スマホ断ちは不要です! 心が落ちつくスマホとの上手な付き合いかた

ビューティ
2022.07.06

文・小林麻利子

寝る直前までスマホを見たり、睡眠中に目覚めてしまった時はスマホで時刻を確認するなど、常にスマホがそばにありませんか? スマホと一定の距離を置きたいと考えてはいるものの、依存症のようになかなか離れられずお困りの方は少なくないようです。そこで今回は、公認心理師で眠りとお風呂の専門家の小林麻利子さんにその対策を伺いました。

1.スマホを断つのではなく、うまく付き合う

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スマホと共にある生活をしている現代人にとって、スマホを断つことは難しいことです。むしろ、スマホは私たちの生活に最も不可欠なものといっても間違いありません。

しかし、依存しすぎて睡眠に影響が出たり、常にスマホを触ることに罪悪感があるならば、やはり対策は必要です。その場合のポイントは、断つのではなく「うまく付き合うこと」。ちょうどいい距離感で付き合えば、何も悪いことはありません。早速対策をしていきましょう。

2.見ていい時と見ないほうがいい時刻を考える

スマホから出るブルーライトの影響は、さまざまなところで見聞きされているかと思います。目だけではなく、体や皮膚にとっても良くない影響があるようです。また、スマホ自体が、人との交流のツールであり、情報を入手するための、いわゆる自分をONにさせるもの。それが手元にあるだけでも、自分を覚醒させる方向に導き、睡眠に悪影響を及ぼしてしまいます。

見ないほうがいい時間は、やはり寝る前。朝起きたときはどうでしょうか? ONに導くツールですので、目覚めて寝ぼけている状態でも、スマホを見ることで目が覚めやすくなりますので、見てもOKです。

仕事中になんだか眠くなってきた時、休憩してスマホを見ることで、目が覚めることもあります。帰りの電車で疲れて寝てしまいそうな時も、見ることで眠らずにすむこともあります。

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お風呂に入っている時間は、スマホをあまり見ないほうがいいという考えも確かにあります。しかし、リビングでダラダラとスマホを見続けて、お風呂に入る機会を逃し、シャワーのみとなってしまっているなら、もったいないことです。睡眠やリラックスにおいては、ブルーライト等のデメリットよりも、お風呂に浸かることのメリットの方が大きいです。だから、お風呂にスマホを持っていって、浸かりながら眺めるのはOKです。ただ、その場合、指先を使うようであれば、脳の活性を促してしまいがちになってしまいます。頭をお風呂の縁に預けてリラックスしながら観られるような映画やドラマがおすすめです。お風呂から上がったらスマホは見ないようにしましょう。もちろん、浴室へスマホを持って行かずに、ゆったり呼吸を繰り返したり、ストレッチ等をしたほうがリラックス度は大きくなります。ご自身がどういう状況か、何を大切にしているかによって、臨機応変に変えていきましょう。

3.置き場所を定める

スマホの定位置は決まっていますか? 日中であれば、鞄の中やポケットの中かもしれませんが、夜リビングにいる時、入浴中、就寝中の定位置を予め決めておきましょう。

例えば、居間にいる場合は、使用したら、テーブルのこの位置に置いておく。入浴中、浴室に持って入らない場合は、この場所に。そして、就寝中は枕元ではなく、あえての玄関に置いておく、など決めるとよいでしょう。特に、就寝中の置き場所は工夫しましょう。枕元にはおかない、ここはぜひ厳守していただきたいところです。自分をONモードに変えてしまうツールであるスマホは、枕元に置いておくと、気になって寝る直前まで見てしまいます。

潔く、手に届かない別の部屋や玄関などに置き場所を用意しましょう。はじめは、居心地が悪くてつらい気持ちになるかもしれませんが、まずは「決めて」、「実践」してみることが大切です。

4.手元になくてソワソワしたら深呼吸

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スマホがそばになくて、なんだか落ち着かないなと感じたことはありませんか? もしかしたら、交感神経が刺激されているかもしれません。その感情を抑えようと思うのではなく、その体の反応を抑えるために、「行動」に移していきましょう。まずは深呼吸です。ただ吸って吐くのでもいいのですが、寝つきをよくする深呼吸として筆者がよく提唱している3秒吸って2秒息を止めて5秒かけて吐く、3-2-5呼吸を行っていきましょう。

息を止めることで、そのあとに息を吐き出した際に体が脱力しやすくなります。心拍の活動もゆったりと抑えられていきます。ソワソワしたら、即3-2-5呼吸を行って、体を落ち着かせていきましょう。

5.昼にスマホから離れる工夫をしてみる

夜はどうしても理性的な脳機能が低下し、感情的な脳機能が浮き彫りになる時間。ですので、夜スマホから離れられないというかたは多いです。その時間帯に頑張って離そうと思うのではなく、昼間にスマホから離れてみるのもいいでしょう。

方法は、ちょっとコンビニへ行くなど、数分で帰って来れる距離で試してみます。スマホを置いて、家を出ます。はじめはドキドキと鼓動が高鳴って、落ち着かないかもしれません。そのたびに、先ほどお伝えした、3-2-5呼吸を行っていきます。

どんどん心が落ち着いていく様子を観察していきましょう。数分離れることに成功したら、次はスーパーに行く時、その次はジョギングをする時、という風に離れる時間を増やしていくといいでしょう。この場合も無理のない範囲で行ってみましょう。

いかがでしたでしょうか?
急に行うのではなく、少しずつ、うまくスマホと良い距離感で付き合えるといいですね!

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

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