先端恐怖症/Sentan/チャンネル登録者数 20.3万人
・初めてのゲーム体験は?/お兄ちゃんがプレイする『バイオハザード2』を隣で見る
・一番熱中したゲームは?/『実況パワフルプロ野球』シリーズ
・ゲーム選びのポイントは?/視聴者のコメントを参考にする
・配信のターニングポイントは?/『スプラトゥーン』
・1日のゲーム時間は?/5時間
敵の立場に立って戦う、対人ゲームの面白さ。
昨年の小誌トレンド大賞特集にも登場してもらった先端恐怖症さん。そのときは人狼ゲーム『アマングアス』の話が中心だったけれど、『CoD』や『PUBG』『APEX』といったバトルロイヤルゲームの実況でもお馴染みだ。その歴史を振り返ると、最初に遊んだのはPS2の『実況パワフルプロ野球8』だったという。
「“サクセス”というモードで、自分だけの野球選手を作ることができるんです。好きな漫画のキャラクター名を付けて、ポジションを決めて、筋肉量や運要素を操作して。ショートが好きでしたね。守備の華だし、一番カッコいいなあって。ショートだけど、筋肉量を上げてムキムキにして(笑)」
ゲームを色々と買ってもらえる環境ではなかったから、手に入れたらとことんやり込んだ。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の2大シリーズは、周りの友達も含め、機会がなくてプレイしていないらしい。
「好きなのはシミュレーション。『ザ・コンビニ』で商品の価格を通常の1.5倍にして、詐欺まがいの方法で儲けてました(笑)」
友達と『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』を遊んだこともある。ゲームキューブとゲームボーイアドバンスを有線で繋ぐと、同じ画面で各々のキャラを動かすことができたのだ。
「ヘタくそだったのと、僕のケーブルの接触がめちゃくちゃ悪かったせいで、“あとで生き返らせてやるからとりあえずやられとけ”って言われて。ボス戦だけ生き返らせてもらうっていうひどい扱いを受けてました(笑)」
その後、『バイオハザード5』で初めてオンラインゲームの面白さを知ったという。
「ストーリーモードで、知らない人のプレイを手伝ってました。チャットをタイプしてたら間に合わないんで、シグナルで“カモーン!”って。普通に生きてたら出会わない、言語が違う海外の人とゲームができるのが新鮮でしたね」
続いてプレイしたのが『CoD』のモダン・ウォーフェア2。8年間ずっとやり込むほどに夢中になり、「対人ゲームじゃないと意味がない」とまで思うようになったという。
「スポーツと一緒で正解がないんですよね。相手もいろんな戦術を駆使してくるので延々楽しめる」
実況は2013年に始めた。
「どこの誰かもわからない人の声を聴きながらゲームを見るって素敵だなと思ってたんです。そういう楽しみ方もあるよねって。小さい頃、自分もお兄ちゃんがゲームするのをずっと隣で見ていたし、どこか懐かしい感覚もありました。それで、ちょうど遊んでいた『みんなのテニス』を実況したら、“つまんな”ってコメントが付いて(笑)。でも反応があること自体が面白くて、動画をアップし続けました」
最初に反応がいいなと思ったのは『スプラトゥーン』だった。2010年代中盤から、一人になるまで戦い続けるバトルロイヤルゲームが一気に流行し、『スプラトゥーン』はその大きな担い手となった。実は先端恐怖症さん、2015年には「スプラトゥーン甲子園中国地区大会」でチーム優勝を果たした実力の持ち主でもある。
「“スプラトゥーン実況者”という位置づけにしてもらえたのは大きな転機だったと思います。『スプラトゥーン』はTPS(三人称視点シューティングゲーム)ですが、FPSもTPSも敵の立場になって、相手がどう動くか予測して戦うことが大事。マップを先に覚え、相手の強いポジション、弱いポジションを頭に入れてパターン化する。僕はFPSの『CoD』を長くやってきたので、その経験を活かせたんです」
実況では流行のゲームもレトロゲームも幅広くプレイする。心がけていることは?
「ゲーム実況は脇役で、主役はあくまでゲーム。そのゲームを作ってくださった制作者さんへのリスペクトを忘れないように、引き立て役になれるように、というのは必ず意識してます。開発者さんあってのゲーム実況なので、いちゲームファンとしてもその気持ちは大切にしていきたいです」
大切なゲーム
『実況パワフルプロ野球8』
KONAMIから発売されたPlayStation 2用野球ゲーム。サクセスモードでは今作より二刀流投手の作成ができるなど、新たな仕様が多く追加された。2001年発売。
一般社団法人日本野球機構承認
©Konami Digital Entertainment
せんたんきょうふしょう 2013年にYouTubeチャンネルを開設。『スプラトゥーン』の実況で人気をはくし、現在は人狼系を得意とし『アマングアス』をほぼ連日プレイ。マスク姿で「踊ってみた」動画をアップすることも。愛称は「せんたん」。
◎登録者数は1月20日現在
※『anan』2022年2月9日号より。イラスト・望月けい 取材、文・飯田ネオ
(by anan編集部)