不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「1人暮らし物件の特徴と間取り」

文・市岡彩香 — 2023.7.15 — Page 1/2
初めてひとり暮らしをするなら、物件選びは絶対に後悔したくないですよね。今回は「ペット可の物件」と「メゾネット物件」について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです。

不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「ペット可の物件、メゾネット物件の特徴」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.20
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――まずは「ペット可の物件」について教えてください。「ペット可の物件」を探す際、選ばない方がいい間取りや注意すべきことはありますか?

NG1. 「近所に公園や動物病院、ペットホテルがない物件」

山手さん ペットを飼う予定があるなら、物件を探す際、近所に公園や動物病院、ペットホテルがあるがどうかは確認しておいた方がいいです。ペットと快適に生活ができる”周辺環境”をあらかじめチェックしておかないと、住んだ後になって後悔してしまう可能性も。また、マンションによってはエレベーターや廊下では抱きかかえなければいけない、ケージを使用しなければいけないなどルールがあることも珍しくありません。ペット可の物件でもペットが苦手な人も住んでいるため、騒音やにおいについても配慮することが大切になってきます。

NG2. 「玄関からペットが飛び出しやすい間取り」

山手さん 玄関を開けたときに、ペットがリビングからすぐ外に出れてしまうような間取りはNG。リビングの入り口に扉がある作りだと安心です。ペットを危険にさらさないためにも、住んでいる物件が外に出てしまいやすい間取りだった場合は、フェンスなどを設置することで対策ができます。

NG3. 「床がすべりやすい材質の物件」

山手さん すべりやすいフローリングの物件を選ぶのは、ペットのためにはやめておいた方がいいです。ペットが爪を立てることができずにすべってしまい、ケガをしてしまう場合があります。そうすると、別途カーペットや滑り止めマットを購入しなければいけなくなってしまうなど、お金が余計にかかってしまうデメリットもあるんです。

――ペットを飼う予定があるなら、ペット可の物件を選んでおくべきですよね?

山手さん ペットを内緒で飼うとトラブルに発展してしまい、違約金が発生したり強制退去となる場合がありますので、堂々とペットを飼うためにも”ペット可の物件”を選んでほしいですね。ペット可の物件のなかには、ペットと同居することを目的に作られたペット共生物件もあります。防音対策や傷に強い床材が使われていたり、ペット用の足洗い場やリードフック、専用庭などペットに嬉しい設備がついています。マンションにペットがいることが前提なので、騒音やにおいに寛容な入居者が多いメリットも魅力です。

――ペットを飼わない場合、ペット可の物件に住むデメリットはありますか?

山手さん ペット可のマンションの場合、共用部分やエレベーターでペットに遭遇することがあるため、ペットが苦手だったりアレルギーのある人にはデメリットとなります。また共用部分にペットのにおいが残っていることもあるのでにおいに敏感な人も不快な思いをしてしまうかもしれないです。ペット可だからといって防音対策が施されているわけではないので、鳴き声や足音などの騒音が気になってしまうデメリットも。

――続いて「メゾネット物件」ついて教えてください! メゾネットとは何ですか?

山手さん メゾネットとは、マンションタイプの部屋のなかに階段があり、2階建ての階層になっているお部屋のことです。ロフトは高さ1.4mまでの収納スペースを指すのに対し、メゾネットは独立した部屋のため解放感があり、デザイン性の高い物件が多いです。

――「メゾネット物件」に住みたい際、注意すべきことやデメリットがあれば教えてください!

デメリット1. 「光熱費が高くなる」

山手さん ワンルームや1LDKと比べると解放感があるメリットがある一方、ワンフロアのタイプと異なり空気が別の階に逃げてしまい、冷暖房が効くまで時間がかかってしまいます。そのため光熱費が高くなってしまう可能性は高いです。電気代が高騰している今、金銭面で負担になる可能性があるので節約したい人は要注意。

デメリット2. 「ケガをしているとき、体調が悪いときに不便」

山手さん 部屋のなかに階段があるので、どうしても上り下りする面倒があります。間取りによっては1日に何度も上り下りしないと生活できないため、ケガをしているとき、体調が悪いときなどは不便に感じると思います。高齢者や小さい子どもには負担なだけではなく、階段から転落してケガをしてしまわないよう注意しておかなければいけません。

デメリット3. 「家事動線が長くなってしまう」

山手さん 洗濯物を持って階段を上らなければならなかったり、荷物を取りに行く度に階段を使うことになるため、不便に感じて引っ越したという人もいます。メゾネット物件は、水回りやベランダの配置などがワンルームとは異なるため、1日の生活をあらかじめシュミレーションしておくといいです。階段のカタチによっては2階に家具を運び込めない場合もあります。

――「メゾネット物件」は、どんな人にオススメですか?
山手さん 階数が違うと視線も遮られるため、自宅兼オフィス、食事する場所と寝る場所など用途別に生活スペースを分けたい人にはオススメです。最近ではテレワーク用のスペースとして需要が高くなりました。音や光も遮られるため、同居人と生活リズムが違う場合も過ごしやすいと思います。2階部分だと下の階の住民に足音が響く心配もないため、お子さんのいるかたや室内で運動をする場合には2階を使う方法も人気です。


楽しい毎日を過ごすために、慎重な物件選びを

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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