まずは押さえたい! 理想の就寝リズム。
睡眠には大きく分けて、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類ある。ノンレム睡眠は眠りの深さによって3段階。「2つのバランスが良いと◎。下の図のようなリズムを目指しましょう」(スリープコーチ・角谷リョウさん)
レム睡眠:体は弛緩状態だけど、脳は活発に活動。
ここで行われるのは、ストレスの緩和や、心の疲れの回復。脳は活発に働いているものの、全身の筋肉の緊張は緩んでいるので、睡眠の中でも体が一番休まっている状態。夢を見るのもレム睡眠中。
ノンレム睡眠1:覚醒と睡眠の切り替えのタイミング。
ノンレム睡眠1~3は眠りの深さを表し、ノンレム睡眠1は睡眠の中でも最も浅い睡眠。寝入る時や、目覚める直前の状態。全体の睡眠の約5%にあたり、覚醒と睡眠の切り替えに不可欠。
ノンレム睡眠2:運動神経の育成や、学習と記憶の定着を行う。
このゾーンで運動神経を育成。また、起きている時に学習したことや記憶したことを、ここで定着させている。睡眠の中でもまだ浅く、ノンレム睡眠3がしっかりとれてこそ、2の機能が発揮される。
ノンレム睡眠3:一番深い睡眠。体と脳のスーパー回復。
深い睡眠といわれるこのゾーンに入ると、成長ホルモンが分泌される。代謝調節に関わるホルモンのため、3が充実すると肌質がアップ。免疫機能にも作用する。体と脳の回復に大きく寄与。
今の睡眠状況をチェック!
自分の睡眠の「質」と「量」が足りているのか…? 日中の眠気を測る国際的な指標の、下の「エプワース眠気尺度」でチェック。眠ってはいけない場面でつい寝てしまうなど、点数が高い=日中の眠気が強いほど睡眠不足の可能性あり。
Q. 座って読書をしている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. テレビを見ている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 人の大勢いる場所(例えば会議中や劇場など)で座っている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 午後に、横になって休憩をとっている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 座って人と話している時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 飲酒をせずに昼食後、静かに座っている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
Q. 自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっている時
眠くなることが多い…3点、時々眠くなる…2点、まれに眠くなる…1点、決して眠くならない…0点
→あなたの点数は合計何点?
・5点未満…日中の眠気は少ない。現状の睡眠状況のキープを目標にしよう。
・5~10点…日中の軽度の眠気あり。睡眠不足なので、改善の必要あり。
・11点以上…日中の強い眠気あり。激しい睡眠不足なので、場合によっては専門家の診察も必要。
角谷リョウさん スリープコーチ。2018年に、個々のパフォーマンス向上を支援するコンサルティングサービス「Lifree」を共同創業。著書に『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)など。
※『anan』2023年9月6日号より。監修・サトウ未来(Lifree) 漫画・サヲリブラウン 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)