家電が故障したかも…すぐにやるべき3つのこととは? 家電の不調や故障Q&A6つ

ライフスタイル
2024.06.08
愛用している家電の不調や故障の症状が現れても、焦ることなかれ。解決に向けた一歩目から修理をしたい時に役立つ情報までをまとめました。

家電が動かなくなった時の対処法や修理をする際にやるべきことをチェック。

Q1. 故障かも? と思ったら、まず何をするべき?

家電 故障

A. 【1】スイッチを切る。【2】コンセントを抜く。【3】取扱説明書を見る。の3ステップ。
まず、すべての家電においてやるべき共通事項が、スイッチを切ってコンセントを抜くということ。

「自分でも気づかないうちに動作モードなどを変更してしまい、思うように動かないというケースも少なくないので、まずは一度電源を落としてみましょう。この時、いきなりコンセントを抜くと火花が出て火事の原因になることがあるため、先にスイッチを切ることが大切です。その後、再起動させても症状が変わらない時は、取扱説明書の『故障かな? と思ったら』のような該当するページを見て、症状と照らし合わせながら、アナウンスに準じて対応していくのがベスト。ひと通りやってみても直らない場合は、かなりの確率で故障です」(家電ライター・藤山哲人さん)

取扱説明書が手元にない人は、各メーカーがネットにアップしているPDF版や、各メーカーの公式ホームページにある、故障の症状診断コーナーも参考に。

◎家電が壊れた時によくあるケースは?
・洗濯機
ドラム式で一番多いのは、乾燥時間が驚くほど長引くケース。残り時間の表示が2時間以上になる、スタート時よりどんどん延びる時は、故障の可能性が高い。また、洗濯物を洗っても臭いというトラブルも多く、原因の一つが排水管の詰まり。洗濯ホースのジョイントを外し、繊維や毛髪を掃除して対策しよう。

・エアコン
設定温度にならない時は、室外機と室内機を繋ぐ配管から、温度調節するための「冷媒ガス」が漏れている可能性大。工事不良や10年以上の使用による劣化が原因として考えられる。冷房なのに温風が出る、またはその逆の場合は、暖房と冷房を切り替えるバルブが錆びて固着し、故障している。

・冷蔵庫
よくあるのが突然動かなくなるケース。庫内を冷やすガスを圧縮するために24時間、365日動きっぱなしで劣化したモーターが停電などで突然止まると、再起動するための力が出ず、二度と冷気が出ないことが主な要因。停電のほか、移動しようとコンセントを抜いたり、ブレーカーが落ちた時に起こることも。

・掃除機
フィルター掃除など、日頃のお手入れをしているのに吸引力が弱くなった時は故障の疑いが。スティック掃除機の場合、バッテリーが寿命を迎えた可能性も考えられる。バッテリー内蔵式は修理に、カセット式は別売りのカセットを購入して交換を。

・電子レンジ
故障が少なく、寿命まで使えることが多い家電の一つ。ガラス皿が回転するタイプの場合、ガラス皿が割れることがあるが、別売りのものを買えばOK。オーブンや過熱水蒸気などの機能がついた製品でも汚れたまま使うと壊れることがあるので注意。

Q2. 修理すべきか買い替えか。見極め方のポイントは?

家電 故障

A. 保証期間内なら修理、期間外なら買い替えが目安。
ほとんどの家電製品は1年程度の保証期間がついている。期間外の家電は、買い替えるほうが、金銭的におトクになることが多い。

「保証期間内は基本的に無料で対応してくれます。保証期間外の修理は、今の家電は構造的に一部が壊れても中身を丸ごと交換する場合がほとんどで、かかる費用が買い替えとほぼ変わりません。また、エアコンや冷蔵庫、テレビなどは数年で性能が劇的に進化しやすく、電気代も安くなりがち。結果、買い替えたほうがおトクなことが」

Q3. 修理をすると決めたら、どうすればいい?

