不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「1人暮らし物件の間取り」

文・市岡彩香 — 2023.7.8 — Page 1/2
初めてのひとり暮らし、後悔はしたくないですよね。今回は、ひとり暮らしをするときに選ばない方がいい「賃貸物件の間取り」について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです。

不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「賃貸物件の間取り」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.19

※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――女性が選ぶべきではない間取り、オススメしない物件について教えてください!

NG1. 「収納スペースが極端に少ない」

山手さん ワンルームやデザイナーズ物件に多いのですが、収納スペースが極端に少ない物件は選ばない方がいいです。引越し直後は荷物が少ないため問題ないかもしれませんが、住んでいるうちに段々と荷物は増えるもの。置く場所がないからという理由で、洋服や靴、趣味のものを減らさなければいけないというのは楽しくないですよね。収納スペースがなくても、ハンガーラックや収納家具を置くことでカバーはできますが、そうすると居住スペースが狭くなり、見た目もスッキリしないなどデメリットが多いです。

NG2. 「部屋のカタチが複雑」

山手さん できれば、四角形や長方形などシンプルなカタチの間取りを選ぶ方がいいです。柱が出っ張っていたり、ボコボコとした三角形のような間取りですと、平米数のわりに狭く感じたり、家具が上手く配置できずデッドスペースができてしまうためもったいない。「欲しい家具が見つかったのに、柱が邪魔で置くことができなかった」「前の家で使っていた家具、家電が入らなかった」など住んでから後悔した人もいます。

NG3. 「キッチンと寝室に仕切りがない」

山手さん 家賃との兼ね合いもあるとは思いますが、できればキッチンと寝室が一体になっているワンルームではなく、キッチンとの仕切りがある1Kタイプの間取りを選んだ方がいいです。料理を頻繁にする人は特に、仕切りがないと、料理のにおいが洋服や家具に移ってしまい不快な思いをしかねません。快適に過ごすためにも、キッチンと寝室に仕切りがない物件は選ばないことをオススメします。

NG4. 「日当たりが悪い、窓が小さい」

山手さん 日当たりが悪いと、日中も電気をつけていないと暗いために光熱費が多くかかりますし、体内リズムが乱れる原因にもなります。窓が小さい物件も、換気がしづらいためやめておいた方がいいです。洗濯物が乾かなかったりカビが発生してしまうこともあるので、日当たりだけでなく、風がしっかり通って換気ができる間取りかどうかも重要なポイント。内見の際に忘れずにチェックしておきましょう。

NG5. 「玄関を開けると部屋のなかが見渡せてしまう」

山手さん 女性がひとり暮らししていることが分かってしまうと、犯罪リスクが上がってしまいます。個人を特定できてしまうものが見られてしまうこともあるので、部屋のなかを簡単に覗けてしまう物件は選ばない方がいいでしょう。宅配やフードデリバリーの配達員がストーカー化したり、空き巣が来客を装って下見するケースもあるため要注意。同様の理由で、カーテンを開けると通行人や隣の建物から部屋の中が見えてしまう物件もやめておいた方がいいです。

――もしいま住んでいるところが上記に当てはまっていたら、どうしたらいいでしょうか…。

山手さん NG1とNG2に当てはまる場合は、ベッド下収納や収納つきソファーやテーブルなどの家具を選ぶと、居住スペースが狭くなることを防げます。有効活用がしづらいデッドスペースにも使える”壁面収納”もオススメ。NG3に当てはまる場合は、キッチンにカーテンやロールスクリーン、棚を仕切りとして設置するといいです。NG4は、照明を白色の明るいものにしたり、大きめの鏡を設置すると反射で光を多く取り込めます。湿気についてはこまめな換気、除湿アイテムやエアコンを活用しましょう。 NG5は、玄関にのれんをつけて室内が見渡せないようにするとベスト。窓には目隠し効果の高い遮光カーテンやシャッターを活用するといいですよ。

――その他、住んでみてよくなかったという実例はありますか?

山手さん 「ベッドを置いたら、クローゼットの扉が開かなかった…」というお客様の経験談をいくつか聞いたことがあります。家具を配置するときは、扉やドアの開閉スペースについても確認することを忘れないようにしてください。また、内見時は家具が何もない状態のため、お部屋は広く見えやすいもの。内見の際はメジャーなどを持参して寸法を測っておくと、手持ちの家具を問題なく搬入、配置することができるためオススメです。

また、ロフト付きの物件が人気ですが、階段が急で昇り降りが大変だったり、エアコンがロフト部分に効かず居心地が悪かったなどいいことばかりではありません。ロフトといっても形や階段、天井の高さはさまざまですから、想定通りの使い方ができるのかを確認しておくといいです。


楽しいひとり暮らしを始めるために、慎重な物件選びを

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回の5つのポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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