MF(ミッドフィールダー)・伊東純也
スピードに乗ったドリブルを武器に日本のW杯出場に大きく貢献した伊東純也。自身初となる世界の大舞台でも得意のドリブルで“ぶち抜く”という覚悟を固めている。
――伊東選手にとってW杯とはどんな大会ですか。
小さい頃から見ていた舞台ですし、サッカーをやっている人なら誰もが憧れる場所だと思います。普段サッカーは観ないけどW杯だけは観るという人も多いでしょうし、そういう大会に出場するチャンスを得られたのはすごく光栄なことだと思っています。
――記憶に残っている大会や選手を教えてください。
2010年南アフリカ大会の本田圭佑選手が一番印象に残っています。デンマーク戦で決めた直接フリーキックですね。ああいう姿にあこがれましたし、自分もW杯でチームの勝利につながるゴールを決めたいと考えています。
――今回のアジア最終予選では4試合連続ゴールを挙げるなど、チームを救う活躍を見せました。ここまでの自分の成長については?
前回のロシア大会が終わってから日本代表に呼ばれるようになって、ベルギーやフランスへ移籍して様々な舞台で経験を積み重ねたことで、いろいろな部分で成長できていると思います。ドリブルでの仕掛けだけでなく、チャンスメイクの形も増えてきました。
――伊東選手が日本代表でゴールを決めた試合は8戦全勝です。(※11月16日時点。)
そうなんですか? 全く知らなかったです。やっぱり攻撃的なポジションなので、チームを勝利に導くゴールを決められているとしたらうれしいですね。
――森保一監督からはどのような指示を受けることが多いですか?
攻撃に関しては細かい指示というよりも、ピッチのサイドにうまく張ってボールを受けて、思い切って仕掛けてほしいと言われることが多いですね。
――日本で応援している人たちも伊東選手がボールを持ったときの期待感は大きいと思います。
やっぱりドリブルで抜いていくところが一番分かりやすいと思うので、そういう場面をたくさん見せたいですね。
――特にどんなドリブルを見てもらいたいですか?
縦方向にぶち抜いたときが一番スタジアムが沸くんですよね。それが気持ちよくて。自分としては縦にぶち抜いて、そこから内側に切り込んでいくプレーを見てほしいです。ペナルティエリア内で斜めに入っていけばビッグチャンスになりますし、相手がファウルをしないと止められないくらい積極的に仕掛けていきたいですね。
――ドリブル突破のイメージから“イナズマ純也”というニックネームもつきましたね。
サッカー番組でいくつかの候補から自分で選んだんですけど、大学時代の自分の応援歌に“稲妻”というフレーズがあったので、いいなと思って。そうしたら意外に浸透しちゃいました(笑)。
――W杯のグループステージではドイツ、スペインという世界一の経験がある国と対戦します。
強い相手であるのは間違いないですね。ボールを持たれる時間が長くなると思うので、日本としては我慢強く守って、奪ったボールをいい攻撃につなげたいです。どんな相手でも自分の役割は変わらないので、サイドからどんどん仕掛けてチャンスメイクしたいと思っています。
――日本代表はベスト8以上という目標を掲げています。ご自身の意気込みを聞かせてください。
全員の力がうまくかみ合えばベスト8以上に進むチャンスは十分にあると思いますし、僕もチームの目標達成に貢献できるよう、どんどん仕掛けて結果で見せていきたいですね。
いとう・じゅんや 1993年3月9日生まれ、神奈川県出身。スタッド・ランス(フランス)所属。県立逗葉高から神奈川大へ進み、甲府、柏を経て海外移籍を果たした雑草系アタッカー。持ち前の自然体なスタイルと珍しいキャリアがバラエティ番組で特集されたことも。
FIFAワールドカップカタール2022
11月23日(水)22:00 日本 vs ドイツ
11月27日(日)19:00 日本 vs コスタリカ
12月2日(金)4:00 日本 vs スペイン
◎時間は日本時間
※『anan』2022年11月30日号より。写真・日本サッカー協会 Getty Images 取材、文・青山知雄
(by anan編集部)