エルフ・荒川「ギャルメイクで自信を持てた」 メンタル最強軍団が恋愛×自己肯定感の悩みを解決

2023.7.16
“自己肯定感”にまつわるお悩みに振り回され、心は疲弊気味…なんて人いませんか? そんなモヤモヤを、メンタル最強の4人がズバッと解決。賢者の言葉に、心がちょっと軽くなるはず。

メンタル最強軍団が答える! 自己肯定感駆け込み寺。

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自分の容姿に自信がなくて、恋愛できない。

自分の見た目に自信が持てないせいで、いいなと思う人ができても、踏み出せません。このままだと一生彼氏ができないのでは? と不安です。どうしたら、恋愛できるようになると思いますか?(27歳・派遣)

アーティスト・ゆっきゅんさん:恋愛は無理にしなくていい。とりあえず、これが大前提。
「まず、人は容姿だけを好きになるわけじゃないですよ~! 気になる相手が、“自分の恋愛対象は顔で決まる”と豪語してる人だったら話は別だけど、基本的には気にしすぎ。本当はうまくいく恋だったとしても、自分に向ける感情によってダメにしてしまってる感じ。自分は気にしすぎだったんだなと気づかせてくれる人との出会いがあったらいいなと思うし、それは友達でもいい。だって、『どうせ私のことなんか好きにならないし』と相談したとして、『あんたなんか恋愛できない』と言う人はいないし、絶対に思い込みだから。それに、“恋愛はすべきこと”という固定観念に囚われるのも違うと思う。無理に恋愛しなくていいという前提で、すべてのことを見てほしいなって思います」

芸人・エルフ 荒川さん:好きなメイク&服装って世界が変わるから!
「不安な気持ち、すごくわかります。でも、一番言いたいのは『ようこそギャルの世界へ』ってこと(笑)。私も以前は自分の顔が好きじゃなかったけど、ギャルメイクで嫌いなところを隠せたり、逆にいいところも知れた。好きなメイクして、好きな格好をしたときに、周りの人が『かわいいね』と言ってくれるようになり、ギャルメイクと出合って自信を持つことができたから。別にギャルメイクじゃなくてもいいんですけど、好きな洋服を着たり、メイクしたり、自分が輝けるほうに目を向けることが大切やと思う。こんな自分ダメやと思ってしまうのもわかるけど、とりあえず攻めてみたら! だって、『あなたのこと嫌いです』って言いに行くんじゃないんだから、どんどんアプローチしてみて」

彼の自己肯定感が低くて困っている。

彼の自己肯定感が低く、一緒にいると疲れてしまうことも…。本当に私のことが好きなのかも不安に感じます。優しいのはいいところなのですが、彼の自己肯定感を上げるにはどうしたらいいの?(27歳・IT関連)

芸人・エルフ 荒川さん:褒めまくって相手を“特別”にしてあげたらいいんです!
「いいところを見つけて、褒めてあげる。褒めまくるのはめちゃ大事やと思います。例えば、彼氏がネガティブで慎重な発言をしたとき、『そういうところがいいよな。人の気持ちをわかってあげられるし。ほんま優しいな』とか、ネガティブな部分を肯定してあげる。だいたいの褒め言葉って自分に落とし込みやすいから、言われた側は『そういえばそんなとこあるな、自分』って、ちょっと自信が持てたりする。相手を特別にしてあげたらいいんです。それでもゴチャゴチャ言ってきて、自分までしんどくなるんやったら、離れたほうがいいと思うけど。でも、ポジティブすぎる人と一緒におるのもウザいから(笑)。自分にとって何が大事か、しっかり見極めてみてもいいんじゃないかな」

単なるナルシストとの違いって?

何事に対しても自信に満ち溢れているところに惹かれて付き合ってみたら、ただのナルシストだったことがありました。単にナルシストな人と自己肯定感が高い人の違いはどこにあるのでしょうか?(32歳・事務)

アーティスト・ゆっきゅんさん:“自分大好き”って人種はちょっと違うのかも。
「自己肯定感=“自分大好き”“自分最高”みたいな考えじゃなく、理想とは遠い部分も認めて、自分の存在をありのまま受け入れていくことなのかなって思ってて。みなさんがナルシストをどう解釈してるのかわからないけど、自己愛が過剰なエゴイスト的な感じで捉えているのだとしたら、ナルシストとしてやらせてもらってる私からすると(笑)、これも全然違う! 本物のナルシスト=客観性と思いやりが大事。見分ける前に言葉を精査することも必要なのかなって」

本当の自分を見せられない。

自己肯定感は低いのに、自意識だけは高くてなかなか人に甘えられない性格です。恋愛しても素直な気持ちを伝えられないので長続きしません。どうしたら、彼に本当の気持ちを伝えられるようになるか教えてほしいです。(28歳・販売)

哲学者・小川仁志さん:“本当の自分”という考え方を捨てることから。
「“本当の自分”という概念を捨てたらいいと思います。ミシェル・セールというフランスの哲学者に言わせると、『自分というのはあらかじめ確固たるものがあるわけではない』。人間というのは、相手によって変わるものだと。そう思うことで、自意識や完ぺき主義というものから逃れることができるんです。彼と話す、友人と話す、その時どきで自分は違って当然だし、その全部が自分だと思えば、『本当の私はこうなのに、30%しか伝えられてない』『今日はうまく見せられるかな…』などと構えなくて済みますから。素直に気持ちを表現できるようになるんです。“本当の自分像”に固執することで、それを出せていないという焦りが、自己肯定感をさらに低くしてしまう。悪循環ですよね」

放送作家・野々村友紀子さん:信頼できる相手なら“欠けてる部分”を見せてしまったらいい。
「私はよく講演で『欠けてる部分が人間の面白みになる』という話をするんです。ダメな部分や欠けている部分がその人の個性であり、かわいげに繋がったりするので。だから、相談者の方も『変なところを見せたらダメ』とガチガチにならず、信頼できる相手やったら見せてしまったらいい。結果、相手も“素”を出しやすくなり、より関係性が深まると思うんです。そのためにはまず、自分が自分のダメなとこ、変なとこも受け入れて、『これも私なんだ』と思うことが必要。それに、彼女が自分だけに弱みをさらしてくれたり、ダメな部分を見せてくれたら、彼も特別感を得られて、嬉しいはず。『見た目しっかりしてるのに、こんな失敗するんや』『もの知らんところもかわいいな』ってね(笑)」

アーティスト・ゆっきゅんさん 1995年生まれ、岡山県出身。2016年に音楽ユニット「電影と少年CQ」を結成。’21年にはセルフプロデュースによるソロ活動「DIVA Project」も始動。新曲「隕石でごめんなさい」も話題。

芸人・エルフ 荒川さん 1996年生まれ、大阪府出身。2016年にお笑いコンビ「エルフ」を結成し、ギャル芸人として一躍ブレイク。自身プロデュースのコスメブランド『GALLZ Cosmetics』が7月20日にデビュー。

哲学者・小川仁志さん 1970年生まれ、京都府出身。京都大学卒業後、商社や役所勤務、フリーターを経て哲学者に。現在は山口大学国際総合科学部の教授を務める他、『ロッチと子羊』(NHK Eテレ)に出演中。

放送作家・野々村友紀子さん 1974年生まれ、大阪府出身。芸人として活動後、放送作家に。現在はNSC東京校の講師や作家業に加え、メディアにも多数出演。著書に『アカンヒトズカン』(学研プラス)がある。

※『anan』2023年7月19日号より。イラスト・中丸陽子 取材、文・関川直子

(by anan編集部)