駒澤大学と青山学院大学、“2強”を軸に大激戦の予感。
なかでも注目は’22年の出雲と全日本を完勝した駒澤大学と、前回のVメンバー8人が残る青山学院大学の“2強対決”になるだろう。花の2区は前回に続いて、田澤廉(4年)と近藤幸太郎(4年)が濃厚。1区の戦力は差がないだけに、2区で両雄がガチンコ対決を繰り広げるはずだ。特に田澤は区間新記録の期待十分。どんなタイムが刻まれるのか。
山上りの5区には両校とも前回好走した経験者が残る。勝敗のカギを握るのは3区になりそうだ。前回は青山学院大学の1年生・太田蒼生が区間歴代3位の快走で、トップに立った。一方の駒澤大学は首位から5位に転落している。駒澤大学はここに5000mなど3種目で高校記録を塗り替えたスーパールーキー、佐藤圭汰の起用も考えられる。両校は復路の戦力もほぼ互角。往路のスピード区間である3区を制した方が、総合優勝に大きく近づくはずだ。
2強を追いかけるチームも非常に楽しみだ。まずは出雲で3位に食い込んだ中央大学。エース吉居大和(3年)の爆発力がとにかく凄い。前回は1区で独走したが、今回は3区に入る可能性も。いずれにしてもレースをかき乱してくるだろう。
前回準優勝の順天堂大学は3~5区に強力な経験者が残っているだけに、1~2区の出来がポイント。エース三浦龍司(3年)のスピードが炸裂すると面白い。出雲と全日本で2位に入っている國學院大學はバランスがいいチーム。中西大翔(4年)、伊地知賢造(3年)、平林清澄(2年)、山本歩夢(2年)の4本柱に加えて、青木瑠郁(1年)が全日本5区で区間賞を獲得。適材適所のオーダーで勝負を仕掛ける。
また、強力なケニア人留学生と日本人エースを擁する創価大学と東京国際大学は、往路Vを狙える戦力を誇る。その他、前回4位の東洋大学、予選会を勝ち上がってきた早稲田大学や東海大学がどんなレースを見せるのか。さらに55年ぶりの出場となる立教大学…。10位以内に与えられるシード権をめぐる争いも大混戦。10区間、217.1kmの物語はどこにヒーローがいるのかわからない。テレビの前で熱くなろう!
駒澤大学 田澤 廉 10000mで日本歴代2位&日本人学生最高記録を持ち、今夏のオレゴン世界陸上にも出場。全日本では4年連続で区間賞を獲っている。
青山学院大学 近藤幸太郎 箱根王者の絶対的エース。学生駅伝は4大会連続で駒大・田澤と同区間となり、全日本では14秒差だった。
國學院大學 平林清澄 上昇中のチームを引っ張る2年生エース。日本学生ハーフ王者が先輩ランナーにどこまで食らいつくのか。
順天堂大学 三浦龍司 東京五輪3000m障害で7位入賞を果たした日本長距離界の至宝。前回は2区を務めたが、今回は1区に登場か!?
中央大学 吉居大和 学生駅伝は3大会連続で区間賞を獲得中のスピードキング。前回の箱根は1区を独走して驚異の区間記録を打ち立てた。
出場チーム
青山学院大学 順天堂大学 駒澤大学
東洋大学 東京国際大学 中央大学
創価大学 國學院大學 帝京大学
法政大学 大東文化大学 明治大学
城西大学 早稲田大学 日本体育大学
立教大学 山梨学院大学 専修大学
東海大学 国士舘大学 関東学生連合
「第99回箱根駅伝」 東京箱根間往復大学駅伝競走 2023年1月2日(月)・3日(火)。往路5区間、復路5区間の合計10区間で競う大会。シード校10校と10月の予選会を通過した10校、および関東学生連合の合計21チームが出場。両日とも、日本テレビ系列で7:00から生中継。
※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・アフロスポーツ 文・サカイマサト
(by anan編集部)