人の心の内を理解する難しさを知る。
『人の心は読めるか? 本音と誤解の心理学』 ニコラス・エプリー 波多野理彩子・訳
シカゴ大学ビジネススクール教授が対人関係を向上させる方法を説く。「『読心術が使えたらいいのに』と多くの人が一度は思うはずですが、人は相手をほとんど理解できていないことに驚かされます。理解できているという過信がいかに危うくて、相手に関心を持って思いに耳を傾けることがどれだけ大切か、考えるきっかけになります」。ハヤカワ文庫 860円
仕事にも活きる、他者を知り、情報を疑う力。
『いのちの食べかた』 森 達也
ドキュメンタリー作家が、食べ物と命の関係から差別問題に斬り込む。「ビジネスで突出したアイデアを生む、自分の頭で考え、今まで受け入れてきたことを根底から疑うことの大切さを知れます。対人関係でも相手のイメージやありふれた情報から固定観念を抱いてしまいがち。他者に興味を持ち、相手のことを知ろうとする姿勢になれます」。理論社 1000円
チャーミングに本音を伝える技術を伝授。
『「本音で話す」は武器になる』 角田陽一郎
『金スマ』などを手掛けたテレビマンが、本音を言い合えるコミュニケーションの利点とその方法を解説。「組織では、多かれ少なかれ建前が求められますが、本書ではそもそも本音とは何かという本質的な問いから、本音でぶつかって得した実例、逆に、言えず損したエピソードも紹介。自分の意見を伝えるのが苦手な方におすすめ」。PHP研究所 1400円
解釈できない人生の断片を集めたエッセイ。
『断片的なものの社会学』 岸 政彦
沖縄をメインフィールドにする社会学者が、個々の多様な人生を見つめる。「価値観が多様化する現代では、自分の正義と他者のそれが同じではないことに気づかせてくれる名著。ビジネスの場においても、自分の信念に従い、意見を伝えるのが果たして正解なのか。意見がぶつかり悩んだ時などに、この本が静かに寄り添ってくれます」。朝日出版社 1560円
本音を引き出し、意見を通す25のメソッド。
『博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。』 ひきたよしあき
著者は、大手広告代理店でスピーチライターとして活躍する言葉のプロ。「成果を上げているビジネスパーソンが自然とやっているのが、質問。会議、企画、プレゼン、営業などあらゆるビジネスシーンで不可欠な質問力の高め方を学べます。特に、入社から数年が過ぎ、仕事にマンネリを感じて、緊張感が薄れてきている人におすすめ」。大和出版 1500円
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チームにおける理想的な上下関係がここに。
『イタリアンレストランLIFEのよく遊び、よく働く 世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』 相場正一郎
イタリアンシェフが、東京を代表する人気店を作り上げるまでの10年間を綴る。「“仕事を通じて学んでほしいのは、社会の中で自分の役割を見つけること”と著者。実際、自分の立ち位置や協調性を学んだスタッフは数年で自分の店を構えるまでに成長し、独立。職場における理想的なチーム作りに応用できる考え方に富んでいます」。筑摩書房 1400円
北村 祐さん 『SPBS TORANOMON』店長。SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSによる、ビジネスパーソンのための学びがテーマの新店に勤務。キーワード別に書籍を、ビジネスシーン別に文具や雑貨を選定。
※『anan』2020年6月3日号より。写真・大内香織 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)