正しく洗えてる? 意外と知らない、洗濯の基本のキ
「普段からみなさん何気なく洗濯していますが、その方法は人それぞれ。思い違いをされていることも多いんです」と中村さん。仕事で多忙なアン子さんの洗濯ライフをチェックしながら、まずは洗濯の基本をしっかり押さえましょう。
【1】自宅で衣類を洗う前には必ず洗濯表示の確認を。
家庭で洗濯できる服か否か。洗濯前には衣類に付いている洗濯表示を確認することが大前提。「注目すべきは左の桶マーク。×印が付いていなければ、洗濯機や手洗いによる洗濯が可能。チェックを怠ると、色移りや縮みなどの失敗にもつながります」(中村さん)
桶マークの下の「―」は、数が増えるほど洗濯機での水流を弱くするということ。ない場合は通常の強さでOK。桶の中の数字は洗濯液の上限温度。
【2】洗濯前の衣類の保管は通気性の良いカゴで。
そもそも湿度が高く、空気もこもりやすい洗濯槽の中。そこに汚れた洗濯物をためると洗濯槽にカビが繁殖し、雑菌が衣類にも付着してニオイの原因に。「洗濯前の衣類をためるなら、シリコンやプラスチックなど、カビない素材のメッシュの洗濯カゴへ。湿っている衣類は、ハンガーなどに掛けて乾かしてから。脱衣所のスペース的にカゴをいくつも置けない場合は、洗濯ネットで標準洗いの白いもの、色物、手洗いを分別するのも手」
【3】ニオイやゴワつきは柔軟剤の使い方を見直して。
柔軟剤をたっぷり使うと、衣類はよりふんわり、いい香りになるというのは思い込み。「実は、すすぎ1回など十分に汚れが落とし切れていない状態で柔軟剤を使っている場合は逆効果。ニオイの原因の汚れはどんどん蓄積されていきます。むしろ柔軟剤の1回の使用量を減らしたり、使用頻度を2回に一回にするなど控えめにした方がいい。特にタオルは、気になる生乾き臭やゴワつきが解消され、吸水性も復活してきますよ」
【4】洗濯ネットは目が細かくジャストサイズのもので。
洗濯機でおしゃれ着を洗う時には、洗濯ネットを使うこと。基本的には洗濯ネット1枚につき、洗濯物は1枚。できるだけ目が細かく、軽く畳んだ洗濯物にぴったりサイズのものを選んで。「ネットが大きすぎると、中で摩擦を起こしてかえって生地を傷めることも。余裕がありすぎる場合は、ゴムで縛って隙間を調整してください」
【5】平干し用ネットに代わる簡単アイデア実例。
ニットを干す時に、あると便利な平干し用ネット。でも、手持ちのハンガーなどを使って、簡単に代替アイテムをアレンジすることも可能。「重要なポイントは、ニットの重さを分散させること。誰でも真似しやすい、おすすめの2つのアイデアを紹介しましょう」
ハンガーを2本用意し、一本にニットを二つ折りで掛け、両袖をもう一本に引っ掛けます。ロングニットの場合は、身頃を掛けるハンガーを2本に。
100円ショップなどで購入できるワイヤーネットを、パンツハンガー2本で吊るすだけ。使わない時は隙間に立て掛けられ、収納場所に困らない。
なかむら・ゆういち 長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。洗濯から考えるよりよい暮らしの提案を行い、「衣・食・住」における「衣文化」の革新に取り組む。「洗濯王子」の愛称で各種メディアに多数出演。
※『anan』2021年3月17日号より。写真・北尾 渉 漫画・サヲリブラウン 構成、文・野尻和代
(by anan編集部)