貧しい片田舎で育った愛人の子が、やがて民衆からの絶大な人気を勝ち取り大統領夫人にまで上り詰める。20世紀半ばに活躍したアルゼンチン大統領夫人、エヴァ・ペロンの生涯を題材にしたミュージカル『エビータ』といえば、マドンナとアントニオ・バンデラスの主演で映画化されたことでご存じの方も多いはず。

ミュージカル界の巨匠たちが集結。伝説のオリジナル演出版が初来日。

ミュージカル

この時に大きな話題になったのは、マドンナが自らエヴァ(エビータ)を演じることを熱望し、製作陣に激しく売り込みをかけていたということ。世界屈指のポップスの女王を惹きつける魅力がこの作品にはあるのだ。

何より一番の魅力は、その力強くドラマティックな楽曲にある。作曲は、『オペラ座の怪人』や『キャッツ』『ジーザス・クライスト=スーパースター』を手掛けたアンドリュー・ロイド・ウェバー。これだけでもすごいけれど、作詞は『ジーザス~』のほか、『美女と野獣』や『ライオン・キング』のティム・ライス。最も有名なのは、エヴァが大統領官邸のバルコニーから民衆に向けて歌う「Don’t Cry for Me Argentina(アルゼンチンよ、泣かないで)」。優しく語りかけるように始まる導入部分は美しく、次第に民衆の心を掴み、熱狂をもたらしていくまでの展開は壮大でドラマティック。オリビア・ニュートン=ジョンやサラ・ブライトマンなど、多くのシンガーがカバーしていることからも、いかに名曲かがわかる。この他にも、耳に残る素晴らしい楽曲がちりばめられている。しかも、初演の演出を手掛けたのは、アメリカミュージカル界で最も尊敬を集めるプロデューサーであり、『オペラ座~』をはじめ、『キャバレー』や『蜘蛛女のキス』なども演出するハロルド・プリンスだ。’78年にロンドンで初演以降、NYはもちろん、世界各地でいまも上演され続けている。

今回、その名作ミュージカルが、日本で上演される。しかも演出は、日本初上陸となるハロルド・プリンスによる’78年初演時のオリジナル版。さらに、日本公演限定で、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンなど、ロンドンやNYで数々の大役を演じてきたミュージカル界の大スター、ラミン・カリムルーが出演。ラミンが演じるのは、アルゼンチン生まれの革命家チェ・ゲバラをモチーフにした狂言回し的な役どころ。クリエイターからキャストまで、これでもかとビッグネームが揃った来日公演。もはや行かない理由が見つからない注目作だ。

ミュージカル『エビータ』 7月4日(水)~29日(日) 渋谷・東急シアターオーブ S席1万3500円 A席1万1000円 B席9000円(すべて税込み)ほか Bunkamura チケットセンター TEL:03・3477・9999 evita2018.jp

写真・The 2017 Evita International Tour Company Photographs by Pat Bromilow-Downing and Christiaan Kotze ©DIP 2017

※『anan』2018年7月11日号より。文・望月リサ

(by anan編集部)


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