知らないと恥ずかしい!【ビジネスメールのマナー】元社長秘書が教える「休暇のお知らせをする時」
連休前に送るメールのマナー
【元社長秘書のマナー講座】vol. 3
9月はシルバーウィークもあり連休が多いかたもいらっしゃいますよね。夏休みが終わってしまったかたも、まだこれから長期休暇を取得するというかたもいらっしゃるのではないでしょうか? 長期間会社を不在にするときは、取引先の担当者や社内の関係者に休暇のお知らせメールを送って休暇中の対応を周知しておくことが大切です。今回は、休暇のお知らせメールを送るときの具体的な書き方や注意点、対応方法について解説します。これからの休暇の際に、ぜひ参考にしてみてくださいね。品格のあるマナーを身につけ、素敵な休暇をお過ごしください。
休暇が決まったら、まず何をする?
1. 早めに周りに知らせる
休暇を取ることが決まったら、まず最初に業務に支障が出ないようにできるだけ早い段階で同僚や関係者にお知らせメールを送りましょう。
早めに連絡をする理由は、自分の休暇によって、一部の仕事を代理対応してもらう可能性や引き継ぎ業務が発生する可能性があるためです。少しでも早く連絡することによって相手のスケジュール調整等の負担を軽減できます。遅くとも1週間前までには休暇を取る旨を伝えておくことをおすすめします。
2. 休暇期間中の対応を決める
休暇のお知らせメールには休暇期間を記載するのはもちろん、期間中の対応についても明記が必要となります。そのため、誰が引き継ぎをして対応をするのかを決めなくてはいけません。代理で他の社員が対応する場合には、そのかたの連絡先を知らせる必要があります。全社休業となる場合は休暇明けの対応となる旨記載し、末尾では相手に理解を求める一文を書いて締めくくるのがマナーです。自分が不在にする間は誰に取り次いでもらえばよいのかをあらかじめ知らせておくことで、休暇中のトラブルを防ぐことができます。
お知らせメールの書き方ポイント
メールに記載する必要な情報のポイントは以下になります。
1. 休暇期間
〇月〇日(〇)~〇月〇日(〇)と明記します。
2. 業務開始日
通常、休暇の翌営業日からが業務開始日となりますが、定休日や休日などが会社によって違うため、改めて記すと親切な対応となります。
3. 休暇中の代理対応者と緊急連絡先
代理で他の社員が対応する場合には、部署名・担当者名・連絡先を伝える必要があります。「休暇中の連絡は〇〇部署の〇〇までお願いします」などと記載します。
4. 配慮の一文を加える
休暇を取ることが悪いことではありませんが、休業期間中にご迷惑をかけてしまう旨を伝えるためにも、「誠に勝手ではございますが」「ご不便をおかけいたしますが」「私事で恐縮ではございますが」など、相手を気遣う一文を含めると文面が柔らかい印象になります。
【社外宛】お知らせメールの例文
【件名】
休暇のご連絡
【本文】
株式会社〇〇
■■部 △△様
平素は大変お世話になっております。
株式会社▲▲の●●です。
誠に勝手ではございますが、下記の期間、休暇を取得させていただきます。
・休暇期間:〇月〇日(〇)~〇月〇日(〇)
・不在中の担当者:営業部 □□
・緊急時のご連絡先:xxx-xxxx-xxxx
不在時に緊急の御用件などございましたら、
上記の営業部□□までお伝えいただけますと幸いです。
なお、休暇明けの出社は〇月〇日(〇)を予定しております。
不在中はご不便をおかけいたしますが、
ご理解ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
便利ツール“自動返信機能”を活用しよう!
1. 自動返信メールを設定
長期休暇などでメールの返信ができない場合に便利な自動返信メールですが、使ったことがないというかたも多いのではないでしょうか。
事前に設定した文面を送信相手に自動で返信をしてくれるとても便利な機能となります。
メール内に「休暇のため不在となる旨」「不在期間」「緊急時の連絡先」を入れておけば、取引先の担当者や社内の関係者が不在に気づくことができ、連絡の行き違いを防ぐと同時に必要な対応を相手に知らせることが可能です。
2. 休暇を知らせる自動返信メールの例文
【件名】
◯月◯日~◯日まで、休暇のため不在にしております(会社名/名前)
【本文】
※本メールは自動返信によって送信されています
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
誠に勝手ながら、〇月〇日(〇)は休暇をいただいております。
恐れ入りますが、○日以降に返信させていただきます。
ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。
急なご用命がございましたら弊社担当窓口、もしくは□□までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
まとめ
取引先の担当者や社内の関係者にとって一番ストレスになってしまうのは、連絡がつかずに待たされてしまう状況になることです。信用問題に繋がる部分ですので、休暇を取る際には、お互いの業務効率のためにも自動返信メール機能をぜひとも活用しましょう。何事にも相手の立場になったとき、どういった情報があればその不安を払拭できるかを考え、思いやりをもった行動を心がけてみてください。みなさまにとって素敵な休暇となりますように。
<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。
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