真野(以下M):はい、ドーン!
編集N(以下N):今回は蟹!!
M:そう! 食いしん坊な私にとって一年を通じて一番楽しみな季節がやってきました。先月解禁になったズワイガニ漁。冬の味覚の女王が満を持しての登場です。
N:この小ぶりな蟹が、女王?
M:冬の味覚の王様はズワイガニのオス。これはメスなので女王様。「セコガニ」「香箱蟹」などと呼ばれますが、兵庫県津居山(ついやま)港では資源保護のためにオスより漁期が極端に短く、年内で禁漁となる魅惑の味わい。だからこそ人気も高い。
N:へぇ~。それは貴重な…。
M:おすすめの食べ方は甲羅盛り。全てのパーツを解体して、甲羅に盛り付ける。そして、まずは愛でる(笑)。私、料理はできないんですけど、蟹捌きだけは得意なんですよ。プチプチとした食感は外子と呼ばれる卵、コクのある濃厚な味わいは卵巣にあたる内子。それを味わえるのがセコガニの醍醐味。まずは素材そのままの風味を味わって、味変で身にスダチや穂紫蘇で爽やかさを加えると味も引き締まります。
N:いろんな味わいが楽しいです。
M:残った甲羅に熱燗を注いで甲羅酒にしたり、蟹の殻で出汁を取ったりと、余すところなし。ぜひ季節限定の味覚を年末のパーティで楽しんでほしいです!
浜ゆでせこがに(中) 時価。大きさは小~特大まであり、中の甲羅の大きさは9cm弱。「浜ゆで」とは競り場から出荷した蟹をすぐ茹であげること。職人が大きさなどに合わせて調整した絶妙な茹で加減でおいしさを引き出している。今年は12月いっぱいまでの販売なので、まずは電話で相談を。
カネジョウ山本 兵庫県豊岡市瀬戸118 TEL:0796・28・2255 9:00~17:00 土曜休 http://www.kanejyo.com/index.html
真野知子 ギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。
編集N この日の真野さんはエプロン持参で登場。蟹への愛を感じました。
※『anan』2023年12月20日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美
(by anan編集部)