堀潤と山崎怜奈が考察！　お金・財産を護るためにできることとは

お金・財産を護る

以前と同じように生活をしているのに、前よりも家計が苦しくなっている気が!?　物価高や円安、なかなか上がらない給与…。今、財産を護るためにできることは何だろう。

――特別高価なものを購入したわけでもないのに、気づけば貯金の残高が目減りしていたり。同じ1万円でもお金の価値が変わってきているように感じます。

堀：増税や物価高、社会保険料の負担増など、以前よりも家計を逼迫する要素はたくさんありますね。また、資産が増えたり減ったりするのは、各国の金利差の問題も大きいので、世界のニュースにぜひ、注目していただきたいです。世界で起きていることが皆さんのお財布にもすごく関わってきます。

山崎：今、アメリカの金利が5％くらいですか？　アメリカの金利が高いと、円安の状態が続いてしまいますよね。

堀：投資家たちは、各国の金利差を利用して、資産が増える方に投資をします。アメリカの金利が高ければドルに需要が高まり、結果円安になってしまう。円の価値が下がりますから、海外旅行なども行きにくくなりましたね。

山崎：金利だけではなく、どこかで戦争が起きても経済は影響されますよね？

堀：そうなんです。エネルギー資源が入りづらくなって石油が高騰したり。日本は、株価は上がっているのに、賃金が上がらないというのが大きな問題なんですね。

山崎：大問題です！　欧米も物価高ですが、賃金もそれなりに上がっています。なぜ、日本は上がらないのだろう？　と複合的に考えていかないと、日銀が悪い、政府が悪いと何か一つを責めても、気持ちが荒むだけな気がします。

堀：結局、経済の仕組みやマーケット情報をいち早く手にした人たちは得をして、ただ消費するだけの川下にいると損ばかりすることになってしまうんですね。

山崎：政治や経済のニュースをまめに見ていくと、自分の生活を豊かにするヒントがあったり、逆に、ちょっと気をつけなければいけないことや予兆を感じ取ることができると思います。その点、芸能ゴシップは自分の生活を何も救ってくれませんからね（笑）。

堀：（笑）。日本はどうしても国内の事件などのニュース報道が多いですが、国際情勢によって、1年後、2年後、さらに10年後の私たちの暮らしが変化していくので、世界の大きな流れを継続的に見ることは大切だと思います。

――最近、若い人たちの間でも、投資を始める人が増えていますが、お金や財産を守る上で注意することはありますか？

堀：新NISAが始まり、投資人口は増えました。ただ、今年の夏に大きく株価が下落し、（投資を）始めたばかりの人たちがパニックになって売り出すケースが続出したんです。世界経済を見ていると株価のアップダウンは日常茶飯事。慌てて売ってしまうとかえって損をしてしまうので、長期的視野を持っておくことは財産を守るためには必要でしょうね。

山崎：最近は、初心者向けの投資の本も出ていますし、勉強してみると楽しいです。自分の足で稼ぐことには物理的に限界があるので、投資で、お金に働いてもらって、その両輪で増やしていくとよいと思います。もちろん、リスクはありますから、ある程度蓄えができてからですが。私はお小遣いを増やしていくような感覚でいます。

堀：所得の話でいうと、あらためて自分の労働価値を考えてみるのもいいかもしれません。会社員だと決められた給料をもらっているので、自分の仕事が一体いくらになるのか意識する機会はあまりないかもしれませんが、正当な報酬をもらっているのか、搾取されていないか、それを知るためにも世界のニュースは一つの基準になると思います。フランスでは、日本の倍以上の給与でも「少ない」と抗議の声を上げています。日本は安い賃金でも働いてしまうので。

山崎：お金も時間も有限なので、何に使うのか、優先順位を考えることも大事な気がします。私は経験に使いたいと思っているんです。時間ができれば旅行したり、人に会ったり、そういう手間は惜しみたくない。「百聞は一見にしかず」ですから。節電したり、一人の食事は節約するけれど、人との食事や旅行の時にはちゃんと使うなど調整するようになりました。

堀：いいですね！　目先の財テク以上に、いろいろな立場の人と話して違う世界を知り、視野を広げる、自分に対して投資をしておくことは、最終的に身を守る力を備えることになると思います。

日本株が大暴落。

今年の夏、日経平均株価が7月の時点で4万2000円台まで上がり、8月5日に3万1000円台に一気に暴落した。新NISAがスタートしてから初めての大暴落で、投資初心者の動揺も大きかった。8月半ばには3万5000円台まで回復。10月15日現在、4万円台まで戻っている。

米FRBが久々に利下げ。

9月18日、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会（FRB）は、インフレと失業率が高まっていたため0.5％の利下げを発表した。政策金利の引き下げは4年半ぶりで、下げ幅は通常の2倍。日米金利差が縮まることから、円高が進み、一時、1ドル＝140円台半ばに。