人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。鈴木聖美さんをお迎えしての第3回をお届けします。令和の今でも歌い継がれている和製R&Bの名曲。鈴木聖美さんと弟・雅之さんの哀愁に満ちた歌声が素敵なのですが、御本人にはそんなつもりはなかったようで…。
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“日本語の歌詞”で歌うのが、とにかく難しい!!

1987年にリリースした『ロンリー・チャップリン』は当時大ヒットしましたが、まさか今20~30代の人も知ってくれているロングヒットになるなんてことは、まったく思いも寄りませんでした。というのも、私はデビューするまでずっと洋楽のカバーばかり歌っていたので、“日本語の歌”にまったく馴染みがなく、「日本語の歌詞、どうやって歌ったらいいの…」状態だったんです。私にとっては英語の方が、リズムとメロディにスッとのってくれるので、とても歌いやすい。でも日本語は単語単語でブツブツッと切れてしまうので、メロディとしての流れが掴みづらい。先にデビューしていた弟にいろいろと教えてもらいながらレコーディングしましたが、歌うことで精一杯。「感情がこもってる」なんて言葉で褒めてもらったこともありますが、実は、感情、入ってなかったの(笑)。気持ちを込める余裕なんて全然ない。自分で聴いても、いっぱいいっぱいな歌声よ(笑)。

デビューから35年、やっと自分らしい歌にたどり着けた。

『ロンリー・チャップリン』と同じ年に出した『TAXI』という曲も、『ロンリー~』同様、まだ余裕のない時代の曲。ただ当時コンサートでこれを歌うと、お客さんが泣いちゃうこともあり、もし私の歌声で何かを思い出して感極まってくださっているのなら、私ももっときちんと歌うことと向き合わなければ、と思ったことをよく覚えています。

デビューした頃は憧れていた黒人歌手の歌い方を意識していて、ダイアナ・ロスみたいに可愛らしく歌いたいなんて思っていました。でも昨年でデビュー35周年を迎え、やっと自分の解釈で歌えるようになってきた。ここまで来るには、35年の月日が必要だったと思うし、だからこそ私は、ミュージシャンにとって年をとることってそんなに悪くないとも思う。以前は『TAXI』は、キーを下げていたのですが、声が出るようになってきたので、最近元のキーに戻したんです。それもあって、今歌うことが楽しいのかもしれないですね。

すずき・きよみ ミュージシャン。1952年生まれ、東京都出身。弟は歌手の鈴木雅之氏。’87年、鈴木聖美 with Rats&Starとしてデビュー。35周年記念ベストアルバム『I’ve Got Soul』(ソニー・ミュージック)が好評発売中。

※『anan』2023年8月30日号より。写真・中島慶子 ヘア&メイク・チチイカツキ(beausic Inc.)

(by anan編集部)

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