旬のサンマは最強? 花粉症にも効く“DHA”の効用って

2018.10.25
「DHA」ってどんな栄養素かピンとこない、という人も多いのでは? なんでも、仕事の効率アップや肥満予防、花粉症の緩和までもが期待できるというすごい栄養素らしい。DHAの働きや摂り方のポイントを管理栄養士の篠原絵里佳さんに教わった。
DHA

――ズバリ、DHAって何ですか?

篠原さん:ドコサヘキサエン酸の略で、不飽和脂肪酸のひとつです。

――3大栄養素のうちの脂質ということですね。

篠原さん:はい。脂質には(1)動物性油脂に多く含まれる飽和脂肪酸と(2)植物性油脂や魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸の2種類があります。DHAは、(2)の魚に含まれる不飽和脂肪酸。体にいい油として話題になった「n‐3系(オメガ3)」の代表です。主に動脈硬化の原因となる、コレステロールを減らす働きがあります。

――脂肪なのに、コレステロールを減らしてくれるんですか!

篠原さん:脳や神経組織の機能を高める働きがあり、記憶力・集中力・視力アップも期待できる。ただ、体内でつくることができない栄養素なので、食材からしっかり摂ることが大切です。

――なるほど。食事が重要ですね。どんな食材がいいんですか?

篠原さん:サンマやアジ、サバなどの青魚にたっぷり含まれています。子どもの頃、よく「魚を食べると頭がよくなるぞ」って言われませんでしたか? あれはDHAのことだったのです。また、魚の脂には、EPAという脂肪酸も含まれていて、EPAは、血管を柔らかくし、血液をサラサラにするほか、中性脂肪を減らす働きがあります。DHAもEPAも、花粉症などアレルギー症状の緩和に効果的といわれています。

――毎日どのくらい摂ればいい?

篠原さん:DHAとEPA、合わせて1g以上摂ることが理想です。いま、サンマの季節ですよね。サンマ1尾にDHAが約1.7g含まれているので、十分まかなえます。ぜひ、おいしく摂取していただきたいですね。

――摂取するときのポイントは?

篠原さん:酸化しやすいので、抗酸化物質(ビタミンA・C・E)と組み合わせるといいでしょう。サンマにはレモンやカボス、大根おろしがいいですね。魚を買う機会がない方は、缶詰もおすすめですよ。また、魚に比べると含有量は下がりますが、卵やヨーグルトなどにも含まれています。

――油はすべてDHAにすべき?

篠原さん:偏りなくいろんな油を摂ることが大事です。脂質はエネルギーの源なので総量として1日大さじ2杯を目安に油を摂りたいところ。揚げ物1回で約大さじ1杯の油を摂取しますからドレッシングなどほかの食材にも油が含まれていると考えると揚げ物は1日2回食べると…ちょっとオーバーですね。上手にコントロールしてみてください。

DHAを摂るには、青魚を食べるのが一番! 酸化しやすいので、抗酸化作用のあるものと組み合わせて。オススメレシピを参考にしてみて!

サンマ塩焼き

摂取できるDHAの量:1.7g(サンマ1尾105g)
1尾でたっぷり摂れる! 旬のサンマは最強食材。
脂ののったサンマはDHAの宝庫。ビタミンD・B2、亜鉛も摂れる。抗酸化作用のある大根おろしやカボスと合わせて。

サバ水煮と玉ねぎのポン酢和え

摂取できるDHAの量:0.9g(サバ水煮缶70g)

DHA

サバ缶を使って簡単調理。1日の摂取量クリア!
玉ねぎ1/4個を繊維に沿って厚めにスライスしラップをかけてレンジで2分。サバの水煮缶1缶とポン酢と合わせて出来上がり。

トロ握り2貫

摂取できるDHAの量:1.3g(マグロ〈脂身〉40g)
たった2貫でOK! ビタミンも豊富に摂れる。
マグロは魚のなかでもDHAの含有量がトップ。なかでもトロにはEPAが多く含まれ、ビタミンA・D・Eも赤身部分より豊富。

しのはら・えりか 管理栄養士。野菜ソムリエ、睡眠改善インストラクターの資格も持つ。今回は栄養素別おすすめ料理の監修にも参加。

※『anan』2018年10月31日号より。写真・小川朋央 イラスト・藤田 翔 料理作製、監修・篠原絵里佳 取材、文・神武春菜 

(by anan編集部)


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