不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「1人暮らし物件の特徴」とお得テク

文・市岡彩香 — 2023.8.5 — Page 1/2
ひとり暮らしを始めるなら、後悔はしたくないですよね。今回は、働く女性がひとり暮らしをする上で知っておきたい「ひとり暮らしを始める前に知っておくべきお金のこと」について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 「ひとり暮らしを始める前に知っておくべきお金のこと」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.23
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――初めてひとり暮らしをする際、収入とのバランスで注意すべきことや相場の家賃について教えてください!

山手さん 一般的に家賃の目安は、”収入の3分の1くらいまで”と言われています。家賃が収入の3分の1を超えてしまうと入居審査が厳しくなってしまうこともあるので、この範囲に収めるのがベスト。実際には手取り金額の4分の1から3分の1のお部屋を選ぶ方が多いです。ただ、趣味や貯金にまわす金額は人それぞれ。そのためまずはお部屋探しを始める前に、1か月にかかる支出を知っておくことが大切だと思います。外食費、交通費、趣味のお金を計算して、貯金に回したいお金も含めて、支払える家賃を決めていきましょう。

“いい部屋に住みたいので頑張って節約します!”という方もいますが、後になって、金銭的に苦しくなったからやっぱり家賃を下げたいと思っても、もう1度初期費用がかかってしまうなど損になってしまうんです。そのため、無理をすることはオススメできないですね。

――続いて、管理費、共益費について教えてください。賃料とは別物なのでしょうか? 必ず支払うものかどうかについても教えてください。

山手さん 管理費・共益費は賃料とは別物です。記載されている場合には必ず支払う必要があります。賃料はオーナーに支払うのに対し、管理費・共益費は物件を管理している不動産会社に支払うもの。初めて物件を探す際は、管理費、共益費の記載があると、支払総額が一目でわかりづらいと思いますので、賃料+管理費+共益費を合算して、総額で比較するようにしてください。

――できるだけ節約をして、ひとり暮らしをしたい場合「やめておいた方がいい物件」はありますか?

NG1.「交通アクセスが悪い物件」

山手さん 賃料を優先するあまり、職場や最寄り駅からのアクセスが悪い物件を選択する方がいます。決して悪いことではありませんが、節約目的で住んだにも関わらず、駅までバスに乗らなければいけないとバス代がかかってしまい、結果的に交通費がかさんでしまう場合も。バスだったらまだしも頻繁にタクシーを使うことになってしまったら、せっかく安い家賃の物件に住んでも本末転倒ですよね。”駅から遠い物件に住んだら、毎月の交通費が高くついてしまって意味がなかった…”、という話はよく聞きますからできればやめておいた方がいいです。

NG2.「インターネット環境がない物件」

山手さん 物件によっては無料でインターネット環境が備わっています。その場合、インターネット代を月に数千円程度は節約ができるためお得です。対して、インターネット環境がついていない物件ですと、月々の費用だけでなく工事費用が発生してしまう場合があるので要注意。工事不要のモバイルルーターもありますが、固定回線より遅いことが多く、在宅勤務をメインに勤務されている方など、インターネット速度が必要な場合には不便ですのでオススメできません。

NG3.「初期費用が高すぎる物件」

山手さん 初期費用が20万円かかるケースもあれば、初期費用が60万円のケースもあるなど、初期費用は物件により大きく異なります。初期費用に40万円の差があるとなると、例えば後者の物件に2年間住んだ場合、家賃が毎月1.6万円上乗せされているのと同じ計算になります。そのため単純に、家賃だけを見るのではなく、初期費用+家賃2年分のトータルコストで考えて比較するといいです。家賃や初期費用は交渉で安くなる場合もありますが、難しい場合がほとんどですので覚えておきましょう。

――家賃を安くする方法や「実際にこんなことをして安くなった!」などエピソードがあれば教えてください!

山手さん 家賃を安くするためには、”一般的にはマイナスポイントだけどこれなら妥協できる!”という自分の妥協ポイントを知るといいです。例えば、銭湯やスポーツジムでお風呂に入るので問題ないという方は、シャワーのみや風呂なしの物件を選ぶことで、家賃を大幅に下げられます。他にも、”エレベーターなし物件を選びました”、”バルコニーなしの物件にしました”など、実際に妥協点を見つけて物件を探したことで、満足できたという方も。一般的にデメリットがある物件は、不動産屋の担当者は紹介を避けてくれることが多いので、希望条件だけを伝えるのではなく、”こういう物件でも私は大丈夫です”と伝えるといいです。自分の条件に合った、お宝物件に出会える可能性がグッと上がりますよ。


楽しくひとり暮らしを始めるために知識を味方に

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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