不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「マンション、アパート、団地の特徴」

文・市岡彩香 — 2023.7.22 — Page 1/2
「ひとり暮らしを始めたいけど、不安…」という方必見。今回は、女性がひとり暮らしをする上で知っておきたいマンション、アパート、団地の違い、選ばない方がいい物件の特徴について女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「マンション、アパート、団地の特徴」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.21
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――賃貸物件を探す初心者に向けて、マンション、アパート、団地の違いについて教えてください。

山手さん マンション、アパート、団地を区別する明確な決まりはなく、構造や規模をみてオーナーや不動産会社がそれぞれ判断して呼び方を決めています。ですが一般的に、”マンション”は、3階建て以上の鉄筋コンクリートなど丈夫な構造で建てられた建物のこと、”アパート”は、2階建て以下の木造や軽量鉄骨で作られた建物のこと、”団地”は、敷地内に建てられている建物群のことで公営住宅やUR賃貸住宅などを指す場合が多いです。

――初めてひとり暮らしをする際、マンション、アパート、団地、どの物件を選ぶべきでしょうか?

山手さん 特にマンションとアパートの線引きは曖昧なことが多く、3階建ての物件でもアパートと記載されていたり、2階建てだとしてもマンションと記載されていることがあります。そのためマンションやアパートと区別して物件を探すのではなく、”自分の好みの物件”を軸に探すことが大切。設備や防音性などを見比べて決めるのもいいです。

団地は、ファミリー層に向けた間取りが多く、ひとり暮らしを想定した作りになっていないためオススメはしていません。女性のひとり暮らし向けの物件を探している当社のお客様に関して言うと、団地を探しているという人は今までいなかったですね。

――マンション、アパート、団地に住む際の注意点やデメリットがあれば教えてください!

【マンション】デメリット1.「賃料、管理費が高い」

山手さん 設備、構造がしっかりしている分、アパートや団地と比べると賃料が高いことが多いです。ですが、オートロック、防犯カメラ、24時間ゴミ捨て場、宅配ボックスなど共用部分の設備が整っていたり、管理人が常駐している物件の場合はセキュリティ面が充実しているなどのメリットも。さらに高級マンションになると、共有ラウンジやゲストルーム、ジムなどが完備されているなど、マンションのなかで1日過ごせてしまうほど便利な物件もあります。

【マンション】デメリット2.「入居までのハードルが高い」

山手さん 人気のマンションの場合、前に住んでいる人が退去前の時点で、申込みが殺到してしまうことも。そのため、内見してからゆっくり決めたいと思っても、いいマンションを選べないことがあります。また、マンションによっては、入居審査が厳しかったり、礼金が2か月分かかってしまうなど初期費用が高くなることも。そのため、アパートや団地に比べると、入居するまでのハードルが高いと感じてしまう人は多いです。

【アパート】デメリット1.「隣人の生活音や、外からの振動が伝わりやすい」

山手さん 木造、軽量鉄骨造のアパートの場合、マンションと比べると強度が弱く、防音性が低いです。そのため「アパートの住民の騒音に悩んでいるので、防音性の高いマンションに引っ越したいです」と防音性の低さが原因で引っ越しをする人も珍しくありません。また、気密性が低いことで冷暖房が効きにくいデメリットもあります。

【アパート】デメリット2.「共有設備が少ない」

山手さん マンションに比べると家賃が安く、管理費も抑えられるメリットがある一方で、共用部分が少ないアパートは、オートロックや宅配ボックス、24時間ゴミ捨て場、駐輪場などの設備がないことが多く、不便に感じてしまう可能性も。また、管理人が常駐していないため、マンションと比べるとセキュリティ面が劣ります。

【団地】デメリット1.「エレベーターがない、防犯設備がない」

山手さん 最近は、リノベーションした団地に住む若者が増えていますが、老朽化している建物が多いことはデメリットの1つです。築年数が経っている団地は、階段しかないことが多く、4階や5階に住んだとしても階段を上り下りしなければいけません。私も子どもの頃、エレベーターなしの団地の5階に住んでいましたが、上り下りがとても面倒だった記憶があります…。また築年数が経っている団地は、オートロックや防犯カメラもないことが多く、防犯面に関してもマンションに比べると充分とはいえません。

【団地】デメリット2.「団地のコミュニティ参加や近所付き合いを求められることがある」

山手さん 団地は、自治体の活動が活発に行われていることが多く、コミュニティへの参加を勧められることがあります。関係性を築くことで、いざというときに助け合える魅力はありますが、面倒だという人や忙しくて参加できないという人にとっては、デメリットに感じてしまうでしょう。ただ、団地は1950〜70年の高度経済成長期に建設が進んだために、今ある団地は築年数が経っている物件がほとんど。そのため団地を選ぶことで、相場より賃料の低い物件に住めるメリットもあります。


楽しい毎日を過ごすために、賢い物件選びを

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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