おりものは健康のバロメーター的な役割も。
おりもの＝“厄介者”と感じる人も多いだろうが、実は大切な働きを担っていると産婦人科医の竹元葉さんは言う。
「おりものとは子宮頸部や子宮内膜などから出てくる分泌物のこと。腟の潤いを保ち、汚れや細菌を排出しています。また、精子が子宮の中に入り込みやすくするなど、妊活でも重要な役割を果たしているのです」
また、おりものは健康のバロメーターでもある。チェックポイントの一つが“におい”だ。
「おりものからすっぱいにおいが漂うのは、問題ありません。一方で、腐った魚のような生臭いにおいや、服を着ている状態でも気になるほどの強いにおいがする場合は、細菌性腟症の可能性があります」
おりものの量は、生理周期内で増減がある。もっとも増えるのは排卵期で、サラサラした水っぽいおりものが出る。生理前にもやや量が増え、粘り気のあるおりものに変化する。
「排卵期ではないのに大量に水っぽいおりものが出る場合は、クラミジアなどの性感染症の可能性が。また、排卵の際に卵子は卵巣の表面を突き破るため、排卵期のおりものには血液が混じることがあります。ですが、排卵期以外でも血が混じっていたら要注意。子宮頸がんなどの可能性も考えられます」
おりものの色や質感にも注目が必要だという。
「グレーがかった色なら細菌性腟症、黄緑色っぽく泡立っていたらトリコモナス腟炎、また膿のように黄緑がかっていたら淋菌感染症が考えられます。ポロポロとしたカッテージチーズ状のおりものが、強いかゆみとともに出る場合は、カンジダ腟炎の可能性も。このような異変を少しでも感じたら、迷わず婦人科を受診してほしいです」
下着についたおりものを放置すると、蒸れて細菌が繁殖しやすくなり肌荒れの原因にも。おりものシートを使い、日中2～3回ほど取り替えて清潔に保つのが理想だという。
「濃い色の下着だとおりものの色が分かりにくいため、体調を知る上でもおりものシートを使う利点は大きいといえます」
また、おりものシートは災害時にも活躍するアイテムだ。
「災害時はお風呂に入れなかったり、下着を頻繁に洗うのも難しいもの。生理用品とあわせて、おりものシートやデリケートゾーン用シートを防災バッグに入れておくと役立つと思います」
知っておきたい！ 「おりもの」の危険信号
【におい】
・生臭いにおい
・着衣でもわかるほどの強いにおい
【量】
・排卵期・生理前以外も多量に出る
・おりものシートからあふれる量
【色】
・グレーがかった色
・黄緑色
【質感】
・カッテージチーズ状
・泡立ったような状態
【その他】
・排卵期以外も血が混じる
おりものの異変には病気が潜んでいることも。上記のにおいや量、色、質感、血液が混じっていないかをチェック。これまでと違うと感じたら、すぐに婦人科を受診しよう。色や質感などを説明しづらい場合は、おりものを撮影し、診察時に見せると伝わりやすい。
編集部セレクト 「おりもの」ケア用品
1、【ソフィ】おりものシート オーガニックコットン サボンの香り
かぶれにくく敏感肌にもやさしい。デリケートゾーンが触れる面の上層に100％オーガニックコットンを使用。52個入り￥438（ユニ・チャーム お客様相談センター TEL：0120・423・001）
2、【ソフィ】妊活タイミングをチェックできるおりものシート
妊活に役立つ画期的なおりものシート。排卵日が近づくと増えるおりもの内の物質にシートに内蔵されたテスターが反応し、妊活タイミングを知ることができる。5個入り￥605（ユニ・チャーム お客様相談センター）
3、【サラサーティ】SARA・LI・E Tバック用
Tバック愛用者にオススメ。快適さとおしゃれを両立！ Tバックショーツにピッタリの形状のおりものシート。表面シートは天然コットン100％。20個入り￥346（小林製薬 お客様相談室 TEL：0120・5884・06）
竹元 葉さん 産婦人科医。クリニック勤務を経て、2019年に「sowaka women's health clinic」を開業。女性のすべてのライフステージにおけるかかりつけ医として、女性医師・女性スタッフのみで診療を行っている。
※『anan』2024年2月21日号より。取材、文・音部美穂
（by anan編集部）
