不動産会社の女性経営者が教える! やってはいけない「1人暮らし物件探しのNG行動」

文・市岡彩香 — 2023.9.2 — Page 1/2
ひとり暮らしはしたいけど物件探しをいつからすべきか分からない…、という人必見。今回は、初めてひとり暮らしをする際に知っておくべき「"閑散期"に物件を探すメリット、デメリット」について、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 「閑散期に物件を探すメリット、デメリット」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.25
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――物件探しにおいて、閑散期はいつ頃なのでしょうか?

平出さん 閑散期は6~8月。他にも4~5月、また11~12月も比較的落ち着いています。繁忙期は新生活シーズン前の1月〜3月です。

――繁忙期に探すよりも、閑散期に物件を探す方がいいメリットはありますか?

メリット1. 「自分のペースでじっくり探すことができる」

平出さん 繁忙期は物件を探している人がとても多いので、せっかく賃貸サイトで気に入った物件を見つけたとしても、検討している間に他の人に先に契約されてしまったり、内見の予約をしていたのに物件が埋まってしまうなど、どうしてもスピード勝負になってしまいます。人気物件は退去前に申込みが入ってしまうことも珍しくありません。一方で閑散期であれば、気になる物件をいくつも内見して、物件をじっくり見比べることができる余裕があるため、時間をかけて納得できる物件を探したい人には最適です。

メリット2. 「初期費用を抑えられる」

平出さん 不動産会社の事情ではありますが、繁忙期で埋まらなかった物件は閑散期だとさらに埋まりづらくなってしまうんです。そのため入居してもらうために、敷金、礼金を減額したり、フリーレント(1か月分の賃料を無料)をつけて募集することが増えるため、閑散期の方が初期費用を抑えられます。また、閑散期の方が、相場より安い家賃で希望の物件に住める可能性も高いです。

メリット3. 「丁寧に接客をしてもらえる 」

平出さん 繁忙期の場合、不動産会社によっては人手が足りず、どうしても一人ひとりのお客様に割く時間が少なくなってしまうんです。スタッフが忙しくて余裕がないと接客態度が悪くなってしまったり、物件情報が見落とされてしまい紹介してもらえる物件が少なくなってしまう可能性も。ですが閑散期であれば、どの不動産会社も比較的余裕があるため、問い合わせをしたのに不動産会社から返信がこない、不動産会社に訪問したら対応が雑だった…、などといった不快な思いをするリスクは少ないと思います。

――続いて、閑散期に物件を探す際の注意点やデメリットについて教えてください!

デメリット1. 「物件数が少ない」

平出さん 繁忙期に比べると、物件の入れ替わりが少ないため選べる物件数が少ないです。人気の物件は繁忙期に埋まってしまい閑散期には募集が出されないことも。希望通りの物件の募集を待っていても、なかなか物件情報が出てこない時期ではあります。そのため、スピード感をもって、物件を探したい場合はやめておいた方がいいでしょう。繁忙期、閑散期に限らず、気になる物件があったらすぐに内見して、いい物件を逃さないことが大切です。

デメリット2. 「新築物件が少ない」

平出さん 新築物件は、繁忙期の1~3月に合わせて入居者を募集できるようにスケジュールされている場合が多いです。閑散期には埋まってしまい選択肢が少なくなるため、新築物件を希望する人にとっては繁忙期の方が適した時期といえます。実際に、”譲れない希望条件がいくつもあったけれど、閑散期に探したからか新着物件がなかなか出てこなかった。でも引っ越しの期限が迫っていたから、結局妥協して選んでしまって後悔した”という人も。どうしても譲れない条件がある場合は、多くの物件をチェックできる繁忙期の方が、希望通りの物件に巡り合う確率は高いです。

デメリット3. 「気候が引越しに向いていない」

平出さん 閑散期である6~8月は、梅雨と夏の時期のため、引越し日に雨が降る確率が高く、気温や湿度も高くなるため作業に体力を奪われやすいです。引っ越し作業は想像以上に体力を使うもの。女性のひとり暮らしの場合は、特に大変だと感じてしまうかもしれません。ただ、閑散期は引っ越し会社に支払う”引っ越し費用”が安くなることが多いなど魅力もあります。コスパ重視の人は、閑散期に引っ越しをすると、繁忙期よりもお得に引っ越しすることができますよ。

――閑散期に物件を探すことはオススメですか?

平出さん デメリットはあるものの、個人的には閑散期のお部屋探しはオススメです。すぐに決断できる人であれば問題ないのですが、初めて物件を探す人は、不動産会社に物件を紹介されても即決するのは難しいと思います。土地勘がない場所を紹介されてもわからないですよね。閑散期であれば、慎重に丁寧に探せる時間があります。どの時期に探すにしても、納得できないまま焦って決めないようにしてほしいなと思います。


物件探しに向けて、知識を蓄えておこう

いかがでしたか。初めてのひとり暮らしは、後悔したくないですよね。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください!


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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