極寒の日に保護されました…路上をさまよう猫さまが慌てて暖をとった場所とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.6.18
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第145回目はキジトラ猫のアンコ(Anco)さまの登場です。

白いネックレスをしている猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.145
猫さまの話をもっと聞かせて! 
アンコさまは3歳の女性猫さまです。


アンコさまが語ります
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私はシャルル・ド・ゴール国際空港近くの家に住んでいます。ガレージ、その上に住居、屋根裏部屋まである4階建ての縦長の家に住んでいます。庭はありません。


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朝7時頃、飼い主達を起こし、朝食です。飼い主は出勤準備をする前、数分間私と遊んでくれます。腕や手を噛んで遊びます。テレワークの時は一緒に仕事をします。お昼寝したり、窓から鳥を見ながら一方通行の会話をしたり、飛行機を見て自分も飛べるのでは? と空想したり。
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飼い主の帰宅後、アペリティフタイムが始まりますが、私は大好きなおやつをもらいます。オリーブも好きなんです。飼い主の夕飯にあわせて、一緒に食事をし、22時頃就寝です。
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普段のご飯はカリカリで、週末は柔らかいキャットフードです。特別な日のごはんは『Sheba』 のパテとクリームが出てきます。好きな場所は外が見えるキャットツリーの上と、飼い主の肩の上。お土産でもらった、棒の先にヒラヒラのついたものと、ワインのコルクでよく遊んでいます。飼い主がワインを開けようとすると、飛んでいって抜いたコルクを投げてくれるのを待ちます。特技は小さな虫を見つける事。夏場は家に入ってきたハエをすぐに見つけて退治します。
飼い主から見たアンコさまとは

実家にいた頃は15歳くらいまで生きたルルという名の真っ白い猫を、そのあとは17歳くらいまで生きたトトという名前の猫を飼っていました。


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アンコとの出会いは2019年12月1日。「マイナス気温のなか子猫が鳴いている」と近所に住む姪の子どもたちが夫に知らせました。しかし、保護しようとしたらご近所の車のボンネットに潜り込んでしまいました。車の持ち主に知らせ、ボンネット部を開けてもらい無事に保護しました。とても可愛い子猫ちゃんで、そのままウチの子になりました。ベタベタされるのはいやだけど、家人の側にはいつもいたい猫です。
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私の具合が悪く寝たままでいると、側に寄り添ってくれる優しい猫です。気分がいらだったり心寂しい時には、気持ちの鎮痛剤になってくれています。チャームポイントはネックレスをしているようにみえる、白い毛の部分です。私とアンコは似ていると思います。人に対してつかず離れずの距離でいたいところはそっくりです。
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コロナの時期には車での国内旅行に出かけるようになり、アンコも一緒にあちこち行きました。回数を重ねるごとに彼女も私たちと出かける事を楽しんでいます。当たり前のことですが、動物を飼うということは、動物自身では何もできないので、常に気を付けて世話をしてあげなければいけません。そのためには飼い主自身がキチンとした基本の生活ができていないといけないと思っています。
ーーアンコさまはどこからやってきたのかはわかりません。親とはぐれたのか捨てられてしまったのか? 寒い日に自ら暖かいところを求め車の中に忍び込んで助けを求めたのかもしれません。無事救出され、そのままここの飼い主たちと暮らせて、とても幸せな毎日を過ごしているようです。

取材、文・松永学