年上の人、憧れの人とも言葉のプロレスを!
動画配信ならではの自由さで役者のときとは違う一面を見られる「リュウチューブ」は、神木さんの愛され具合も伝わってくる。
「声優の梶裕貴くんとコラボさせてもらっているんですけど、梶くんとはある番組で共演して、その日のうちに焼き肉を食べに行って仲良くなりました。役者でも違う職業でも梶くんみたいに仲のいい人はたくさんいますが、『面白いことを一緒にやりたいよね』とお互いに話しても、仕事となるといろんな人が関わるし、タイミングを合わせる必要があるから、実現が意外と難しかったりする。だけどそれを垣根と思ってしまうのはもったいないですよね」
たしかに「今度一緒に◯◯しよう」は、社交辞令のような意味合いもあったりするので実現できるほうが少ないかもしれない。それでも「神木さんとなら」と思わせるのは、愛されているからこそ。
「エンターテインメントが人を喜ばせたり、楽しんでもらうためにあるものだとしたら、どんな職業もその要素を持っていると思うんです。役者はもちろん、写真家や音楽家、ビルを造る人もそう。農家の方だって、おいしいと思ってもらいたくて一生懸命作るわけですよね。エンターテインメントで世の中が回っているなら、職業の壁や垣根なんて関係ない。楽しんでもらいたい、幸せになってもらいたいっていう思いのある人が、もっと自由につながっていけばいいですよね」
25周年を記念したアニバーサリーブック『おもて神木/うら神木』には、親交の深い同世代の人たちとの対談のほか、錚々たる役者やクリエイターからコメントが寄せられている。作品ごとに共演者やスタッフなどメンバーが入れ替わる撮影現場で、神木さんはどのようにしてそういった人たちの懐に入っていくのだろう。
「憧れている人だったら、『本当にお会いしたかったんです』と素直に言います。緊張しすぎて何も言えないようなときは、正直にそう伝えます。緊張するのは別に恥ずかしいことじゃないし、こっちが何も言わなかったら相手はわからないから。あと年上の人でも、ボケたらちゃんとツッコみますよ。そこは全然怖くないし、スルーして“ボケ殺し”になるほうが逆に失礼なので(笑)。ボケるのは、僕に近づいてきてくれている証拠だから、言葉のプロレスをするような感覚で、ここぞとばかりにツッコまないと! やっぱりその場が楽しくなるのが一番ですよね」
何気ない会話でも、みんなでひとつの目標に向かうときも大切なのは、周りも自分も楽しむこと。
「今は自分ができるエンターテインメントを手の届くところからやっていきたい。そのなかで得意なのが演技という感じ。自分が楽しくなかったら、受け取る人に楽しさなんて伝えられないですよね」
25年という経験の重みを「得意なこと」と言ってしまえる軽やかさ。そんなところも、神木さんの愛される理由なのだろう。
『おもて神木/うら神木』発売中。俳優としての“おもて”と、27歳の男性としての“うら”の2つの面から、25年間の歩みをひもとくアニバーサリーブック。染谷将太、中村隼人、志田未来、本郷奏多との対談のほか、母へのインタビュー&親子ショット、錚々たる著名人からのメッセージなどを収録。[限定版]特装BOX&メイキングDVD付き¥4,500 [通常版]¥3,000 株式会社アミューズ販売サイト:「アスマート」https://www.asmart.jp/
かみき・りゅうのすけ 1993年5月19日生まれ、埼玉県出身。近年は舞台への出演やMVの監督・プロデュースでも才能を発揮。デビュー25周年記念プロジェクトを始動中。YouTube公式チャンネル「リュウチューブ」は毎週木曜20時配信。
ドリズラージャケット¥55,000 スラックス¥24,000(共にピーイーオーティーダブリュウ エージー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575) シャツ¥24,000(キクス ドキュメント.) スニーカー¥24,000(トス) 共にHEMT PR TEL:03・6721・0882 ソックスはスタイリスト私物
※『anan』2020年10月14日号より。写真・松田 拓 スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・MIZUHO(vitamins) 取材、文・兵藤育子
(by anan編集部)