安らぎを届けてくれる、“手作りもふもふ”の力。
クリエイターが作る手作りぬいぐるみの人気が一気に盛り上がった今年。それを象徴しているのが、昨年ananに登場し、もふもふ好きの心を一気に奪ったJUNK FOOD OPERAの〈クオッカちゃん〉のマスコット版の発売。手作りゆえに数が少なく、“レアぬい”だった〈クオッカちゃん〉でしたが、店頭やネットで購入しやすいマスコット版が登場したことで、より多くの人の手に渡り、魅力が拡散。作家ぬいぐるみの人気を象徴する印象的な出来事でした。制作者のハタヤエリさん曰く、
「今年に入り、思わぬ方の家にクオッカちゃんがいるのをSNSで何度も見かけました。制作を始めた頃には想像もつかなかったことがたくさん起こり、毎日びっくりしながら過ごした一年でした(笑)」
コロナ禍2年目、制約の多い生活に疲れた人も多い年でしたが、ぬいぐるみが心を癒す役割を果たしていたのかも、という声も。
「家にいる時間が長くなったことと、ぬいぐるみ人気の上昇は関係があるのかな、と思います」
と言うのは、〈はずかしがりっこ〉を作るトモタworkさん。
「よく“ぬいぐるみに癒される”と言われるのですが、私自身嫌なことがあったとき、もふもふの生地やぬいぐるみにふれると、少し心が和らぐ気がします」(空想アパートメント・カネヒラさん)
今回紹介している作家の皆さんはいずれも、ツイッターなどSNSを通じて情報発信し、BASEなど個人で開設できるネットショップでぬいぐるみを販売。そういったウェブの仕組みを使い個人で発信&販売ができるのも、作家ぬいぐるみ人気が盛り上がった一因。
「〈牛乳のぬいぐるみ〉を初めて作ったときにSNSに投稿したのですが、それをたくさんの方に話題にしていただき、皆さんぬいぐるみが大好きなんだなぁとびっくりしたのを覚えています」(求心フレンズさん)
クリエイターの手で作り出されたかわいいぬいぐるみが、ネットを通じてたくさんの人に発見され、いろんな人の手に渡る。そして各地で、愛と癒しを生み出した、そんな2021年。
「ネットを見ていると素敵なぬいぐるみ作家さんがたくさんいて、シンプルなデザインから手が込んだものまで、いろんなぬいぐるみが溢れていて嬉しくなります。このまま世の中がぬいぐるみに埋もれ、平和になればいいのに…と思います(笑)」(aska.さん)
JUNK FOOD OPERA
あのクオッカちゃんが小さくなってみんなの元へ!
この夏発売された「クオッカちゃんわくわくおでかけマスコット」。各¥748(プレステージ http://www.prestage.co.jp)。一番右の〈あざらし(?)みたいな子〉は、「あざらしを作ろうと挑戦したら、不思議な生き物が爆誕…」とのこと。今後商品化の可能性も…。(JUNK FOOD OPERA @junkfoodopera)
空想アパートメント
今までにないモチーフたち、もはやこれは“もふもふアート”。
「いったいこれは何…?」という困惑と、「でもかわいい…!!」という興奮に襲われる、空想アパートメントの作品。カネヒラさんが作る作品はモチーフがとにかくユニークで、左からスーパーコンピューター富岳、山、レモンの赤ちゃん、信楽焼のたぬき、BONSAI。11/13より大阪で個展を開催予定。(カネヒラ @simainusima)
aska.
すべて指でつまめるミニサイズ。上目遣いと前歯がチャーミング。
手のひらにすっぽり収まる超絶ミニサイズのぬいぐるみを作るaska.さん。もともと主役より脇役やライバルに惹かれるタイプで、そんなモチーフがたくさん。実物の精巧さと愛らしさはため息ものです。左から、三角コーン、蛇口、木彫りの熊、張子虎、サインポール、タバコ。(aska.|ちいさなぬいぐるみ作る人 @tick_n_tack)
求心フレンズ
まさかのビニール×もふもふ! つぶらな瞳の求心顔にきゅん。
食べ物モチーフの作品が多い求心フレンズ。ビニールなどの異素材の組み合わせで、かわいさとおいしさを表現するところも個性的。左から、アメリカンドッグのぬいぐるみ、牛乳のぬいぐるみ、プロセスチーズのぬいぐるみ、鈴カステラのぬいぐるみ、ピスタチオのぬいぐるみ。(求心フレンズ @inutte_iina)
トモタwork
照れたような表情と仕草…。はずかしがりっこ大集合。
手を顔に当てる仕草とはにかんだ表情がかわいすぎる、トモタworkさんのぬいぐるみ。ラッコのグルーミング動画に刺激され、創作を始めたそう。左から、「はずかしがりっこ ねずみ(gray)」「はずかしがりっこ りす(gray)」「はずかしがりっこ いぬくま(light brown)」「はずかしがりっこ いぬ(beige)」(トモタwork @tomotawork)
※『anan』2021年11月17日号より。写真・内山めぐみ
(by anan編集部)