アイヌ文化、アート、贅沢ごはんまで! 北海道・白老町散策ガイド

ライフスタイル
2025.01.27

アイヌ工芸品を扱うショップや作家さんのアトリエをはじめ、ギャラリーができるなど、新たな動きも起こっている北海道の白老町。白老牛の名店や、地元の海産物を安く手に入れられる楽しい人気スーパーマーケットにも注目です。

アイヌ文化、アート、贅沢ごはん。町を堪能! 白老町散策ガイド。

北海道の南西部に位置し、雄大な山々と太平洋に囲まれた、自然豊かな白老町。古くから先住民族であるアイヌの人々が多く住んでいることでも知られ、町のいたる場所でアイヌ文化を感じることができる。2020年には「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が開業し、全国的に大きな話題にもなった。

白老町を象徴するものの一つに、周囲約4km、アイヌ語で「大きな沼」を意味するポロト湖がある。さまざまな野生動物も暮らしていて、夏は爽やかな緑、秋は紅葉と季節ごとに異なる表情を楽しめる、訪れる人の心を和ませるスポットに。冬の時期は、厚い氷に覆われた湖の上に雪が降り積もり、果てしなく広がる真っ白な風景が幻想的で心を奪われる。

また、世界的にも珍しい茶褐色のお湯が特徴のモール温泉が湧出したり、黒毛和牛の白老牛や、カニをはじめとする海の幸が楽しめるなど、さまざまな魅力にあふれている白老町。街や自然の中を散策するうち、気がつけば、リフレッシュしていること間違いなし。

ウポポイ(民族共生象徴空間)

1、アイヌ民族の伝統楽器「ムックリ」(¥1,300)。鈴木紀美代さんが手がけたもの。2、『デルフォニックス』の定番ノート「ロルバーン」に、マンタリ(前掛け)のアイヌ文様を落とし込んだ(¥900)。3、PRキャラクターであるトゥレッポんのボールチェーンマスコット(¥950)。提供:公益財団法人アイヌ民族文化財団

展示を見たり、体験を通じてアイヌ文化を知ろう。
「国立アイヌ民族博物館」と「国立民族共生公園」からなる、アイヌ民族の歴史や文化の一端を知ることができるナショナルセンター。見て学ぶだけでなく、アイヌ文様の木彫りや刺繍、楽器の演奏など、体験系のプログラムが充実しているところが嬉しい。

白老郡白老町若草町2‐3 9:00~17:00(時期により開園時間が異なるためHPで確認を) 月曜(祝日または休日の場合は翌日以降の平日に閉園)、3月1~10日休 チケットは大人¥1,200 https://ainu-upopoy.jp/

ポンエペレ

1、絶妙な色合いのアイヌ刺繍コースター(¥1,600)。2、木彫り歴70年の木工作家・小林洋さんの木箱(¥8,000)。繊細な木彫りに目を奪われる。3、アイヌの刀掛けを作る時の編み方「エムシアッ織」を取り入れたストラップ(各¥1,350)。モダン。

伝統の技が生きた、かわいいアイヌの民芸品に出合えるお店。
アイヌ刺繍やアクセサリー、木彫りのクマなど、伝統あるアイヌ民芸品が揃う。細やかな手仕事から生まれるアイテムは温かみのある佇まいで、生活に取り入れたくなるものばかり。買いやすい価格のものが多いのも嬉しい。店主のアイヌ民芸にまつわる興味深いお話も必聴。

白老郡白老町若草町1‐1‐17 ポロトミンタラ敷地内 TEL:090・9515・3327 10:00~17:00(11~3月は11:00~16:00) 月曜休(11~3月は月~水曜休)

Rempei Mizuno

もともとアイヌ民族博物館で木工を学んでいた水野さんは、2011年に最年少で伝統工芸士に。「定休日以外に閉めている場合も多いので、その時はすみません」と微笑む。風情あるアトリエ兼ギャラリーの建物は、白老町在住のモルタル造形作家・和田正樹さんが手がけたもので、唯一無二の空間に仕上がっている。

