不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「1人暮らし物件の特徴」

文・武市彩花 — 2023.7.1 — Page 1/2
ひとり暮らしを始めるには「金額面が不安…」という人は多いのではないでしょうか。そういった場合、築年数が古いけどリノベーションされている物件を検討することもあるでしょう。今回は、選ばない方がいい"リノベーション物件"について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです。

不動産会社の女性経営者が教える! 「選ばない方がいいリノベーション物件の特徴」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.18

※主に東京都内、近郊のワンルーム賃貸物件が対象です。


――リノベーション物件とはなんですか?

山手さん 築年数の経った物件に、新しい機能や設備を加えて価値を高めたものをリノベーション物件と呼んでいます。リフォームは老朽化した箇所を部分的に修繕するのに対し、リノベーションは設備のグレードアップや間取りの変更など大規模な工事を指す場合が多いです。

―独身女性が賃貸物件を探す際に、選ぶべきではないリノベーション物件はありますか?―

NG1. 「家賃が相場よりも割高な物件」

山手さん リノベーション物件のなかには、見た目がキレイという理由だけで、家賃が相場よりも割高になっている物件があります。そのため、周辺エリアの同条件の築浅物件と比較して、賃料が割安かどうかを見比べることが大切。”リノベーション物件だからお得”と思いこまずに相場を確認しましょう。部屋のクオリティは、どうしても新築物件に比べると劣ってしまうのが現実。古い物件は、段差が多くあったり、共用部分のエレベーターが古くて故障してしまい階段を使うことになった場合などもあります。住んだ後になって後悔しないよう気をつけてほしいです。

NG2. 「水回りがリノベーションされていない物件」

山手さん コストがかかる都合上、水回りや配管までは新しくなっていないリノベーション物件があります。一見部屋がキレイにフルリノベーションされているように見えたとしても、水回りが古い物件に住んでしまうと、配管の古さが原因で水回りのにおいが気になってしまうということも。不快な思いをしないためにも、やめておいた方がいいでしょう。リノベーション物件と一言でいっても、リノベーションのレベルはさまざま。リフォームと呼ばれる程度の工事であっても、リノベーション済み物件と記載することで家賃を上げている物件もあるので、どこまで改修しているか内容をきちんとみて、家賃が妥当かどうかを判断してほしいです。

NG3. 「電気容量が小さい物件」

山手さん 建物が古い物件のなかには、電気容量が小さい物件も。電気容量が小さいとドライヤーや電子レンジなどの家電を同時に使うだけで、すぐにブレーカーが落ちてしまうことがあり、実際にそういったトラブルは私もいくつか聞いたことがあります。リノベーション物件を選ぶなら、電気設備についても新しくなっているかは確認しておくことが大切。ですが築年数が古くてもお部屋がキレイになっていれば問題ないというお客様は多いので、何を重視するかはお客様次第。電気を多く使う予定がないかたであれば問題ないでしょう。

NG4. 「防音性が低い物件」

山手さん 防音性が低いということは、隣の部屋の生活音がうるさいことはもちろん、自分の生活音も周りに聞かれてしまうということ。そのため女性のひとり暮らしにはオススメできません。また、防音性が低いと断熱性も悪いことが多いため、冷暖房が効きづらいデメリットも。築年数の浅い物件の方が、コンクリートが厚くなっていたり、防音性を高める工夫がされている場合が多いことを知っておいてください。

NG5. 「1981年以前に建てられた物件」

山手さん ”リノベ物件”と聞いて安易に選ぶのではなく、修繕履歴などを聞いて家賃に見合っているかを考えることが重要。リノベーション物件はコスパがいいメリットはありますが、リノベーションの規模にもよるので一概には言えません。1981年以前に建てられた物件は旧耐震基準で建てられているため、見た目は新築のようであっても、現在の耐震基準を満たしていない可能性もあります。耐震補強工事が施されているかなど、耐震性についても確認しておきましょう。


安心してひとり暮らしをスタートするために、慎重な物件選びを

物件選びの失敗を防ぐためにも、気になることは常に確認を徹底した方がいいです。後悔しないためにも、今回のプロからのアドバイスをぜひ参考にしてみてください!

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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