人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。美内すずえ先生といえばやはり『ガラスの仮面』。いまだ続く物語、その裏側には何があるのか。第3回は、そんな『ガラスの仮面』のお話、そしてアイデアの源についても伺いました!
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45年経ってもまだ物語が終わらない理由は…。

1976年に連載を始めた『ガラスの仮面』ですが、実は最初は2年程度で終わるつもりでした。もともと私は描きたいことがいろいろ浮かんでしまうタイプで、『ガラス~』に関しては演劇の話なので、いわゆる“劇中劇”がたくさん出てくる。実は私、劇中劇は脚本から書き、舞台装置や美術、そして“いつライトが暗転して…”などの演出を考えてから、マンガの中に落とし込んでいるんです。そんなことをやってたら、とても2年じゃ終わらないですよね…(苦笑)。連載が始まって10年目あたりで、「これはやばいぞ」と、ペースの遅さにやっと気が付きました。

この間も、「自分はもう70歳なので、そろそろ完結してください」というお便りをいただき、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、結末も決めてますし、最後のシーンのセリフや絵は浮かんでいます。少しずつですが描き進めていますし、必ず単行本は出しますので、もう少し待っていてください!

壁を越えた先に、物語が待っている。

物語を考えるときに大切なのは、集中力。私はよく“壁を1枚越える”と言うんですが、頭の中にある雑念を取り払い、頭が空っぽになると、目の前の壁が消えて、その向こう側にずんっと入れる瞬間がくる。そうすると映像が見えてきて、主人公たちが勝手に動いたり、喋ったりしてくれるんです。あとはもう、自動書記のようにそれを描き写せばいいだけ。また突然脈絡もなく一枚の絵が浮かぶこともあります。例えば、“大勢が出演する劇なのにみんなが出られなくなり、一人で舞台に立つと決めた主人公の目の前で幕が開きそうになっている”絵が突然出てきたり…。「なにこの絵、面白そう!」と、その絵を描きたいがために前後の物語を考えることもあります。

いいアイデアが浮かんだときの私は、アスリートの方の“ゾーンに入る”状態に近いかもしれません。ただ、そこにたどり着くのがなかなか大変。昔は10時間以上喫茶店で粘るなんてこともザラでした(笑)

みうち・すずえ マンガ家。1951年生まれ、大阪府出身。’67年デビュー。代表作に『妖鬼妃伝』『ガラスの仮面』など。公式サイト「オリーブの葉っぱ」内のキャラクターインタビューは必読。

※『anan』2021年12月22日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

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