アイヌの伝統工芸品を受け継ぐ作家の趣深いギャラリー。
伝統的な工芸品の複製にこだわり、昔と変わらない作り方でイタ(お盆)などを手がけている伝統工芸士・水野練平さんのアトリエ兼ギャラリー。依頼者とコミュニケーションを十分にとった上で作品を作り始め、何年もの時間がかかることもあれば、一年にいくつもの作品が完成するような場合もあるという。ギャラリーに並ぶ作品たちの、美しく生き生きとした文様を眺めていると、あっという間に時間が流れていく。ギャラリー内ではホットコーヒー(¥500)などのドリンクをオーダーすることができ、贅沢にも、水野さんが手がけたイタで運んできてくれる。使い勝手の良さも実感できるはず。

白老郡白老町東町2‐4‐8 13:00~17:00 月曜休 作品の依頼、購入は水野さんと実際に会ってから応相談となる。http://www.mizuno-rempei.com/

天野ファミリーファーム

1999年にオープンした『天野ファミリーファーム』は、木造の建物がなんともかわいい雰囲気のレストラン。イギリスのウェブ誌で「ベスト・ジャパンBBQレストラン2023」に選ばれるなど国外の評価も高い。4~11月の期間限定で登場するソフトクリーム(¥420)も人気メニューの一つになっている。

かわいいレストランで人気ブランド和牛をどうぞ。
北海道を代表する黒毛和種のブランド牛「白老牛」を、炭火焼きで食べられるレストラン。写真は上サーロイン(200g¥4,200)で、鮮度の高い、ほどよくサシの入った上質で立派なお肉に思わず目を奪われる。珪藻土を使った七輪と備長炭で中まで一気に焼き上げ、口に入れた瞬間から深い旨みが広がり、食べ応えがありながらも、食べ終わった後はさっぱりとしている。ほかにも、人気の「厳選赤身3種盛り」(¥4,900)など焼き肉メニューも充実、オープンと同時に家族連れや観光客で大にぎわい。これを食べるためにた白老町に来たい! と思わせる、本当に美味しいお肉に出合えます。

白老郡白老町白老766‐126 TEL:0144・82・5493 11:00~15:00、16:00~20:00 水曜、第3木曜、年末年始休 https://www.amano-familyfarm.com/

brew gallery

ビールの醸造所を併設! 北海道の作家の魅力を発信。
北海道にゆかりのある作家を中心に展覧会を行うコンテンポラリーアートのギャラリー(写真は小助川裕康さんの時のもの)。併設されたビールのブリュワリーでは、十勝産の麦芽と白老産のエント茶を使った「オロオロ・ブラック」をはじめ9種を醸造。今後、缶ビールでの発売も控える。

白老郡白老町大町3‐4‐11 Brew bldg1F 11:00~17:00 月~水曜休(個展入れ替え期間は休業) https://brewgallery.art/

ラッキーマート 白老店

地元の美味しい海産物がリーズナブルに手に入る!
白老をはじめ、室蘭や苫小牧の港から届いた海の幸がずらりと並ぶ。カニが山積みになっていたり、有名な虎杖浜のたらこや、お寿司など海鮮を使ったお惣菜をお手頃価格で購入できるなど、とにかく楽しい。スーパー内の「元気広場」では海鮮丼など食事ができるので活用してみて。お土産を探している時にもぴったりの場所。

白老郡白老町本町1‐9‐41 9:00~20:00 無休 https://www.hokuyu-lucky.co.jp/

写真・田尻陽子 取材、文・重信 綾

anan 2431号(2025年1月22日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2431掲載2025年01月22日発売

冬のご自愛旅へ。

野沢温泉、白浜、奥飛騨、会津、ポロト、軽井沢…それぞれに温泉、パンダ、絶景、美食…と個性的な“癒し旅”の要素が詰まった旅の目的地をananが厳選。“餃子とビール、ときどきサウナ”のととのい旅やリモートワークをしながらリフレッシュもできる宿など、いまどきな“ご自愛旅”も提案。この冬おすすめの旅スタイルが詰まった一冊です。

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