遊びたい! でも何を選べばいい? ボードゲーム王に聞く、今プレイすべきゲームはコレ。
ますます盛り上がりを見せているボードゲーム。ボードゲーム誌の編集長を務める河上拓さんに、改めて魅力を聞いてみると、
「進行状況やプレイヤーの戦況などを、一覧で眺めることができるのが、アナログゲームの最大の特徴。デジタルでも戦況確認はできますが、画面を切り替える必要があるので、そこがかなり違います。さらにゲームにおいて対戦相手の心理観察は必須ですが、ボドゲの場合は実際に相手の顔色を見ることができる。そして、コマやアイテムを物理的に触れること。このあたりはアナログならではの楽しさなのでは、と思います。またコロナが収まりつつある中、以前のように再び人とコミュニケーションをとりたい人が増えていて、そこで実際に膝を突き合わせてプレイするボドゲのニーズが高まっているのでは」
ここ数年日本のゲームの評価が海外で高まっているそうで、
「海外から“日本のゲームはミニマリズム”と言われていて、ルールが簡単で気軽に楽しめるものが多いと高評価なんですよ」
ということで、約15年以上ボードゲーム業界を見続けている河上さんに、読者へのおすすめゲームを選んでいただきました!
今人気! タイル&カード配置ゲーム
タイルやカードを並べていき、プレイヤー一人一人が何かを作り上げるゲーム。
「タイルなどのパーツを取って、それを各自が専用の個人ボードに置いたりはめたりして自分の世界を構築する。達成感もあるし、何より出来上がったものが美しい! 対戦型ではありますが、戦っている感があまり強くないところが若い世代に人気です」
魅力的なテーマパークを作れるのは誰だ?!
「テンペニー・パーク」プレイ人数:1~4人、プレイ時間:45~75分
テーマパークに誰が一番来場者を呼び込めるかを競うゲーム。「アトラクションを建設し、パークの開発を進めていきます。大きなメリーゴーラウンドのオブジェのまわりにコマを配置していくのですが、大きすぎて反対側が見づらい(笑)。そのへんの遊び心も素敵です」。¥8,250(アークライト)https://arclightgames.jp
素敵な本を並べて、自分だけの本棚を作ろう。
「マイシェルフィー 日本語版」プレイ人数:2~4人、プレイ時間:約25分
立体の本棚に本やトロフィー、植物、写真などを模したタイルを配置していき、自分だけのディスプレイを完成させるゲーム。「目標パターンを達成する並べ方をすると点数がもらえ、高得点の人が勝利。物理的に本棚が出来上がっていくのが楽しいです」。¥5,720(テンデイズゲームズ)https://tendaysgames.shop
世界が注目する日本生まれのゲーム
海外で話題になっている日本発のゲームを2つご紹介。
「『スカウト』はカラーで紹介できないのが残念な、カラフルで美しいカードゲーム。昨年、ドイツ年間ゲーム大賞の最終選考3作にノミネートされました。『キャット・イン・ザ・ボックス』はドイツ開催の世界最大のボドゲイベントのファン投票で1位に。今年の受賞が期待されます」
数字の駆け引きでメンバーをスカウト。
「SCOUT」プレイ人数:2~5人、プレイ時間:約20分
プレイヤーはサーカス団長。ライバルに勝つ魅力的なショーを作るためには、他の団からメンバーをスカウトしなければならない!! 「いわゆる大富豪的なゲームなのですが、“手札を並べ替えられない”という縛りがあり、それが新しいおもしろさを生み出しています」。¥2,750(オインクゲームズ)https://oinkgames.com
キラキラのパーツとかわいい猫、それだけでアガる~。
「キャット・イン・ザ・ボックス」プレイ人数:2~5人、プレイ時間:約30分
有名な思考実験である“シュレーディンガーの猫”がテーマのトリックテイキングゲーム。「トリックテイキングはドイツでは誰でも一度は遊んだことがある定番ゲーム。そこに日本人デザイナーの画期的なアイデアが加わり注目を浴びました。モノとしてもかわいいですよね」。¥2,750(ホビージャパン cardgame@hobbyjapan.co.jp)©2022 Hobbyjapan co., Ltd. All Rights Reserved.
短時間で遊べて、確実におもしろい
カードをめくったり場に捨てたりするだけ。15分程度のプレイでなんでこんなに楽しいの?! というのがこの2つ。
「いずれも日本生まれ、しかも同人ゲームから火がついた作品です。『音速飯店』はテレビのバラエティでプレイされたこともあり、2週間で5万個の大ヒット。いずれも仕事の合間など、ちょっとした息抜きにぴったりです」
中華のメニュー名を大声で叫びましょう。
「音速飯店」プレイ人数:2~6人、プレイ時間:約15分
どんぶり型の容器にカードを投げ入れ、中華料理のメニューを完成させる。順番は関係なし、思いついた人からバンバン投げ入れる、スピード感あるゲーム。中華テイスト溢れるカードのデザインもかわいい。「ルールを読み込む必要もなく、ぱぱっと手軽に誰でも遊べます」。¥1,320(すごろくや)https://sugorokuya.jp
ウォンバット、かわいいけど憎い~!
「ウォンテッド★ウォンバット」プレイ人数:2~5人、プレイ時間:1~15分
裏返したカードをめくってそこに書かれた金額を当てる、坊主めくりのようなゲーム。「本当に単純なゲームなんですが、いざやると、ユルいウォンバットのイラストに一喜一憂させられるから不思議。1000ドルと言った後に1万ドルが出ると、競馬に負けた気分になります(笑)」。¥1,320(モブプラス Twitter@mobplus_mobgame)
かわかみ・たく 『本当に面白いボードゲームの世界』(太田出版)編集長。ボドゲの基礎知識を競う大会「ボードゲーム王選手権」で優勝した経験も。「でもゲームは弱い」とのこと。
※『anan』2023年5月17日号より。写真・土佐麻理子
(by anan編集部)