冷えの原因は血行不良かも!? お風呂でできる簡単“血管マッサージ”4選

ライフスタイル
2021.12.18
カラダが冷えている原因は、ひょっとしたら外的要因ではなく血管の問題かもしれません。温活にとって実は重要な毛細血管を整えるためのバスマッサージについて解説します。ゴースト血管の名付け親で20年もの間、血管の研究を続ける大阪大学微生物病研究所の髙倉伸幸さんにお話をお聞きしました。

血流を活性化! バスマッサージを始めよう。

バスタブの中で10分以上を過ごしてポカポカになったカラダは心なしか、いつもよりやわらかい。その瞬間こそが血管へアプローチをかけるチャンス! 芯まで温めて健康な血管を手に入れよう。

「巡りが盛んになっている入浴中はマッサージにうってつけの環境です。自分の手でカラダを触るのは血管を活性化するだけでなく、リラックス効果も高めてくれますよ」

浴槽の中で血流を促しておきたいパーツを挙げていただいた。

「リンパ管の発達した首、動脈にダイレクトに働きかける腕、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎ、冷えを感じやすい足先の4か所を狙うといいです。皮膚の上から骨に沿って、手のひらでなでるようにマッサージをします。決して力任せに揉まないように。この“血管マッサージ”を考案した妹尾左知丸先生は、20年近く実践され、90歳を越えてもハツラツとされておられたようです」

首:スマホやPCの眺めすぎで発生するコリも解消!

画面に釘付けになるあまりにうつむき姿勢で過ごす時間が長い人は要注意! 首筋がガチガチになると片頭痛を引き起こす要因にもなるそう。

「耳下の周辺には自律神経の通り道であるリンパ管と毛細血管が密集しています。そのため巡りが滞ると疲労物質が蓄積されて、心身への不調が出やすくなります。頭痛は最たる例です。溜まった疲れやストレスはその日のうちに取り除くのが理想。毛細血管のゴースト化も招くのでこまめにケアをしてください」

巡りの要である耳下から鎖骨に向けて手を滑らす。

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「人差し指から小指の4本の指の腹で耳下から鎖骨に届く辺りを10回ほどなで下ろします。軽さが出てきたらうなじへ移行。頸椎に沿って少し力を入れてほぐします。コリが取れていく感覚を得られたらOK。こちらも10回くらいが目安」。この動きで、リンパと血液の2つの流れを整えていくため、むくみも素早く解消されていく。湯上がり後に鏡を見ると、ほっそりとした首筋に出合えるかも。

腕:家事や仕事などで頑張る腕をいたわると、血管力も向上。

「腕には骨に沿って4種の動脈が流れています。皮膚と血管の距離も近く、マッサージで血管のポテンシャルを上げやすい部位でもあります」

朝のメイクタイムから始まり、家事、仕事中など肩から腕は常にフル回転で動いているため滞りが起きにくいが、毛細血管が張り巡らされている手や指は冷えを感じやすい。

「心臓から送られる新鮮な血液を末端まで届けるためにも、中間地点となる腕のケアは重要。腕のだるさが抜けるにつれて、指先もポカポカに」

骨を丁寧になでると血流もじわじわアップ。

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「右腕の手首の内側に左手の人差し指~小指を当てて、上腕に向かって10回ほどなでます。次は腕の外側に人差し指~小指を沿わせて、同様の動きを繰り返します。続けて左腕も。骨と密接した動脈にダイレクトに働きかけているため、毛細血管をアクティブに。ただし、ワクチンを接種した後など炎症がある状態のときは、血流を促すとさらに腫れる可能性もあるため、マッサージは休みましょう」

ふくらはぎ:パンパンに膨れてしまうのは血管からのヘルプサイン!?

リモートワークで歩数が減った途端に、足がつる。立ち仕事によるむくみが絶えない。といったトラブルの根幹にも血行不良による冷えがある。

「脚は体内で最も毛細血管が多い場所であると同時に、老廃物やCO2を運ぶ静脈も発達しています。ただし、健常な静脈内では逆流を防ぐシステムが働いているため、巡りに影響は少ないです。それが、加齢や生活習慣によって弁の機能が落ち始めると滞りが発生して、冷えやむくみを感じるようになるのです」

流れに勢いをつけるようにグッと引き上げる。

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「足首の裏側と手のひらがぴったりとくっつくように、握ります。手を押し当てながら膝裏に向かってゆっくりと滑らせていきます。膝裏まで行き着いたら手を足首に戻して、10回ほど繰り返します。鈍くなっていた血流も刺激を受けて、フル稼働するようになります。脚と同じ側の手で握ると力が入りやすいです」。血流を活発にすることでスッと美しい脚へと生まれ変わる!

足先:氷のようなつま先を熱源に変えるには?

“冷え”の本拠地と呼んでも過言ではない足先も、血管に刺激を与えることによってホットスポットになっていく!

「カラダの中で最も心臓から離れているために、温度の低い血液が届けられがち。冷えやすいのは自然の摂理でもあります。温かい血を素早く行き渡らせるには全身の循環の良さが重要です。その一環として足先のコリをほぐしておくのも有効です。日常で動かすシーンが少ない足指は固まっているという人も多いので、入念にチェックしましょう」

足指をしっかりつまんで1 本ずつ引っ張って回す。

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「右足の指を左手の親指と人差し指で持ち、引っ張ります。関節が伸びた感触を得たら、そのまま足の指を1本ずつ左右に2~3周ほどぐるりと回します。刺激を受けた動脈に連動して毛細血管にも流れが生じるようになります。これを行うと手の指のほうも温まってくるので末端冷え対策にもおすすめ。2~3セットが目安ではありますが、足の指がポカポカしてくるまで繰り返すと効果的です」

足首を握ったら勢いよく足をブラブラ~!

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「つま先がぬくもりを感じられるようになったら、両手の指で足裏の中央をかかとから指に向かってしっかりと押していきます。3~4セット行うと足全体が軽やかになってきます。その後は足首を手で握って足を10回くらいブラブラ揺らします。揺らす足と同じ側にある手で持ったほうがしっかり固定できます」。終了する頃には汗がにじむので、リフレッシュ作用も期待できる。

髙倉伸幸さん 大阪大学微生物病研究所情報伝達分野教授。組織再生やがん組織における血管研究が専門。著書は『ゴースト血管をつくらない33 のメソッド』(毎日新聞出版)ほか。

※『anan』2021年12月22日号より。イラスト・かざまりさ 取材、文・松岡真子

(by anan編集部)

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