筋肉をほぐすことで、痩せやすい体に導く。
長時間同じ姿勢を続けたり、前かがみでスマホをいじったり、脚を組んだり…。何気なく行っている習慣やクセで筋肉はどんどんこわばり、前後左右のバランスが乱れて、スタイルに影響を及ぼす。
「本来、人間の体は『まっすぐな川』のような状態が理想的です。しかし生活習慣などで、筋肉が伸びたまま、あるいは縮んだまま固まってしまうと、血行が悪くなり、老廃物や脂肪が蓄積しやすくなります。今回ご紹介するセルフ美整体で、筋肉を効率よく動かし、フラットな状態に戻してあげることが大事です」
と、美容整体師の井上剛志さん。筋肉と骨はつながっているので、筋肉がほぐれて柔らかくなると、関節も柔軟に動かせるようになる。
「筋肉と関節が整うと、体の可動域が広がり、血液やリンパの流れがスムーズになり、老廃物や脂肪が排出されやすくなります。さらに代謝も上がるので、続けることで痩せやすい体になります」
筋肉の硬直を放置しておくと、首・肩こりや腰痛の原因に。整えれば美姿勢をキープできる体に！
首：ゆするだけでストレートネック改善！（60秒）
ココに効く：頭板状筋、胸鎖乳突筋、斜角筋、肩甲挙筋
PCやスマホの操作で前傾姿勢を続けていると、首の筋肉が凝り固まり、首がもたつくだけでなく、顔が大きく見える原因に。「タオルを使えば、筋肉の表層を覆う筋膜全体にアプローチできるので、首周辺の『頭板状筋』『胸鎖乳突筋』『斜角筋』『肩甲挙筋』などの筋肉を一気にほぐせます」。首こり改善＆すらりとした首をゲット。
1、タオルを首にかけ、両手で前に引っ張る。
2、引っ張る力と反発するように、首を後ろに引く。
3、手を前後に動かして、首の筋肉をゆする。
二の腕：ひねるだけでたるみ解消！（60秒）
ココに効く：上腕三頭筋、上腕二頭筋、三角筋、小胸筋
「ひねるだけで、たるみやすい二の腕の裏側の『上腕三頭筋』と表側の『上腕二頭筋』を同時に引き締め。胸を張って肩関節からしっかり動かすことで、肩の『三角筋』と胸の『小胸筋』にも効かせられ、ワキの下にある『腋窩リンパ節』の流れが良くなります」。腕のねじれも解消され、巻き肩の改善にも。
1、両腕を左右に伸ばす。
2、左の手のひらを上に、右の手のひらを下に向ける。
3、次に、両腕それぞれをひねって、手のひらの向きをチェンジする。このひねりの動きを1分間続ける。
お尻：伸ばすだけで小尻に！（左右各40秒）
ココに効く：大臀筋、中臀筋、腸腰筋、ハムストリングス
たるんだお尻を引き締めるためには、お尻の大きな筋肉『大臀筋』と『中臀筋』を動かそう。「脚を思いっきり伸ばすことで、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉『腸腰筋』や太もも裏側の『ハムストリングス』も鍛えられます」。大きなリンパ節が集中する股関節まわりも柔らかくなるので、下半身太りや脚のむくみにも効果的。
1、両ひじ・両膝を床につく。
2、片膝を立て、もう片方の脚は後ろに伸ばしつま先立ちで体を支える。この体勢を40秒キープし、反対の脚も行う。
お腹：つまむだけで脂肪撃退！（60秒）
ココに効く：腹直筋、腹斜筋
お腹に長年蓄積された脂肪は、冷えたまま固まっているので燃焼しづらく、なかなか落ちにくい。「そこでまず脂肪を直接つまんで動かすことで、一気にほぐします。さらにつまんだまま反って伸ばすことで脂肪燃焼を高めます」。お腹の正面にある長い筋肉『腹直筋』やくびれを作る『腹斜筋』も鍛えられ、ぽっこりお腹とサヨナラ。
1、お辞儀して、おへその脇のお肉をつまむ。
2、つまんだまま上体を反らして伸ばす。
3、またお辞儀をして、おへそよりも下のお肉をつまんだまま上体を反らす。
4、つまむ場所を、おへその脇→おへそよりも下→おへその脇→おへそよりも上…と変えながら、一連の動きを1分間繰り返す。
POINT！
つまむ場所は3か所。お腹の脂肪は厚みがあり、広範囲に広がるので分けてつまもう。おへそを中心に、上中下とつまむ位置を変えてあげることが重要。
井上剛志さん 美容整体師、美容整体アピアランスビューティー代表、日本トラディショナルセラピー協会（通称JTTA）代表理事。整体サロンも経営。YouTubeチャンネル「美容整体アピアランスTV」は登録者94万人。著書『1日3分で見た目-9歳 奇跡の美やせマッサージ』（KADOKAWA）。
Tシャツ￥9,500 レギンス￥16,800（共にルルレモン TEL：0800・080・4090）
※『anan』2022年7月20日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・武政 ヘア＆メイク・浜田あゆみ モデル・柊 有紗（スペースクラフト） 取材、文・鈴木恵美
（by anan編集部）
