人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは歌手の森山良子さん。第2回は「フォークでデビューだなんて、想像外でした。」。
moriyama

声楽を習う一方で、私の伯父(ミュージシャンの故ムッシュかまやつ氏の父)がジャズの教室をやっていて、そこでジャズヴォーカルを習い、中学校ではカントリー&ウェスタンのバンドに参加。当時若者の間では、アメリカンフォークミュージックが大流行。学園祭で歌う私を見た同じ学園の大学生からフォークソングに誘われ、そこでも歌っていました。でもやっぱり一番好きなのはジャズ。高校を出たらジャズシンガーになると心に決めていたので、フォークは高校卒業まで…と思っていたのですが、“フォークを歌う森山良子”にスカウトがきて、作ったこともないフォークソングを作り、結局フォークでデビューすることに…。当時は、「こんなの自分らしくない。やりたくないのになんで!?」と思っていました(笑)。しかしまさか、そのときに作った『この広い野原いっぱい』という歌を、長く歌い続けることになるとは…。世の中、わからないものです(笑)。

私にとって若さとは、反発力の強さ。私自身がまさにそういう若者でした。せっかくデビューしてもジャズを歌えない反発からコンサートで洋楽のカバーばかりを歌い、結局“ヒット曲を歌わない森山良子はもういい”と、お客様がどんどん離れた時期もありました。でも今思うと、望まない楽曲を歌うなどの経験すべてが自分の体に染み入り、地層のように積もり、今の私を作っているんですよ。それに、人から与えられる課題に答えることはスキルアップに繋がりますし、そのトライが、“好きな歌だけ歌っていてはたどり着けない場所”に連れていってくれることもある。結果私は、みなさまが求めてくれる曲を歌うことが私にとって必要だと気付きました。だからみなさんも、例えば与えられた仕事に対して拒絶反応があっても、“とりあえずやってみる”ことに、絶対に価値があります。とはいえもちろん、若いときはそんなことまったく考えられませんでしたけどね(笑)。

もりやま・りょうこ 歌手。1948年生まれ、東京都出身。’67年『この広い野原いっぱい』でデビュー。代表曲に『涙そうそう』『さとうきび畑』などが。写真はデビューライブでの一コマ。なんともキュートです。

※『anan』2021年3月17日号より。

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.4.
11
SAT
  • 六曜

    先勝

  • 選日

    ⼀粒万倍⽇

ひとまずの落ち着きを得ることが今⽇の肝です。そのうえで、今ある⼈間関係や環境の良い点を思い浮かべてみて。加えて⾃分の⾔葉遣いや態度にも注意を払っておきましょう。また、⾏動に際しては迷い出やすい⽇のため、凛とした⼼で過ごすことが⼤切。⾃発的に決めることで気持ちが固まり、やるべきことに向き合えるでしょう。

エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
河内大和「喪失から全てが始まった、愛の物語」映画『ハムネット』が明かしたシェイクスピアの根源
河内大和「喪失から全てが始まった、愛の物語」映画『ハムネット』が明かしたシェイクスピアの根源
Entertainment
森七菜「映画『炎上』によって傷つけられる人がいないよう、尊厳を守るという気持ちと覚悟を持って演じたつもりです」
森七菜「映画『炎上』によって傷つけられる人がいないよう、尊厳を守るという気持ちと覚悟を持って演じたつもりです」
Entertainment
失明しながらも偉業を成した学者、その人生の裏側にあったものとは。蝉谷めぐ実『見えるか保己一』
失明しながらも偉業を成した学者、その人生の裏側にあったものとは。蝉谷めぐ実『見えるか保己一』
Entertainment
絵画と音楽の融合を独自に試みた、チュルリョーニス34年ぶりの大回顧展
絵画と音楽の融合を独自に試みた、チュルリョーニス34年ぶりの大回顧展
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載