教育、雇用、社会保障を変えていく必要があるんです。
安倍政権が掲げている人づくり革命のベースになっているのが「人生100年時代」です。日本は超高齢社会に突入しており、2007年に生まれた子供の半数が107歳よりも長く生きると予想されています。それに伴い、教育、雇用、社会保障など、国の制度を見直さねばならなくなりました。政府は昨年9月に有識者を集めて「人生100年時代構想会議」をスタート。すでに会議は7回開かれました。
これまでの日本人の主な人生設計は、一つの会社で定年まで勤めあげ、退職後はゆったりとした年金生活を10~20年過ごして一生を終える、というものでした。それが、寿命がさらに20年延び、定年後の生活が長くなるのです。
厚生労働省の発表によると、平成28年の男性の平均寿命が80.98歳。日常生活に制限のない健康寿命は72.14歳。女性は平均寿命が87.14歳に対して、健康寿命は74.79歳でした。現在では、iPS細胞など再生医療の分野の研究や、義手義足など身体機能を補う技術が進んでおり、健康寿命も延び、これからは高齢でも現役で働けるようになると予想されています。
社会的にも、日本の人口は減少していきますから、高齢者も大事な労働力に。若者が高齢者の生活を支えるという、高齢者に重きをおいた従来の社会保障から、幼児教育や高等教育の無償化など、互いに支え合う全世代型の社会保障に変わっていくでしょう。終身雇用は崩れ、雇用の流動性が求められます。そこで、政府が推奨しているのが、何歳でも学び直しができる、「リカレント教育(生涯学習)」です。社会に出たあとも、新しい技能や知識を身につける機会を得て、第二、第三の仕事に就くことができるようにしようとしています。
そのとき注意しなければいけないのは、急速な社会の変化です。20年前に花形だった業種がいまは斜陽産業という例はいくつも出てきています。AI時代の到来により、人が担う仕事も変わるでしょう。人生100年時代は社会も生き方も働き方も変容しますから、意識の変革が必須。20年単位で自分をバージョンアップしていくような柔軟な姿勢が大事なのかもしれませんね。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。
※『anan』2018年6月20日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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