苦手な人も楽しめるはず! 程よい怖さの“初心者向けホラー映画”6作品

2023.7.24
“ホラー映画を観てみたいけど怖すぎるのは自信がない…”と悩める人におすすめの6作品をホラー映画取締役さんがガイド。血や音などで驚かせるジャンプスケアは控えめに、程よい怖さとストーリーを堪能できる近年の洋画が出揃いました!

またホラーが観たくなるストーリー性の高い作品たち。

ショック描写が多くないこと、そして、ストーリー性とエンターテインメント性が高く、“またホラーを観たい”と思ってもらえるような作品を選びました。ただ、ジャンプスケアや血のシーンなど怖い描写がまったくないわけではないのでご注意ください。

まずは『透明人間』です。包帯グルグル巻きのイメージが現代版にアップデートされ、お化けより心理的な恐怖描写が強い作品です。主人公の女性はDVを受けて精神的に不安定だということで、誰に話しても信じてもらえない中、透明人間に立ち向かう強さが描かれている。逃げ惑うヒロインではなく女性が戦うところも今の時代らしいです。『ハッピー・デス・デイ』も、殺人鬼に立ち向かうポジティブな女子大生が主人公。誕生日に殺されて以降、“目を覚ます→殺される”とタイムループしますが、何とか殺されずに一日を終えようと、経験値をためてレベルアップする姿に元気がもらえます。ドタバタ感も含めて面白いです。また、『ラストナイト・イン・ソーホー』も女性の生き方を問うような内容に。デザイナーを目指すエロイーズが夢の中で’60年代にタイムスリップ、そこで出会った歌手を目指すサンディを殺した真犯人を突き止めるために現在と過去を行き来するサスペンスホラーですが、’60年代のファッションとカルチャーが満載で、怖いけど目と耳から華やかな情報が入ってくる点も魅力です。

『イット・フォローズ』は、性交渉によってうつる「それ」に捕まると必ず死んでしまうという物語で、「それ」は決して走らず遠くからじわじわとやって来るところが新鮮で怖い。『オールド』は、時が加速し、一日で一生が終わるビーチが舞台。“時間”と“老い”という恐怖から逃れることがテーマになっており、どちらも設定が斬新なユニークなホラー作品です。また、名優イーサン・ホークが殺人鬼を熱演している『ブラック・フォン』は、誘拐された子どもたちが、過去に殺された幽霊の子どもたちと協力して大きな恐怖に立ち向かうというジュブナイル感がポイントに。観終わった後に爽快感が味わえるはずです。

おすすめの入門ホラー作品

『透明人間』

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“何かがいる”気配とサスペンス要素にドキドキ。
DV彼氏の監禁から逃げたセシリアは、彼が自殺し自分に遺産を残したと聞かされる。その日を境に目に見えない気配を感じ始め…。「手の跡など、主人公は気づかずとも観客が“いるいる!”とハラハラできる描写が満載。透明人間はいるのか、誰なのかを巡るサスペンス要素も楽しい」。Blu‐ray¥2,075 販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント ※首をシュパッと切るシーンあり。
©2020 Universal Studios. All Rights Reserved

『ハッピー・デス・デイ』

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殺人鬼に何度も立ち向かう主人公に励まされる!
誕生日の朝、知らない男のベッドで目を覚ました女子大生のツリー。その夜、パーティへ向かう道すがら、マスクをかぶった殺人鬼に殺されてしまう。しかし目を覚ますとまた、誕生日の朝のベッドにいて…。「自暴自棄になり自分から死にに行くといったコメディ要素や、家族愛が描かれる場面も。SF感の強い2も一緒にぜひ」。Blu‐ray¥2,075 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
©2017 Universal Studios. All Rights Reserved.

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Everett Collection/アフロ

『ラストナイト・イン・ソーホー』

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アナログな手法で撮られたシンクロシーンにも注目。
デザイナーを目指しロンドンに上京したエロイーズは夢の中で’60年代へ。出会った歌手のサンディを殺した犯人が現代にいると察知、真相を突き止めようとする。「エドガー・ライト監督による映像がスタイリッシュ。亡霊やゴーストなども出てきてちゃんと怖い面も」。Blu‐ray¥2,075 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント ※一部、性加害を想起させるシーンがあるので注意。
©2021 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

『イット・フォローズ』

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ゆっくり、でも確実に来る「それ」との戦い。
一夜を共にした男から、「『それ』に捕まったら死ぬ」「誰かにうつせ」と言われた女子大生のジェイ。確実に近づいてくる「それ」から逃げ続けるが…。「自分にしか見えない『それ』との対峙が見どころに。’70~’80年代のホラー映画を彷彿させる映像や音楽もいい」。Blu‐ray¥5,170 デジタル配信中 発売・販売元:ポニーキャニオン ※人が突然現れるシーン、死体が映るシーンあり。
©2014 It Will Follow. Inc

『オールド』

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時が加速するビーチで時や老いの恐怖と対峙!
一家でやってきたビーチで6歳の息子が一瞬、行方不明に。次に姿を表した時、なんと彼は青年になっていた。監督はM・ナイト・シャマラン。「108分の中に人のライフイベントが凝縮されていて、人生ってこんな感じなんだと感動する瞬間も。最後に衝撃のカラクリが明かされます」。Blu‐ray¥2,075 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント ※バキバキになった死体の登場シーンあり。
©2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ブラック・フォン』

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グラバーを倒そうとする子どもたちの奮闘に感動!
アメリカの田舎町で子どもの連続失踪事件が発生。少年フィニーも犯人のグラバーに誘拐、監禁される。部屋には黒電話があり、過去の被害者から逃げるアドバイスが伝えられる。「フィニーを助ける子どもたちのキャラクターが光っています。妹が予知夢能力で兄を捜す姿も胸を打ちます」。Blu‐ray¥2,075 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント ※子どもの幽霊描写が少し怖いので注意。
©2021 Univaersal Studios. All Rights Reserved.

ほらーえいがとりしまりやく ホラー映画を片っ端から取り締まる会社の代表取締役。Twitter(@torishimaru)でホラーをメインに国内外の映画情報を発信。ホラー映画の原体験は、観賞翌日に牛乳が飲めなくなったSFホラー『エイリアン』。

※『anan』2023年7月26日号より。取材、文・重信 綾

(by anan編集部)