A. 保証期間内なら販売店、期間外ならメーカーに連絡を。
「保証期間内であれば販売店に連絡して対応してもらうのがベター。1年程度のメーカー保証に加え、購入時にプラス5年など、延長保証をつけられるケースも多いです。保証が切れている場合は、メーカーに連絡してください」

その後、小型家電は販売店やメーカーの修理相談窓口に持参。または、配送業者が引き取りに来る宅配サービスの活用を。大型家電は、技術者が訪問して修理をする。

「費用の目安は症状によってかなり異なるので、事前に確認をするようにしましょう。今の相場でいうと、家に来て作業をしてもらう場合、どんな家電であっても最低1万円くらいはかかると考えておいたほうがいいです。例えば、洗濯機の乾燥ユニットを直す場合、部品代や工賃など諸々含めると5万円くらいになることも」

Q4. 修理を問い合わせる前にやっておくといいことは?

家電 故障

A. 壊れた様子やエラー表示を写真に撮っておこう。
修理の依頼をする前に、大事なポイントがいくつかあるという。

「まずは、家電が完全に壊れた状態になるのを待ってから、連絡をするということです。というのも、電源を入れると必ず同じ故障の症状が出る、という状態にならないと、エンジニアが原因を突き止められないケースが多いからです。待っている間はイライラするかもしれませんが、できれば耐えてほしいところです」

正確に症状を伝えるために、もう一つ実践してほしいことが。

「故障した時の症状やエラーが表示された画面、点滅するランプなどをスマートフォンのカメラやデジカメで写真に撮っておくと、エンジニアも把握しやすいです。また、テレビであれば画面にメッセージが表示されるはずなので、それを撮っておきましょう」

Q5. 賃貸で備え付けのエアコンが壊れた時は?

A. 基本的に管理会社が対応してくれるはず。
賃貸の場合、マンションやアパートに備え付けのエアコンであれば、大家さんや管理会社に連絡を。

「修理や買い替えなど対応してくれます。ただし、入居時についていたからといって、備え付けのエアコンとは限らないので注意が必要です。前の入居者が購入して取り付けたものの、引っ越しの時に何かしらの事情で置いていった可能性も。その場合、自分で修理費や交換費用などを支払う必要が出てきます」

備え付けの場合、故障以外にも修理や交換してくれるケースも。

「製造から10年以上経っているものは、ものすごく電気代がかかるので管理会社が対応してくれることがあります。これから暑い季節になりますが、真夏は購入する人が多く、取り付け工事の予約が混み合って時間がかかることも。故障や気になることがある人は、早めに連絡しましょう」

Q6. 家電に寿命があるならだいたいどのくらい?

家電 故障

A. 大型家電だと約10年くらいが目安です。
アイテムにより差はあれど、洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどの大型家電は約10年といわれている。

「10年経つと、どうしても壊れがちに。また、メーカーが保有している修理用の部品は、だいたい8~10年くらいまでなので、それよりも前のモデルや廃盤になったアイテムは、修理したくてもできないのです」

電気代の面を考えても、10年での買い替えがおすすめ。

「今の家電は性能の進化が早く、10年以上前のモデルは電気代がかかるケースが多い。買い替えた途端、電気料金がぐっと安くなることも少なくないです。ちなみに、買い替えた家電の取り寄せや設置に時間がかかる場合でも、代替機が用意されていることは、ほぼありません。とくに冷蔵庫は死活問題になるので、早めの買い替え、もしくは最低限のものを入れられるサブ冷蔵庫があると安心です」

家電ライター・藤山哲人さん あらゆる家電を使い込んで比較して、性能を数値やグラフにする技術系ライター。雑誌やWeb媒体での執筆のほか、テレビなどのメディアに出演することも多数。別名「家電おじさん」。

※『anan』2024年6月12日号より。イラスト・室木おすし 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)

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