あなたがセックスに求めるものは? アンケートから読み解く、赤裸々“セックス事情”

ライフスタイル
2023.08.17
あなたの生活において、セックスはどのくらい大切? 25~39歳の女性300人、男性100人にセックスへの意識をリサーチ。「タイパ」が重視される今、コミュニケーションとしての営みについてどんなことを意識し、何を考えているか、2人の識者が分析します。

満足度は若干低いがこれ以上、上げるのは難しい!?

Sex

25~39歳の女性でパートナーが「いる」と答えた人は約60%。また、性体験の有無の質問で、未経験者が一定数いることに関して、

「厚生労働省の『出生動向基本調査』でも、2005年から未経験者の割合が伸びているので、現実的な数字ではないでしょうか。女性について言えば、今はレディコミや女性向けAV、BLなど、性的欲求を満たすさまざまなコンテンツが充実しています。リアルな相手と自分が求めるセックスができるわけではないなら、そちらのほうがいいという人も少なくないのかもしれませんね」(石巻専修大学准教授・高橋幸さん)

パートナーがいる人のセックスの満足度については、「女性のほうが低いということが気になります。でも、現代女性の忙しいライフスタイルを思うと、セックスに十分な時間を持つことが難しく、これ以上上げるのは難しいのかも」(高橋さん)

男性に関しては、こんな分析も。

「今はパートナーがいて、セックスをしていること自体のハードルが高く、できているだけで御の字という気がします。セックスには、さほど多くを求めないのでは」(漫画家・山田玲司さん)

Q、セックスの経験はありますか?

【女性】
Yes…78%、No…22%

【男性】
Yes…62%、No…38%

経験者の割合は女性のほうが高い。「男性の一部の“猛獣”が、女性の経験人数を上げている可能性も」(山田さん)。ちなみに、昨年の「第16回出生動向基本調査」によれば20代後半の未婚男女の約6割が経験あり。

Q、現在、パートナー*はいますか?(*セックス、もしくはスキンシップをとるパートナー)

Sex

【女性】
はい…59%、いいえ…41%

【パートナーの性別は?】
男性…161人、女性…16人、どちらでもない…1人

【男性】
はい…23%、いいえ…77%

【パートナーの性別は?】
男性…1人、女性…21人、どちらでもない…1人

パートナーがいる女性は約60%。男性はぐっと少なく約4分の1。男性は女性よりパートナーを持つことが難しいのか、あまり必要としていないのか…。また、パートナーがいる人のうち、相手が同性やどちらでもないというカップルは、女性で10%ほどいた。

Q、現在パートナーがいる人に聞きました。パートナーとのセックスに関して満足していますか?

【女性】
とても満足している…20%、そこそこ満足している…42%、どちらともいえない…26%、あまり満足していない・全く満足していない…12%

【満足】

  • 相手がこちらの求めていることに応えてくれようとするから。(京都府/33歳)
  • 心も体も相性が良く、愛し合っているから。(北海道/29歳)

【どちらでもない】

  • 自分自身経験と頻度が少ないので、基準がわからず判断ができないから。(東京都/35歳)
  • そこまで必要なものと思っていないから。(愛媛県/33歳)

【不満】

  • 大きな不満はないが、いつも同じ感じでマンネリ化している。(兵庫県/29歳)
  • 頻度が少なく相性も良くない。(宮城県/36歳)

【男性】
とても満足している…39%、そこそこ満足している…30%、どちらともいえない…22%、全く満足していない…9%

【満足】

  • 体の相性や、相手のテクなど、満足のいくセックスができていると感じる。(京都府/33歳)
  • 断られたことはないから。(福井県/29歳)

【不満】

  • 頻度が少ない。(三重県/30歳)
  • 受け身で刺激が少ない。上達しようとしない。(兵庫県/38歳)

男性の満足度のほうが少し高い。女性は「とても満足している」と「そこそこ満足している」を合わせて60%ほど。それに対して「性的欲求を持っている人が、セックスの満足度を上げるのは重要なこと。女性はもう少し上がるといいのに…と思います」(高橋さん)。

