日本女性が一番なりやすい“乳がん” きちんと知りたい5つの知識

2018.9.12
患者数が増え続けている、といわれる乳がん。ニュースやネットでもよく目にし、どうしても気になる存在。ただ漠然と怯えているのはダメ。女性なら誰でもなる可能性のある病気を、きちんと知って冷静に考えよう。
悩み

乳がんはどこにどのようにできるの?

乳がんは胸にできる悪性の腫瘍で、日本女性が一番なりやすいがん。乳腺の量が多いところに腫瘍ができやすく、乳がんの約90%は乳腺の中の乳管から発生し、乳管内に広がったり、乳管の外に出て他の組織に転移したりする。カラダの表面に近い場所にできるので、がんを発見しやすいともいわれ、早期発見がとても多い。

乳がん検診は若いうちから受けるべき?

若年性乳がんがメディアなどで話題になるけれど、実際、35歳未満の若い年齢での乳がんは全体の約2.7%と少数。通常乳がん検診は40歳以上からが基本。もし、近親に乳がんを発症した人が複数いたり、若い年齢で乳がんになった人がいれば、30歳くらいから年に1度の検診を。ただ、若くてもしこりを感じたら必ず受診して。

乳がんは遺伝するって本当ですか?

乳がんの中には「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)」と呼ばれるものがあり、乳がん、卵巣がん全体の5~10%は遺伝性であるとされる。遺伝子検査をすれば分かるので、早期発見や予防といった適切な医療が可能になると話題に。ただ、過度な心配がストレスになる場合もあるので、カウンセリングでしっかり相談を。

妊娠、出産をしていないと乳がんになりやすい?

エストロゲンには乳がん細胞の増殖作用があるため、出産で生理がない期間が長いほど、エストロゲンの分泌が少なく、乳がんの発症率も低くなると考えられる。ただ他にも、アルコールの摂取量が増えれば乳がん発症リスクは上がるし、肥満の人もリスクは高い。やみくもに不安を抱かず、生活習慣の改善から見直していこう。

【リスクを知っておくことも必要かも】
自分が乳がんになるとは全く思っていなかった、という漫画家の水谷緑さん。芸能人の乳がんのニュースを見て、何の気なしに受けた検診で初期の乳がんであることが判明した。32歳だった。

「先生に検査結果を聞いている間も、頭がついていかず、パニック状態でした。幸い初期だったので治療は思っていたよりスムーズでしたが、心への影響は相当なもの。異様にテンションが高ぶったり、全方位に怒りをぶつける状態になったりと、怒りや悲しみに翻弄され続けた日々でしたね」

この夏、治療が終わった直後から書き綴った、乳がんの闘病コミックエッセイが発売されたばかり。病状や治療、水谷さん自身が感じたことなどがリアルに描かれ、戸惑いや理不尽な出来事に対する怒りがストレートに伝わってくる。

「35歳未満の乳がんの発症率は本当に少ないので、必要以上に不安を持つことはないと思います。ただ、私もそうでしたが“病気は誰にでも起こりうるし、女性には女性なりのリスクがある”ということは知っていた方がいい。そして、乳がんは初期に発見した方が断然治療はスムーズなので、検診料は安心料と思って定期的に受けてみるのもいいかも、と思います」

水谷 緑さん 漫画家。緩和医療の漫画を『本当にあった愉快な話 芸能ズキュン!』(竹書房)で12月から連載予定。近著に『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』(竹書房)が。

※『anan』2018年9月19日号より。イラスト・かざまりさ 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)


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