マルチーズの“ムンゲ”から学ぶことも! 韓国で話題のイラストエッセイの日本語版が登場

エンタメ
2025.01.27

yeye 著 菅原光沙紀 訳『はじめまして、ムンゲです。』

白いマルチーズが顔に強風を受けて、目が細くなっちゃってる…。そんな犬のペインティングを、SNSで見たことがありませんか? その犬の名は“ムンゲ”。韓国語で“ふわふわ”、日本語の“もふもふ”に近い語意の名前を持つムンゲは、日本に留学経験がある韓国人作家のyeyeさんの愛してやまない愛犬。『はじめまして、ムンゲです。』は、そのムンゲの目を通し、家族と過ごす何気ない日常を描いたイラストエッセイです。

自由に生きるムンゲが教えてくれる、私たちのこれからの“生き方”。

以前からムンゲの絵や、自分の目から見たムンゲの様子を書いた短文をSNSにアップしていたところ、出版社から「ムンゲが文章を書いたら、というテーマで本を書きませんか?」と声がかかり、この本が生まれたそう。

「でもいざ書くとなると、“ムンゲはあのとき何を考えていたのか?”ということがなかなか掴めなくて…。かわいく書くのではなく、素直に、私が知っているムンゲを書けばいいんだ、というところにたどり着くまでが本当に大変でした(笑)」

ムンゲを単純に擬人化したり、キャラクター化するようなことはしたくなかった、とyeyeさん。

「私はネガティブ思考で心配性なのですが、ムンゲは心配も恐れも全然なさそうで、小型犬のマルチーズなのに大きな犬にも負けずに立ち向かう。そんなムンゲを見ていると、人間も人に媚びる必要はないんだとか、謙遜しすぎるのは良くないとか、すごく学びが多かった。つまり私にとってムンゲは、尊敬できる存在なんです。読者の方にも、かわいいだけではない、彼のそういう側面が伝わったらいいですね」

本の中のムンゲは少し生意気でわがままで、子どもが苦手、構われすぎると唸るなど、ただかわいい存在としては描かれていない。でも、そんなムンゲを家族が丸ごと愛している、その様子がとにかく愛おしい。

「韓国でも日本でも、自分らしく生きるってすごく難しいですよね。特に女性は、結婚とか恋愛とか、仕事に対しても、“女性はこう”みたいなものを求められがちです。でも、求められるイメージ通りに生きる必要はないと思うんです。人を好きになったり親切にすることも大事だけれど、自分を壊してまでする必要はない。ムンゲは私に、そういうことを教えてくれた気がします。この本の中から、そんな前向きな思考を見つけてくれたら嬉しいです」

PROFILE プロフィール

yeye

イェイェ アーティスト、エッセイ作家。1988年生まれ、韓国ソウル特別市出身。京都精華大学、大学院で学んだ後、2022年に画家デビュー。韓国では4冊の書籍を出版。インスタグラムは@yeye_0214

INFORMATION インフォメーション

yeye 著 菅原光沙紀 訳『はじめまして、ムンゲです。』

14年間人生を共にしたマルチーズのムンゲの視点で描いた、家族の日常エッセイ。韓国でベストセラーになった作品の日本語版。かわいい絵もたっぷり! PHP研究所 1870円

写真・中島慶子(本) 土佐麻理子(yeyeさん)

anan 2431号(2025年1月22日発売)より

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