世界で最も美しい図書館は台湾にあり?! 注目の温泉地「北投」に行ってみた

ライフスタイル
2017.04.08
台湾で注目の温泉地「北投(ベイトウ)」。少し足を延ばせば、台北とは違う景色が広がります。
台湾

MRTの台北駅から、約40分。おしゃべりしていたら、あっという間に到着する温泉地・北投。しかも3種の泉質のお湯が楽しめるというのだから、短い台湾滞在であっても、時間を割いて訪れる価値は十分に。

台湾の温泉の歴史は、1894年、ドイツ人によって発見されたことから始まるが、翌年には日本統治となったため、ここには温泉宿や公衆浴場など、日本的な温泉文化が築かれていく。1905年には、地質学者・岡本要八郎によって、微量のラジウムを含む鉱物“北投石”が発見され、地熱谷はラジウム泉(放射能線)であることが判明。湯治場としての人気も高まり、一大温泉地として栄えていく。戦後になってからは、街の位置づけが歓楽街となったため、一帯の様相も変わっていったが、1979年の健全化政策により、家族連れでも楽しめる観光地として蘇った。

そして2004年、高級リゾートホテル「三二行館」がオープンした頃から、ホテルの高級化&おしゃれ化が進み、街も活性化。2010年には、日本旅館の『加賀屋』も進出し、リゾートとしての知名度が上昇、さらなる賑わいを見せている。

また、ほとんどが単純温泉という台湾において、北投温泉は、健康効果が高い硫黄泉。天然ラジウム温泉の青硫黄泉のほか、白硫黄泉、鉄硫黄泉の3種があり、それぞれ源泉が違うため、施設によって引いている泉質はさまざま。事前にチェックしてから予約するのがよさそう。

そんな北投では、温泉街の趣を残しつつ、有名建築家によるクールな建物も続々と建てられています。建築マニアならずとも見ておきたい、新ランドマークはここ!

とびきりモダンで幻想的なZENを体感。

法鼓山農禪寺(ファーグゥシャンノンチャンスー)

台湾

台湾4大仏教寺院のひとつ「法鼓山」のお寺。2012年に落成したガラス張りの本堂“大殿”の手前には、蓮が花咲く“水月池”が。あるときは水面に大殿を映し出し、あるときは池の先に釈迦牟尼仏が浮かんでいるようにも…。また、ガラスの壁には般若心経が書かれており、西日が差すと床にお経が“降りてくる”。5000字もの金剛経が彫り抜かれた壁面など、芸術的建築物としての見どころがそこここに。禅の体験講座を、毎週水・土曜の10:00~12:00に実施。水の入った器を持ち、こぼさぬよう本堂周辺を歩く“動禅”を行う。時間内なら無制限で体験可。また、日本語ガイドによる案内コースは約40分。1週間前までに要予約。

北投區大業路65巷89號 TEL:02・2893・3161 9:00~17:00(書店、軽食店は~21:00) 不定休 日本語可(ガイド希望者は要予約)。

不思議なフォルムの木造建築の正体は?

台北市立圖書館北投分館(タイペイシーリートゥーシュウグゥアン)

台湾

新北投駅から徒歩約6分。北投公園に佇む瀟洒な建物、それが通称・北投図書館だ。地上2階、地下1階の木造建築で、国内の数々の建築賞をはじめ、海外メディアが選ぶ“世界で最も美しい図書館”にも多数ランクイン。屋上緑化や太陽光発電、雨水の再利用等、環境面への配慮も高く評価されている。椅子の背もたれの昆虫模様、ユニークな洗面台のあるトイレなど…細部のデザインも見応えあり。台湾と日本の雑誌、新聞、コミックやDVDなど、娯楽性の高いものも常備。空間を贅沢に使っており、蔵書はやや少なめ。また、至る所にコンセントがありPC作業が可能。館内をひと回りした後は、おしゃべりOKのテラス席へ。

北投區光明路251號 TEL:02・2897・7682 8:30~21:00(日・月曜9:00~17:00) 第1木曜、祝日、旧正月休 日本語不可。

MRT北投駅で下車、または新北投支線に乗り換え、新北投駅で下車。公衆浴場なら台湾最古ともいわれる『瀧乃湯』、水着着用の『千禧湯』へ。「復興公園」で足湯を楽しむのも◎。平埔族の文化を紹介する博物館「凱達格蘭文化館」や温泉史をたどる「北投温泉博物館」は入場無料。

※『anan』2017年4月12日号より。写真・小笠原真紀 コーディネーター・王 良※(金へんに玉/TOP TAIWAN)

(by anan編集部)


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