体の声を聞いてみよう! 心をほぐす、セルフマッサージ。
日常的に何かしらのストレスにさらされて生活している中、ストレスを溜め込むと、体は硬くなり、心も疲弊するので、体と心の両方に大きな負荷がかかることに。その状態から解放されるために、肌に自分の手で触れることで、体と心を同時にほぐすセルフマッサージ法を考案したのが、セルフケアプロデューサーのLilyさん。
「手で触れることを習慣にすると、体の小さな変化に気づきやすくなります。自分の状態を深く知ることができるようになれば、自然体で心地よい本来の自分を取り戻すことができます。また肌に触れるだけで、幸せホルモンのオキシトシンとセロトニンの分泌が促されます。これらは精神の落ち着きやリラックス効果をもたらすことが分かっているので、幸福感が高まり心の癒しにも繋がります」
全身の部位で、メンタル面での効果が最も期待できるのがお腹。
「緊張するとお腹が痛くなったりしませんか? これはお腹には内臓があり、自律神経が集中しているから。ストレスを感じて自律神経が乱れると、胃腸の働きが抑制され、血液やリンパの流れも悪くなります。また気持ちがモヤモヤすると、コルチゾールというストレスホルモンが過剰に分泌されるのもお腹です。こんなにもメンタルと深く関わっているお腹だからこそ、しっかりいたわってあげると、心が緩みやすくなるのです」
まずは2週間、体とコミュニケーションをとりながら、お腹のセルフマッサージを続けてみて。
STEP1:お腹全体にクリームを塗る。
お気に入りの香りとテクスチャーのボディクリームを手のひら全体をお腹に密着させながらまんべんなく塗る。マッサージするのはいつでもOK。立ったまま、椅子に座って、お風呂上がり、ベッドに寝た状態など、自分が習慣化しやすいタイミングや姿勢を選んで。
STEP2:おへそまわりをマッサージする。
お腹が5mm程度へこむくらいの力加減で、小さい円を描きながら位置をずらしておへそまわりをほぐしていく。硬いところや冷たいところ、柔らかいところ、温かいところがないか探しながら、違和感があるところは念入りに行う。これを時計回りに3周繰り返す。
STEP3:胃から恥骨までほぐしていく。
手をグーにして、胃があるあたりの上腹部から恥骨くらいの下腹部までお腹全体をほぐす。上下に行ったり来たりさせながら位置をずらして手を滑らせていく。右端の上腹部から始めたら、左端の下腹部まで行き、また元の位置まで戻る。これを3往復繰り返す。
STEP4:すーっと胃のところに手を置きフィニッシュ。
最後に手を開いて、両手を下腹部から上腹部に移動させ、胃のところに手を当ててマッサージ終了。温かくなって心地よさを感じたり、もっと続けたいと思ったら、Step2~4をもう一度繰り返してもOK。満足するまで行うことで、心も体もより解き放たれる。
マッサージしながら「いつもありがとう」「負担をかけてごめんね」など、声をかけながら行うとお腹もほぐれやすくなる。
効果を上げるポイント
POINT1:マッサージしながら自分と対話する
「頑張りすぎていない?」「大丈夫?」と、自分自身に問いかけながら行うと、いろんな感情が溢れてくることも。それは心がほぐれてきている証拠なので、そのまま受け止めてあげよう。
POINT2:自分の体に集中する
テレビや動画を見たりなど、“ながら”で行わずに、自分自身に意識を向けて、マッサージに全集中すること。自分の体と心の声に耳を傾けると、より自分を癒してあげられるようになる。
こんな人は今すぐケアを
お腹が硬い人
ストレスを溜め込んだお腹はカチカチに硬くなる。さらにお腹だけが風船のように張り出している人は、言いたいことが言えず、モヤモヤとした感情が膨れ上がり、爆発寸前!
お腹が冷たい人
手のひらやデコルテよりもお腹がひんやりしていたら、プレッシャーにさらされて頑張りすぎている証拠! 交感神経が過剰に働いてしまい胃腸に負担がかかっている可能性が。
リリィ セルフケアプロデューサー。ウェルネスメソッド「リリナージュ(R)」考案者。著書に『カラダをほぐせば、心もゆるむ 自分を愛でるセルフマッサージ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
※『anan』2024年7月10日号より。イラスト・山﨑美帆 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)