「シェアリング・エコノミー」とは、インターネットを介して、個人が持ちながら遊ばせているモノや場所などの、貸し出しを仲介するサービスのことなどを指します。モノ以外にも料理やDIY代行など、技術の貸し出しもあるんですよ。眠っている資産を有効活用するので、提供する側は、既存のサービスより価格を抑えられるし、ちょっとした収入を得られます。決済はネットを通じて行うので煩雑さはありませんし、取引後にはネット上で互いを「評価」し合うシステムになっており、高評価が利用者の安心につながります。
シェアリング・エコノミーが増えてきた背景には、スマートフォンの普及とSNSの発達があります。企業を介さなくても、需要と供給を満たす個人同士を簡単にマッチングできるようになったんですね。
最も代表的なサービスは、民泊の仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」。ホテルよりも安価に泊まれますし、ホテルがないような地域にも宿泊できるので、地域経済活性にもつながります。世界的に利用されている「Uber(ウーバー)」は、自家用車を使った有料の送迎仲介サービス。日本では個人の車による有料送迎は禁止されていますが、今後飲食店の宅配に使われるようです。みなさんに身近なところでは、「メルカリ」ではないでしょうか。 スマホを使って簡単にフリマ感覚でモノの売り買いができるアプリ。日米合わせて、ダウンロード数が4000万を突破しています。
利用者が急速に増える一方、利用に抵抗を示す人もいます。総務省の情報通信白書によると、シェアリング・エコノミーについてのアンケートに、「あまり利用したくない」「利用したくない」と答えた人は7割強。理由の1位は「事故やトラブル対応に不安があるから」でした。法整備や既存の業界とのバッティングなど改善の余地はまだまだありますが、給与所得が伸び悩むいま、副収入を得る手段としても有効なのではと思います。家や店のちょっとしたスペースを貸し出す「軒先株式会社」や、出張する人についでに荷物の運び人になってもらう「hakobito(ハコビト)」など、アイデアあふれる新サービスが次々生まれています。