肯定的な言葉が幸せな人生を作る!
「言葉によって人生は作られます。例えば『ありがとう、助かったよ』といった言葉を日々聞いて育った子には、感謝の気持ちと自己肯定感が自然と育まれるもの。大人になってからでも遅くはなく、言葉で人は変われます。マイナス感情を抱えている人が周りにいたら、相手への共感を示したうえで、思考がポジティブに切り替わるきっかけになる言葉を伝えましょう」
他者に向けた肯定的な言葉は、自分に返ってくるとも。
「ポジティブな言葉を口にすることで、前向きに考える脳ができ、物事の肯定的な側面を見られるようになります。肯定フレーズを自分自身に投げかけるのもおすすめです。癖にすれば、人生がより楽しくなりますよ」
コミュニケーションを円滑にする“声がけフレーズ”
褒め言葉や喜びの言葉は、良好な人間関係を築くための潤滑油。感情を表すひと言を加えれば、相手はより幸せな気持ちに。
相手を尊重する姿勢を見せるのが良好なコミュニケーションの基本。そのうえで、自分の感情を盛り込みながら、相手の存在意義を感じさせるフレーズを積極的に使いたい。
「褒めたり、感謝を口にしたりするのはいいことですが、取ってつけた言葉に聞こえてしまうことも。コツは主語を“あなた”にしたメッセージと主語を“私”にしたメッセージを組み合わせること。例えば単に『頑張ったね』と言うよりも『(あなたは)頑張っていたね。(私も)嬉しかったよ』と言うほうが心に届きやすい。人には自己重要感という、人に重要な存在だと思われたい本能的欲求があります。さらに、評価と感情をミックスさせた言葉で自己重要感を高めると、相手は気持ちよく会話できるようになり、距離を縮めることに繋がります」
友達との普段の会話で
その服、似合ってるね。私も好きだな。
褒められると承認欲求が満たされ、誰しも嬉しい気持ちに。「服、髪型、お店のチョイスなど、いいところを3つ探して言葉にするのを習慣にしましょう。その時なるべく詳細に言うと、本心から褒めていることが伝わります」(中島さん)
恋人との別れ際に
今日はありがとう。また明日から頑張れる!
別れ際の会話は、デートの余韻として印象に残りやすい。またすぐに誘いたくなるような言葉を選ぼう。「感謝の言葉とともに、ポジティブな自分の感情を伝えられたら最強です。相手の心に刺さり、さらに気持ちを高めることができるはず」
気になる異性に
○○の音楽聴かれるんですね。私もよく聴きます!
共通の話題があると心の距離が縮めやすい。「趣味が似ているというのはやはりポイントが高く、“好きなものが同じ”と伝えることで感情を揺さぶることができます。『やっぱりセンスいい!』と、さりげなく相手を褒めるのもいいでしょう」
頑張ってくれた後輩に
いつも頑張っているね。すごく助かっているよ。
結果ではなくプロセスにフォーカスするのがポイント。「例えば『この前のプレゼンよかったよ』というのは結果です。普段の頑張りをちゃんと見ているんだよ、と伝えれば、相手は存在意義を実感でき、より嬉しい気持ちになるでしょう」
初めての仕事相手に
今日はありがとうございました。ぜひ、またご一緒したいです。
仕事後に一通メールを入れておくだけで、思いやりが伝わる。「事務的になりがちな仕事メールですが、お仕事できて嬉しかった、という“想い”を伝えられるメッセージを。次からは、手紙のように季節の挨拶などひと言添えるのもおすすめです」
エレベーターで目上の人に
天気悪いですね。雨、大丈夫でしたか?
目上の人には、相手に気を遣わせないスマートな声がけをしたい。「相手がYES/NOで返答できるような、ちょっとした質問をすると気まずい沈黙も避けられます。さらに『大丈夫でしたか?』という問いかけで、気遣いを伝えられるとなお◎」
なかしま・てる 心理カウンセラー、自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。『自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)など、著書は累計販売58万部を突破。近著に『自分を取り戻すゆるい逃げ方』(学研プラス)が。
※『anan』2022年10月5日号より。イラスト・すやまゆうか 取材、文・間宮寧子
(by anan編集部)