龍神の化身×カタブツ小学生!? 愛らしいボーイミーツガール漫画

エンタメ
2019.11.26
龍神の化身の少女と堅物(カタブツ)小学生、ふたりの微笑ましく愛らしい交流を描いた漫画『龍神かごめちゃん』。著者・松尾あきさんに話を聞きました。

龍神の化身の少女と、堅物(カタブツ)小学生。ラブリーなボーイミーツガール物語。

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主人公の殿田勘九郎は、奔放な姉の三菜とふたり暮らし。姉の素行不良の反動か、小学生にして<真面目に堅実に正しく生きて…立派な大人になるんや>と自分に誓うようなきまじめ小学生だ。ある日、瀬田川にかかる唐橋の下で見知らぬ少女に出会う。<わらわなぁ かごめって言うねん>と自己紹介した少女は、実は自分は呪いで少女に姿を変えられた龍神の化身で、行くところもないという。行きがかり上、勘九郎は和服姿の黒髪の少女を家に居候させることになり…。

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ふたりの微笑ましく愛らしい交流を描く『龍神かごめちゃん』、その著者が、松尾あきさん。

「ネームがなかなか通らなかったころ、親しいアシスタント仲間に『地元の何かで描いてみたら』と勧められたんです。通っていた高校の近くにあった唐橋は滋賀の名所でもあり、僕自身もなじみ深い場所。それをモチーフにしようと調べているうちに龍神伝説を知り、今回のような設定が浮かびました」

人間界の暮らしや事情に明るくないかごめちゃんだが、ウインナーが気に入ったり、フラッシュモブに挑戦したり。もっとも、天然すぎて周囲とズレることも。それを、持ち前の正義感と優しさでフォローするのが勘九郎。関西弁でのふたりの掛け合いが、可笑しいやら愛らしいやら。

「『ケロロ軍曹』や『うる星やつら』『じゃりン子チエ』など、読んできた作品に感化された部分がにじんでいるなとは感じます。僕自身、大きなスペクタクルより、日常のささやかな人間関係のマンガが好きなんですよね。ギャグに関しては、小さい頃から見ていた吉本新喜劇の影響が、潜在的にあるかもしれません」

描きたいのは、ほのぼの可愛いだけではない世界だという。

「たとえば人物の表情も、喜怒哀楽を豊かに、人間くささや愛嬌を前面に出す意識で描いています。その方が、ここぞというときに思い切り可愛くしたアップなども生きてくると思うので」

川の水を口からダバダバ吐き出したり、人を宙に浮かせたり、神がかった異能も発揮。龍神たるかごめちゃんは、いつかもとの姿に戻って川に帰っていくのだろうか。まだ松尾さん自身も結末は曖昧だというが、しばらくはかごめちゃんと勘九郎の可愛い丁々発止を楽しみたい。

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松尾あき『龍神かごめちゃん』 1 日本の名橋の一つ、滋賀県「瀬田の唐橋」。龍神伝説のある瀬田川の橋の下で、可愛い龍神と出会った小学生の勘九郎。姉とかごめちゃんとの同居生活が始まる。秋田書店 600円 ©松尾あき(秋田書店)2019

まつお・あき マンガ家。滋賀県出身。京都造形芸術大学在学中の2016年、「週刊少年チャンピオン フレッシュまんが賞」佳作となり、デビュー。『別冊少年チャンピオン』で本作を連載中。

※『anan』2019年11月27日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)

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