べたら、小屋の中や上でゆっくりくつろいで、その後はタオルをホリホリしたり部屋の中を走り回ったり、飼い主にくっついたり、気ままに過ごしています。
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自宅で仕事をしている飼い主たちがお昼ご飯を食べるころ、僕も干し草や野菜を食べ、その後はだいたい午後6時ごろまで眠っています。午後8時に夕食のペレットを食べ、8時半ごろから1時間ほど居間のほうで飛んだり跳ねたり走ったり。みんなで遊びの時間を過ごしてから自分の部屋に戻り、干し草を食べたりのんびり過ごしてから就寝。自分の小屋の上で寝ます。
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食べものは、ペレット、干し草、時々生野菜。たまに人参やブロッコリーの大きな茎もかじります。野菜くずは僕が消費します。好きな場所は飼い主たちの足元。時々木製の鈴入りボールで遊びます。特技は猛ダッシュです。
<飼い主から見たアルフレッドさまとは>
子どもの頃(小学生の頃)、家に4羽のウサギがいました。高校生のころにも1羽。パリに来てから2羽。すべての子たちと一緒にいた年月を計算すると30年ぐらいでしょうか。
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2022年の5月のある朝、朝食を終えた主人がアパルトマンの前の広場に目をやると、50メートルほど先の植え込みでぴょんと飛び跳ねた何かが目に入りました。「??」となって目を凝らすと、もう一度ぴょん。「あれは犬でも猫でもなく、確実にウサギだ」と確信した主人。と言うのも、その当時うちには12歳半になるうさぎがいたので、主人もうさぎの大きさ、形、動きを熟知していました。「どうもあの植え込みにうさぎがいるみたい」と、どうしたらいいのか迷いながら私に伝えてきた主人。私も「??!!」となりながら、それ以上考える暇もなく「はやく捕まえて!!」と叫びました。すぐに主人はその植え込みまで走り、私もその後うちのうさぎのキャリーケースを抱えて駆けつけ、無事に捕獲、家に連れて帰りました。
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どう見ても飼いうさぎであろうこのウサギちゃん。この辺りでウサギが脱走していないか、探している人がいないか訊いて回りましたが、迷いウサギの届けはなく。しばらくして捨てウサギであろうと判断して、うちの子になりました。
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アルフレッドは、ハーレクインという品種のうさぎによく似ています。
元気いっぱい! 好奇心旺盛! 甘えん坊! これは好き! これは嫌い! がはっきりしています。食べることが大好きで、ごはんの時間には待ちきれずに私たちに飛び掛かったりしますが、食べ終わったら満足して、私の足元に来てしっかりくっついてくつろいでいます。
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アルフレッドは小さな子どものような存在です! 特にかわいいと感じる瞬間は、彼が嬉しい時に思いっきり喜ぶところと首をふって走り回るところ。性格はどちらかと言えば夫に似てるのかなぁ。男の子なのでシンプルです(笑)。先住ウサギのレオナちゃん(2023年の6月に空に旅立ちました)とアル君と私たち(夫婦)、みんなで一緒に過ごした1年間は、今でも私たちにとってかけがえのない大切な時間です。レオナちゃんと同じく、アルフレッドと一緒にいるだけで気持ちが明るくなります。私の心の明かりです!
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レオナちゃんが旅立つ前の最後の2か月間はつきっきりで介護をしていたのですが、最期、数か月間動かしていなかった前足を一生懸命動かして、そのまま私の目の前で息を引き取りました。空に駆けていくようでした。
アルフレッドとはどんな最期が待っているかわかりません。毎日元気すぎて想像もつきません。でも思いが叶うなら、やはり私たちのそばで穏やかに旅立って欲しいと思います。とにかく毎日できる限りの愛情を注いで、今を一緒に思いっきり楽しく過ごしたいと思います!
ーー天然石のアクセサリーを作っている飼い主は大のウサギさま好き! アルフレッドさまは一体どこからやってきたのかわからずじまいですが、こんなに愛されるアルフレッドさまはここにやって来て毎日が幸せに違いありません。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!