文・椎原茜
片付けが苦手な人は必見! 実は片付けには“ワナ”がある!?
日頃から部屋にモノが散らかっていて、片付ける気力すらないという方も少なくないはず。週末に意を決して片付けるものの、しばらく経つともとに戻ってしまう…。そんなことを繰り返している人は、今回の内容が参考になります。
今回は、オンライン片付けの専門家であり、『一生散らからない! 飾るだけ片付け術』(ぱる出版)の著者である伊藤かすみさんに、散らかりやすいNGな片付け方についてお話を伺いました。
さらに、片付けが苦手な人におすすめの「飾るだけ片付け術」のテクニックもご紹介します。
片付けが苦手な人がやりがちな、逆に散らかるNG行動3選
NG1. 一気に片付ける
伊藤さん 一気に片付けると、すぐにリバウンドします。理由は、一度で片付けてしまうと「習慣」として身につかないからです。
片付けは、毎日5分だけするなど前もって計画を立てて習慣にすることが大切です。以下のポイントを押さえて進めましょう!
- なんのために片付けるのか?
- どの場所から順番に片付けるのか?
- 各部屋、各箇所の具体的なステップは?
- いつまでに片付けるのか?
- 片付けのタイミングと時間は?(1日5~10分、または週末30分など)
このときに重要なのが、疲れるまでしてはいけないということ。すると片付けは苦行ではなく楽しいものになり、片付いた後も何気なく継続できるようになりますよ。
NG2. いったん全部を出す
伊藤さん よく誤解されがちですが、片付けの際に全ての物を一度に出す必要はありません。実は、これが片付かなくなる元凶なのです。
確かに「いったん全部出して、1日かけて片付けましょう」という片付け方もありますが、私が推奨する短時間片付けでは、全部出さないように教えています。なぜかというと、出すのにもしまうのにも時間がかかって疲れてしまい、中途半端に終わることがあるからです。
加えて、「何を捨てようかな」と考え始めるとあっという間に時間が経ってしまいます。
短時間の片付けでは、全部出さずに一箇所なら一箇所だけの小さい範囲のものだけ出して片付けましょう。
NG3. 「いる・いらない」で捨てるものを決める
伊藤さん 「いる・いらない」は究極の選択。「生きるか死ぬか」と一緒です。だから悩み抜いて頭を使いまくるので、片付け終わってから「あー疲れた! もうしたくない」となるんです。
おすすめなのは「自分の価値観をもとにした基準を言葉で作る」こと。例えば、衣類だったら「新しい・ボロい」と「デザインが好き・あまり好きじゃない」という2軸の基準を作るのです。
そうすると次の4つの価値が現れます。
- 「新しくてデザインが好き」
- 「新しいけどあまり好きじゃない」
- 「ボロいけどデザインが好き」
- 「ボロいしあまり好きじゃない」
もし残す衣類を「新しくてデザインが好き」だけに絞るとするなら、残りはきっと「必要なかったのね」と納得でき、手放すことが楽になるでしょう。
片付けが苦手な人必見! 飾るだけ片付け術
伊藤さん 私がかつてインテリアコーディネーターとして働いていたとき、海外と日本の家を比較してあることに気づきました。
日本の整理整頓術はとにかく分けて減らして、モノを極力減らすことに向かっており、その結果「殺風景」となってしまっています。
一方、海外の家は片付いているのに、どこか「彩り」があり、より魅力的に見えます。つまり、日本の片付けには「彩り」がないのです。
例えば、部屋に絵を飾ることで、片付いて見えると同時に、空間に素敵な雰囲気が生まれます。何かがバランスよく飾ってあるほうが、住むあなたも充実感を得られるでしょう。
「捨てる」から考えることはネガティブな感情を伴いますが、「飾る」から考えると自分の理想の未来を見通しながら片付けることもできます。
ほんの少しの「飾る」技術で、片付け中も、片付けた後も彩りのある暮らしに近づくでしょう。
飾り方にルールはありません。好きなように、自分が心地いいな、綺麗だなと思うように飾りましょう。
例えば、着ないお洋服であっても素敵なデザインであれば、捨てずに飾っておいてもいいんです。洗面所がごちゃごちゃなら、まるでホテルのように化粧品や歯磨き粉の色をそろえて綺麗に飾りましょう。
みなさんにもぜひ、そんなワクワクする片付けをしていただきたいです。
ーー片付けに苦手意識を感じている人はとくに、響くお言葉がいっぱいあったのではないでしょうか。「片づけなきゃ!」ではなく、まずは楽しく「飾る」ところから始めてみるのもよさそうです。
Information
<教えてくれた人>
伊藤 かすみ(いとう かすみ)さん
株式会社FlowOrganaize代表取締役、オンライン片付けコンサルタント。片付け苦手なインテリアコーディネーターから現在はオンラインで片付けスクールを運営し多くの人に片づけ術を教えている。著書に『一生散らからない!飾るだけ片付け術』(ぱる出版/2022年)がある。
<筆者情報>
椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。
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