たった10分、3ステップで身も心もすっきり! マインドフルネス入浴法

ライフスタイル
2023.06.14
お風呂は誰にも邪魔されず、本来の自分に立ち返れる“聖域”。忙しい時こそ、お湯に浸かりひと息つきながらマインドフルネス入浴法を実践して、身も心もすっきり。

瞑想に最適なバスルームで日々の心のメンテナンスを。

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睡眠と入浴を専門とし、公認心理師でもある小林麻利子さんが考案した「マインドフルネス入浴法」。「一人になれるお風呂で照明を消してたっぷりお湯をため、全身浴で脱力した状態で呼吸を意識。副交感神経が優位になりやすいこの状況で10分間、呼吸と心に向き合う瞑想を行う入浴法です」

温かなお風呂の中はマインドフルネスを実践するのに絶好の場所。「やり方は“整う”(4分)→“想う”(5分)→“結ぶ”(1分)の3ステップ。10分では足りないなら20分までなら延長OK。それ以上浸かると、交感神経が刺激され血圧が上昇するなど、リラックス効果が半減する可能性も。就寝1時間~1時間半前には浴槽から出ましょう。慣れるまではアラームを使っていいですが、穏やかなメロディを選ぶこと。ただしスマホは浴室に持ち込まず、脱衣所などに置いて。それだけでもその後の眠りの質が格段に変わります」

基本のお風呂ルール

RULE 1 浴室の照明は暗めに設定。
交感神経を刺激するストレスとなる浴室の照明は消そう。脱衣所の照明のみつけるか、キャンドルやお風呂用の防水ライトの明かりだけに抑えることで、リラックス効果が高まり、入浴後の睡眠の質もアップ。

RULE 2 首を“面”で支えて、浮遊感を味わう。

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入浴中は頭をバスタブのふちに預け、お尻を前へスライドして首や肩を脱力。首との間に隙間ができる場合はバスピローやタオル、ポリ袋にお湯を入れて輪ゴムで留めた“お風呂枕”などを用意して。

RULE 3 常に呼吸に意識を向ける。
鼻から吸って口から吐くのが基本。また体を脱力させて呼吸することで、息を吸う時は体がふわーっと浮き、息を吐くと同時に体が沈んでいく“浮遊感”を得やすい。その体感に意識を向けつつ呼吸を続けよう。

入浴前
髪を洗いながら頭皮の血流を巡らせる。

入浴前に髪を洗うのが、マインドフルネス入浴法の鉄則。「頭皮の血流を良くしておくと脳が酸素を含んだ血液で満たされ、思考が巡りやすくなりリラックス状態にスムーズに移れます。また髪が長い人などは頭皮用ブラシを使うのもおすすめ。さっと洗えて血流アップを促せます。お風呂では決して頑張らず、楽に過ごすよう心がけてください」

STEP1 “整う”時間(4分)
目を閉じて、10秒1セットの呼吸に集中する。

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お風呂に入ったら4秒かけて鼻から息を吸い、6秒かけて口から息を吐きつつみぞおちまで浸かり、落ち着いたらさらに肩まで。肩~頭を後方に預けて面で支えたら、“整う”。

「今ある息を吐き切り、鼻から息を吸う。その時に肺、次にお腹が膨らむイメージを持つと、上半身が自然に水面へ浮かびます。その後も息を吸って浮き、吐いて沈む。後者のほうが長くなるように。怖くなければ目をつぶりましょう」

STEP2 “想う”時間(5分)
呼吸はキープしたまま、自分の心と向き合う。

マインドフルネスに集中しやすい状態に整ったら、いよいよ“想う”にシフト。

「ただ頭によぎることに考えを巡らせるだけだと、ネガティブな思考になりやすく“ご自愛”にはなりません。“想う”は過去でも未来でもなく今の心に向き合う時間にしたい。以下で紹介するようなアプローチで、頭に浮かぶ今日の出来事を振り返り、思いを馳せてください。たとえスマホが気になっても“スマホを気にしてるな~”と自覚したら否定せずに自分の呼吸に戻る。この繰り返しです」

・不安や悩みも、なるべくポジティブな方向に考える。

【ミラクル・クエスチョン】
将来に不安を感じた時に。寝ている間に自分が抱える全ての問題が解決されたとして、翌朝どんなふうに過ごしているか。奇跡を手にした自分=理想像を具体的に想像して。

【ストレングスモデル】
「どうせ私なんて」と思ってしまった時に。あえて“友達がいる”“努力家”など自分のストレングス(強み、能力)に着目すると、それを活用して実行する思考に切り替わる。

【ピーク・エンドの法則】

思考が堂々巡りになった時に。今日うまくいったこと、そのために自分がどんな工夫をしたかを丁寧に思い出す。今日あった良かった出来事の振り返りで、悩みを上書き。

・ツボを押したり、呼吸法を変えて、心を整えても◎。

【呼吸再調整法】
感情的になったら体を楽に。3秒かけて息を吸い、「リラーーックス」と声に出しながら息を吐き、4秒息を止める。声を出しつつ吐くと脱力しやすく体の力みも解ける。

【「労宮」のツボを押す】
対人関係でストレスを感じた時に。手を握った時に中指の先が当たる位置にある「労宮」を、反対の手の親指の腹で4秒間圧をかけ、3秒かけてリリース。左右各3セット。

【体全体で音を感じる】
誰とも話したくない時に。呼吸をゆったり続けながら、海の波音などの自然音や、スローな曲調のクラシックやジャズを再生。耳ではなく体全体で音を感じるイメージで。

STEP3 “結ぶ”時間(1分)
上体を起こし、浴槽から出る準備をする。

マインドフルネス入浴法の〆となる“結ぶ”。

「マインドフルネス状態のまま現実に戻るとギャップがあるので、“結ぶ”を通していつもの自分に戻ります。頭をバスタブのふちから上げ、体をゆっくり伸ばしたらまぶたをゆっくりと開けて、普段通りの呼吸に戻り、その音に耳を澄ませましょう。これで完了です」

入浴後
最後にやさしく体を洗う。

浴槽を出て体を洗ううえでもポイントが。

「お湯に浸かるだけでも汚れの半分は取れ、炭酸水素ナトリウム配合の入浴剤を使うとさらに取れるという研究も。入浴後で皮膚も柔らかくなっているので、皮脂の多い部分だけボディソープで洗えば基本的には十分です」

こばやし・まりこ 睡眠改善インストラクター、SleepLIVE株式会社代表取締役。公認心理師の資格も保持。著書に『「わたし」と向き合う1日10分のお風呂習慣 小林式 マインドフルネス入浴法』(MdN)など多数。

※『anan』2023年6月21日号より。イラスト・susu 取材、文・門上奈央

(by anan編集部)

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