電源、照明、火が使える卓上コンロは3大必需品。
最近、地震や大雨などの災害が増えていることから、防災ガジェットのニーズが高まっている。突然の停電などにも慌てず対処するために、危機管理アドバイザーの国崎信江さんに最低限準備しておきたいアイテムを教えてもらった。
「ライフラインのうち供給が止まっていちばん困るのが電気です。スマホやPCの充電ができるものはマストで用意しておきたいところ。ポータブル電源なら、電化製品のバッテリーにもなり重宝します。また、明かりを確保できる乾電池式の照明器具や、ガスボンベを燃料にして火が使える卓上コンロも1台持っておくと安心です」
持ち運びに便利なコンパクトなもの、シンプルな操作性など、使い勝手の良いアイテムが続々登場しているが、防災ガジェットを選ぶ際に注意しておきたいことは?
「さまざまな企業が参入し、全体的に価格が下がってきて買いやすくなっています。しかし有事の際に使うものなので、価格だけではなく、安全性&クオリティを重視し、アフターサービスがしっかりしている、信頼のおけるメーカー製を選ぶべき。ただ揃えるだけでなく、いざという時にちゃんと使えるように定期点検も大事です。だから防災用と考えずに、日常生活やキャンプなどのアウトドアシーンでも便利に使えて、万が一の備えにもなるという視点で日ごろから役立てられるものを選ぶと、賢く長く使い続けられます」
おすすめ防災ガジェット1:電源
大容量のポータブル電源とソーラーチャージャーは、アウトドアでも活躍。スマホの充電ができる多機能な防災ラジオは、普段は目覚まし用に!
CITIZEN「防災クロック」
ラジオ、スマホ充電、ライトなど多彩な機能を搭載。手回し発電も。
本体とスマホをUSBケーブルで繋いで、内蔵のニッケル水素電池や単3乾電池から直接充電できる。予備の乾電池がない場合は、裏面のハンドルを回せば内蔵電池に充電できる優れモノ。繋がりやすいワイドFMも聴けるラジオや、側面にはライトも。「普段は目覚まし時計として使えます。どんな部屋にもなじむ、シンプルなデザインが素敵です」。¥11,000(リズム TEL:0120・557・005)
Anker「PowerSolar 3‐Port 100W」
ソーラーエネルギーで充電&給電。停電が長引いた時の強い味方!
「ポータブル電源への充電に最適なソーラーチャージャーは、数日間停電が続いたり、本格的なキャンプでも電池切れの心配不要です」。広げるだけで単結晶パネルが太陽の光を吸収し、短時間でも高効率でソーラー充電が可能。パネル連結部に太陽の位置測定器があり、最適なパネルの向きが分かる。折りたたみ式で収納場所にも困らない。¥29,800(アンカー・ジャパン TEL:03・4455・7823)
Anker「535 Portable Power Station」
一般的なポータブル電源の約6倍の長寿命バッテリーを搭載。
4つのACコンセントや4つのUSBポートなどを備え、最大500Wの出力で9台の機器を同時に充電&給電できる。安全性と電池寿命に優れたリン酸鉄リチウムイオン電池の中でも特に高品質なバッテリーセルを採用、本体へACアダプターとUSB急速充電器から同時充電すれば、2時間30分で80%まで充電可。「LEDライトが照明にもなって便利」。約7.6kg。¥59,800(アンカー・ジャパン)
おすすめ防災ガジェット2:照明
広範囲を明るく照らせるランタンなどの置き型ライトと、首から下げたりハンズフリーで使えるヘッドライトを揃えておこう。
パナソニック「強力ランタン(でかランタン) BF‐BL40K」
長時間の連続使用に強い、懐中電灯にもなるLEDランタン。
パナソニックの乾電池式ライトの中でNo.1の明るさ。LEDを使用することで、最長約1500時間の連続使用が可能。明るさも4段階から選べ、ワンタッチで調光操作ができる。ランタンとしてだけでなく、ハンドル付きなので懐中電灯にも。「食事や細かい作業もストレスなく行え、停電時の心細さも解消してくれます」。¥4,980*編集部調べ(パナソニック TEL:0120・878・698)
GENTOS「ヘッドライト VA‐05D」
楕円形の照射面を採用。周辺をワイドに照らしてくれる。
楕円形のヘッドに、白色LEDと暖色LEDの2つのライトを搭載。いちばん明るい白色LEDのハイモードなら最大66mまで照射でき、広範囲を3.5時間照らし続けられる。暖色LEDだけなら74時間連続使用可。ヘッドは上下80度まで角度調整できるので、好きな位置に明かりを照らすことも。重さも81gなので、長く身に着けていても負担が少ない。¥3,278(GENTOS TEL:0120・73・1668)
WAGAN「FRED LIGHT PRO」
自宅や車など、シーンを選ばずタフに使えるパワーライト。
懐中電灯や非常灯になる万能LEDライト。マグネット付きで車体に貼り付けたり、フックで吊り下げたり、服や鞄に付けたりとあらゆるシーンで活用できる。「回転灯や点滅灯に切り替えられるので、災害時や、車での事故の際に周囲に光で知らせられて安心です」。最大100時間連続で使用可。重さ317gながら耐荷重500kgを誇る。各¥4,400(シーバスリンク ask@seabass-link.co.jp)
国崎信江さん 危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。地震調査研究推進本部政策委員会など、国や自治体の防災関連の委員を務め、現在は講演活動を中心に、さまざまなメディアに情報提供を行う。生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱。
※『anan』2022年6月8日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)