
乃木坂46を卒業後、俳優として数々のミュージカルやドラマ、映画に出演する一方で、特技のピアノを生かしソロアーティストとして活躍する生田絵梨花さん。4月22日にリリースする1stフルアルバム『I.K.T』の制作エピソードについて伺いました。
音楽は一人で向き合うものと思っていたので…視界が開けました
生田絵梨花さん初のフルアルバムとなる『I.K.T』。その一枚を貫くテーマは、“等身大の愛”だ。
「これまではピアノで明るめの弾き語り曲が多かったんですけど、今回はR&Bなど自分が挑戦したことのない曲調のバラードかつ“ラブソング”ばかり。実は私、これまでラブソングを避けがちだったんです。だって…“愛”って難しいじゃないですか?(笑) でも今回は恋愛だけでなく家族、友人、いろんな人への愛を全体を通して表現するアルバムにしたいと思って」
今作は豪華な作曲家、トラックメイカー陣との共作も聴きどころ。
「今回は作曲家の方と一緒にスタジオに入りセッションするように制作したんですけど、その工程が楽しくて…! 特に野村陽一郎さんと一緒に作曲した『trampoline』は名前どおり弾むようなメロディで、誰かと音楽を作る高揚感がそのまま音に表れた曲。ぜひ聴いていただきたいです!」
歌詞は全11曲中5曲が、生田さん自身の手によるもの。
「朝から晩までソファの上で物語を考えて、うんうん唸りながら一回書き上げては消しての繰り返し。紙に書いてだめなら、スマホに打つとか書き方を変えてみたり、徹底的にもがきながら書きましたね」
なかでもじっくり向き合ったのが、乃木坂46時代からお世話になっていて、今でも変わらず尊敬しているという作曲家・杉山勝彦さんとのコラボレーション曲「百日草」。
「杉山さんの曲と共に坂道を駆け上がっていた感覚がありますし、特に私は卒業曲も杉山さんの曲だったので、神のような存在です。なのに今回はその杉山さんの曲に『可能であれば私が歌詞を書かせていただきたい』と申し出たところご快諾いただき、杉山さんの曲に私が作詞をすることになりました」
それからは大きなプレッシャーの中で、歌詞を模索する日々。
「朝考え始めたはずなのに、あっという間に日が暮れていく。その繰り返しで時間が過ぎていく中でふと杉山さんと作る曲なら、グループを経験した今の私だから書ける友情ソングがいいなって思いついて、そのあと百日草という言葉に出合い…。そこからはもう、一気に書くことができました」
百日草の花言葉は「変わらぬ愛」。「聴く人も、懐かしく大事な人たちと過ごした時間やお互いへの愛を振り返ってくれるとうれしいです」
そうして一曲一曲全力で向き合って歌い上げた11曲はまさにシンガーソングライターとしての生田さん自身の今を凝縮した一枚になった。
「でもまだ音楽の世界では新参者。なんかね、きれいにまとめようとする癖があるんですよ。でもある時、野村さんに言われてハッとしたんです。『いくちゃんにしか書けない言葉があるんだから、優等生にならなくていいよ』って。だからこれからはその言葉も、今回感じた曲作りの楽しさも大切に歌に向き合っていきたいな。いろんなアーティストの方々とのライブセッションもしてみたいです。これまで音楽は一人で向き合うものと思っていたので…視界が開けました!」
Profile
生田絵梨花
いくた・えりか 1997年1月22日、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。2021年、乃木坂46を卒業。俳優として数々のミュージカルやドラマ、映画に出演する一方、特技のピアノを生かしソロアーティストとして活躍。
information

『I.K.T(I Know Tomorrow)』
1stフルアルバム。アニメ『本好きの下剋上 領主の養女』EDテーマ曲「今も、ありがとう」を含む全11曲。【通常盤(CD+ステッカー)】 ¥3,300 【初回生産限定盤A・B(CD+BD+特典多数)】 各¥12,000(ソニーミュージック)
写真・野呂知功(TRIVAL) 取材、文・大澤千穂
anan 2493号(2026年4月22日発売)より


