「関係性を深めること」を女性は最も求めている。

Sex

「パートナーとの関係を続けるうえでセックスは必要ですか?」の問いに「そう思う」と答えた人は、男女ともに60%ほど。

「恋愛が始まったばかりの“相手と一体化したい!”といった時期はお互いにセックスに積極的なのでいいのですが、関係を続けるうえで大事になってくるのは、そのあとです。恋の炎が穏やかになっても日常的な性欲は訪れるものなので、お互いにそれを満たせることが、長続きに繋がると考えられているのでは」(山田さん)

高橋さんは、「セックスに求めるもの」の男女の答えの差に注目。

「男性は『身体的な快感』が最も多い一方で、女性は『相手との関係を深めること』なんですよね。つまり女性にとってセックスは、相手との絆を確かにするための行為であり、それによりお互いにウィン‐ウィンの間柄になれるという重要な位置づけなのではないでしょうか。その意味で、男性の1位とは非対称。身体的な快感ももちろん大切ですが、それだけなら相手を次々変えたほうが欲求は満たされるという可能性も。パートナーとの関係を続けたいなら、男性が『関係を深めるためのセックス』についてもっと真剣に考えたほうがいいのではと思います」

Q、パートナーとの関係を続けるうえでセックスは必要ですか?

【女性】
とてもそう思う…26%、まあそう思う…37%、どちらともいえない…15%、あまりそう思わない…12%、そう思わない…10%

【YES】

  • 精神的な繋がりも大事だけど、体の繋がりも持ちたいと思えるほどパートナーは特別な存在だから。(岡山県/32歳)
  • 愛情を再確認できるから。(愛知県/30歳)

【NO】

  • 言葉やスキンシップだけでも絆は深まると思うから。(福岡県/39歳)
  • セックスをしなくてもお互いの気持ちを確かめる方法があるから。(新潟県/33歳)

【男性】
とてもそう思う…24%、まあそう思う…38%、どちらともいえない…32%、あまりそう思わない、そう思わない…6%

【YES】

  • 人はセックスなしでは関係は保てないと思う。(徳島県/34歳)
  • 大切な感覚、繋がりの一つと感じるから。(福岡県/34歳)
  • 体の関係がないと気持ちも離れるから。(栃木県/35歳)

【NO】

  • 自分は必要だが相手が望んでないのなら必要はない。(北海道/26歳)
  • パートナーの考え方にもよるので、自分ひとりの考えだけでは判断できない。(神奈川県/37歳)

男性の「どちらともいえない」が「意外と多い」と高橋さん。「昭和の男性は『俺のセックスに応えるのが当然』といった考えだったと思いますが、『どちらとも言えない』ということは、女性が嫌な時はしないなど、女性の意見も尊重している表れのように思えます」

Q、あなたがセックスに求めるものは?(複数回答)

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【女性】
相手との関係を深めること…155人、心の充足感…121人、身体的な快感…107人、相手が満足すること…83人、相手の気持ちを確認すること…81人、相手に気持ちを伝えること…43人

【男性】
相手との関係を深めること…38人、心の充足感…47人、身体的な快感…52人、相手が満足すること…24人、相手の気持ちを確認すること…28人、相手に気持ちを伝えること…16人

男性の1位は「身体的な快感」とリアル。とはいえ、僅差で2位に「心の充足感」が。「身体的な快感の陰に隠れてしまっているかもしれない願望に、もう少し自覚的になってもいいのでは」(高橋さん)

高橋 幸さん 石巻専修大学准教授。専門はジェンダー理論、社会学理論。著書に『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』(晃洋書房)、共著に『離れていても家族』(亜紀書房)がある。

山田玲司さん 漫画家。代表作に『Bバージン』(小学館)など。また、さまざまなカルチャーについて語るYouTube 番組『山田玲司のヤングサンデー』を配信。幅広い年齢層の恋愛相談にも答えている。

※アンケートは2023年7月、インターネット上にて日本全国の25~39歳の働く女性300人、男性100人を対象に行いました。

※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。写真・田村昌裕(FREAKS) スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・小湊よつ葉 保志健斗 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

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