冷やし中華大好き、日中眠い…「今の時期から夏バテする人」の特徴と対策 #220

文・大久保愛 — 2023.6.30 — Page 1/2
高温多湿、気圧の変化などで自律神経が乱れ、早くも夏バテを感じていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、バテやすいNG習慣と対策を教えてくれます!

最近、バテていませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 220


今年の夏は、各地で数年ぶりの花火大会やお祭り、フェスなどさまざまなイベントが再開し、心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。そして、徐々に蒸し暑さが定着してくる今日この頃、ジトっとした肌感にも慣れてきた頃だと思います。それに伴い、ジワジワと気力の低下、だるさ、日中の眠気など夏バテの始まりを感じることもあるかもしれません。楽しいことが多い一方で、不調の原因となる環境要因が非常に多いのも夏の特徴です。

みなさん、早々とバテはじめてはいないでしょうか。高温多湿に低気圧、うっとうしい雨、強い紫外線に負けていては、せっかくの夏の時間がもったいないです。心とカラダの基礎は日々の生活習慣の積み重ねによって構築されます。ということで、今週は少しでも快適な夏を過ごすことができるよう食薬習慣を紹介していきます。

今週は、夏バテに悩まないようにする食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
今年も半年が早くも過ぎようとしています。上半期、充実した時間を過ごすことができましたか? そして、下半期も充実した毎日を過ごすことができるように健康管理はしっかりとしていきたいですよね。心とカラダが元気であるということは、やりたいこと、目標、計画などをワクワクしながら考えることができ、考えたことを効率よくアクティブに行動し、実現していく力があるということです。

元気は、失いたくないですよね。ということで、まずは夏バテに悩まないようにすることが、今できることではないでしょうか。7月は、紫外線、冷房、湿度、低気圧などの環境要因により、自律神経が乱されやすい時期でもあるため、いつもなら問題なくこなしていたタスクやストレスに対する耐久性が低下しやすい時期です。なので、余裕をもった行動や丁寧な生活が必要となります。

暑いからと適当にそうめんや総菜パン、栄養ドリンクなどで食事をすます毎日を過ごしてしまっていては、近い将来弱いカラダになってしまうかもしれませんよ。漢方では、夏バテしやすい状態を『気血両虚』と考えます。日頃から、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの『気血』を補う食材を取り入れておくことが対策になります。

ということで、今週は『気血』を補う、胃腸が弱っているときにでも食べることのできるスープを紹介します。食べるといい食薬は、【ピーマンと手羽元の鶏白湯】です。そして、今週のNG行動は、【そうめん・冷やし中華の常食】です。

食薬ごはん【ピーマンと手羽元の鶏白湯】

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骨付きの手羽元、手羽先などのお肉は、栄養満点のお出汁がでます。バテてきたと感じるときのスープやお鍋には、骨付きの鶏肉を使って、低分子化されたコラーゲンやミネラルなどで『気血』を補いましょう。また、ピーマンを入れることで、βカロテンやビタミンCなど抗酸化ビタミンを摂取することができます。紫外線量が増えるこれからの時期は、小まめに抗酸化物質の摂取を行い、紫外線疲労や光老化対策も常に意識していきたいですね。

<材料>2人前

手羽元  5~10本
生姜   1片(千切り)
ピーマン 4つ(半分に切る)
水    500ml
醤油   大さじ1
みりん  小さじ2

<作り方>
中弱火で30分以上煮込んだら完成。

NG行動【そうめんや冷やし中華の常食】

暑苦しくなると、のど越しのよい食べ物が欲しくなりますよね。ちゅるんと食べられるそうめんや冷やし中華は、夏の風物詩ともいえるメニューです。暑い夏の間、氷の入った麺つゆでいただく麺類は涼しげな時間を作ってくれますよね。ただ、麺類は嗜好品の一つと考え、常食として定着させないように気を付ける必要があります。

夏は、汗をかいてミネラルを消耗し、食材が傷みやすい時期のためインスタントや総菜が増えたり、簡単な食事で済ませようとしてしまう時期と考えることもできます。カラダの元気の源であるタンパク質やミネラル、ビタミンなどが不足し、夏バテを加速させてしまわないように、バランスの取れた和定食のような食事を目指しましょう。

夏は、まだ始まったばかりです。コロナで中止していた夏のイベントも数年ぶりに開催したりと、今年の夏はアクティブに楽しみたいと考えている人も多いと思います。夏バテに悩まないように、早期に解消するように、食薬を活用してケアしていきましょう。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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